今年最初のシンフォニー・コンサート11 | セカンドライフの生きがい

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医療事務システム開発・販売会社を譲渡後、61歳でセカンドライフに入りました。別の仕事を続けながら生きがいを探す日々です。

ブルックナー交響曲第5番変ロ長調コンサートの感想。2月19日サントリーホールの東京交響楽団定期演奏会 指揮 クラウス・ペーター・フロール。

今日は第3楽章です。第2楽章が終わった後、フロールはほとんど間を開けず第3楽章を始めました。この第3楽章の冒頭は弦が第2楽章と同じような旋律を演奏するからかもしれません。

第2楽章はアダージョ Sehr langsam でしたが、第3楽章はスケルツォ モルト・ヴィヴァーチェ(Schnell)です。モルト・ヴィヴァーチェは、「きわめていきいきと」ということであり、Schnell(シュネル)はドイツ語で速いということですから、かなりテンポの速い楽章に変わります。

多くの指揮者は交響曲の演奏で、遅い楽章から速い楽章に移るときはあまり間を置かないように感じます。ベートーヴェンの第5番のように、第3楽章から第4楽章へ切れ目なく演奏しなければならない曲は当然ですが、例えば、ショスタコーヴィチの第5番「革命」のように第3楽章と第4楽章は間をとることができる曲でも、続けて演奏する指揮者は多いです。このショスタコの5番は、休みを置かず続けて演奏する方が好ましいと思います。

また、ブルックナーの交響曲は未完も含めて9曲(0番があるので、10曲かも)ですが、第3楽章は、ほとんどスケルツォです。例外は、最大の傑作といわれる第8番ハ短調と未完の第9番二短調。この2曲はスケルツォが第2楽章です。晩年のブルックナーは病気と闘いながら作曲していたようです。その影響が構成の変化に表われたのでしょうか。

さて、第3楽章の第1主題は、短調で急速な旋律がクレシェンドを伴って現れ、長調に転調して、ゆっくりした舞曲風の第2主題に変わります。その後、この二つの主題の変奏が交互に現れます。アゴーギクが重要な楽章でしょう。第1主題はまさしくSchnellでなければなりませんし、第2主題はモルト・ヴィヴァーチェでなければなりません。オケは大変だと思いますが、リズム・テンポともに揺るがなかったと思います。この功績の大半は指揮者のフロールにあったのですが、東京交響楽団も健闘したと思います。

いよいよ明日は第4楽章フィナーレです。