多分書き終わるのは日をまたいで試合当日になりそうだな。
日曜に試合があるおかげで、このプレビューの記事だけは毎試合掲載できている。
実は書きかけの観戦記が眠っていたりもするんだけど、性格的に半端なのは出せないんだよね。
選手たちがあんなにいい試合を観せてくれているのだから、私も頑張りたい。
■前回の対戦
2013年12月8日
2013年皇后杯3回戦
藤枝総合運動公園サッカー場
1-2の敗戦
忘れもしない2013年の終止符を打たれた悔しい敗戦。
なでしこリーグ入れ替え戦の厳しい戦いを勝ち抜いて精神的にもチームの完成度としても一段と成長した吉備国大。
リーグ戦を連勝で終えて以来1ヶ月ぶりの試合で、この試合の先にINAC神戸戦を見据えていたレッズレディース。
三知がコンディション不良でサブに回り大滝がスタメン出場する状況。
システムのミスマッチで少しオープンな展開となりつつも、チーム力として上回った吉備国大が2点を先行。
吉良のゴールで1点を返し、高畑を前線に上げるなど必死で闘う選手たち。
本当に紙一重というところでゴールをこじ開けられずに敗れた。
思い出すとまた歯を食いしばってしまう悔しい2013年の終わりだった。
■スタメン
前節のエルフェン埼玉戦で三知と吉良の不在の中、大滝とハナのツートップが躍動。結果を出し攻撃のオプションが増えたのは確かだが、オプションではなくやはりポジション争いと言いたい。
2人で奪った2ゴールは吉田監督が好む守から攻への切り替えと動きながらボールを受ける流れが合わさった素晴らしい得点だった。
決定力を見せた大滝と中央でも力強さを見せたハナ。信頼と実績の三知と吉良。
どんな組み合わせが見られるか楽しみなところ。
試合ごとに注目の両SBは強さと高さのある高瀬選手と荒川選手の時は臼井、コンパクトで切り替えの鋭さがある伊賀戦はぽっぽを起用。
今回は西川選手という大型で巧さもあるFWとその近くで思い切ったプレーをする濱本選手、さらにはミスマッチなシステムで両サイドの主導権争いがキーとなる中でどのような選択をするか興味深い。
しっかりとラインを作って受けるよりも攻撃的に押し込む展開を望むなら、石井や和田の起用も面白いのではないだろうか。
■試合の展望
*今回は攻撃面、守備面分けて書きにくかったのでまとめて。
昨シーズンチームを引っ張っていた杉田選手などが卒業で退団し、まだまだチームの完成度が低いイメージのある吉備国大。
個々の能力的に見ても何も恐ることはない。
一方でそろそろ他チームもレッズレディースの戦い方を研究し策を打ってくるころ。
セットプレー絡みの得点以外は中盤で追い込んでの守備から速く攻めきるパターンばかりだ。
中盤で小さく手数をかけてボールを回すことはせず、前線やサイドに出して縦に仕掛けてくることも予想される。
特に吉備国大はそもそもがそういう戦い方を得意としているチームにほかならない。
出しどころにしっかりとプレスをかけるのか、ブロックを作ってロングボールを跳ね返しセカンドボールを集中して回収するのか、中途半端になるとボランチが無駄走りさせられ運動量の割にボールタッチ数が少ない展開になってしまうだろう。
コンパクトであることは大前提であるが、のんと猶本の両ボランチがバランスよくポジショニングできるのか、フォワードと最終ラインのどちら側に近くプレーできるのかを注目したい。
それから繰り返しになるがサイドの主導権争いが最大のポイントだ。
システムのミスマッチをサイドで利用できたほうが試合を制すだろう。
基本的には攻撃的に行き相手を5バックで敵陣内に閉じ込めたなかで中盤を数的有利な状態にして進めたい。
逆に吉備国大は相手を同サイドに寄せてから空いた逆サイドを速く突破したいはずだ。
左右の速いスライドはもちろんのこと、人の捕まえ方とマークの受け渡し、チャレンジ&カバーの約束事をしっかりと確認して臨まなければならない。
サイドで1対1で仕掛けられる形を作れられていないかが注目ポイントだ。
そして最後は相手FWの西川選手を自由にさせないこと。
3連敗で少ないシュート数ながら毎試合得点を奪っているチーム。
思い切ったプレーからの一発には最大限の注意、できればゴール前の混戦に持ち込まれないように、ロングボールとサイドの争いを制したい。
落ち着いて自分達のサッカーをしたなかで、先制点を奪えればサポーターが望む展開が待っているだろう。
■FC吉備国際大学Charme
開幕から3連敗。
1試合の中でも波が大きく、不安定な展開が続いている。
とりわけ高い方の波は西川選手、濱本選手などの個人能力が最大限に活かされた瞬間的な鋭さで、ほとんどの時間が運動量と自陣ゴール前に人をかけての粘りで我慢する展開だ。
戦い方を大きく変えられるわけでもなく、良くも悪くも同じ戦い方の中で個の成長、チームの成長を促しながら残留を目指す戦いが続く。
チームの中には前回の皇后杯での良いイメージが残っているだろうか。
これまで通りどんな状況でも激しく、積極的に最後まで諦めず向かってくるだろう。
■キープレーヤー
キープレーヤーは藤田のぞみ
豊富な運動量で激しく闘ってくる吉備国大。
さらにロングボールやサイドから攻めてくる予想され、これまで以上に前後左右に忙しくなるだろう。
両サイドを献身的にフォローして、サイドで数的不利にならないようにしたい。
また吉備国大が中盤省略の戦術で臨み、これまでの守備網を狭めて奪い切る形がはまらない可能性もある。
行く時と行かない時の判断を誤ると一気に自陣ゴール前で勝負されるだろう。
常に周囲に目を配り、自らもバランスよくポジショニングを取るとともに、チーム全体をしっかりと機能させる声出しにも注目したい。
今までは影でチームを支えていた感のあるのんだが、この試合では運動量が際立つ展開になるかもしれない。
ボールにしっかりとアタックし、両サイドのフォローやセカンドボールにも走り回り、「のんは何人いるんだ」と言いたくなる活躍を期待する。
そして走り負けないサッカーで試合の主導権を奪えた時、多くのファンが望んでいる流れの中でのアシストやゴールという目に見える結果がおとづれるかもしれない
■試合に向けて
開幕4連勝を狙う試合というより昨年の皇后杯のリベンジという気持ちが強い。
選手たち、そしてサポーターを涙に沈めたあの試合の悔しさを思うと沸々とたぎるものがある。
そして、挑戦者という気持ちにさせてくれる。
首位に立ってもおごることはない。
1試合、1試合、チャレンジし続けるだけだ。