※BL・腐の意味がわからない方、これらの言葉に嫌悪感を抱く方は閲覧をご遠慮ください。
また閻鬼が嫌いな方もです。
超久々閻鬼。文自体も久々に書く気が・・・。
サボり閻魔と鬼男くんのお話。最後微裏というか、ちょっと注意です。
*****************************
窓辺に寄り添うと、眼下には木々が広がっている。
また別の部屋から外を覗くと湖らしき水面が陽の光を浴びてきらめいていた。
都会の喧騒から離れた、閑散とした癒しの地。
鬼男は高い鳥のさえずりを聴きながら果てしなく広がる緑をぼうっと眺める。
「・・・どこだここは。」
********************
「・・・で、どういうことなんですか。説明してください。」
鬼男は目の前に転がっている男を無感動な眼差しで見下ろす。
彼は身体をひねり、涙目で赤くなった頬をさすっているがそれは自業自得だろう。
「いやほんとすみませんでした・・・。」
閻魔は抵抗せずおとなしくまず謝った。
はたから見れば鬼男のほうが権力を握っているように思えるが、一応これでも冥府の王なのだ。
王ともあろう人が部下に右ストレートをくらってめそめそしているとは、情けない。
けれどこれが彼らの日常だし、今までの経験上、どうしても秘書に頭があがらないのだ。
謝罪を述べ、すっかりしおらしくなった閻魔に、鬼男は短くため息をついた。
「まず・・・ここはどこなんですか。」
「現世。」
本当に反省しているのかしていないのか、躊躇なく即答した閻魔に、鬼男は瞬時に喉元まで罵倒の言葉が出かかった。
しかしそれはすぐに下がり、口から出ることはなく、代わりに行き所をなくした大量の息を、一瞬つまらせてから、ゆっくりと吐き出した。
なんとなく予想はついていたのだ。
いつもいるところではありえない、目に優しい緑。見覚えのない風景。聴いていて心地良い小鳥のさえずり。
住み慣れた、冥府ではありえない光景だった。
そしてこんな穏やかな地は天国か、それか下界しかない。
しかし天国はもう少し、現実離れしたところで、葉をよく見て見ると一部が変色していたり、幹によくわからない小さい虫が這っていることはないのだ。
それと先程閻魔をいつも通り爪で刺そうとしたところ、何故か伸びなかったことから、ほとんど確信に変わっていた。
そもそも彼がこんな大掛かりな逃亡先にわざわざ同じあの世を選ぶわけがない。
鬼男は呆れた様子で、俯き、頭をがしがしと掻く。
「なんかもう・・・色々言いたいことはあるんですけど。
何故僕らは現世にいるのですか?」
「いやあ・・・まあ・・・。休憩?」
悪びれもしない閻魔に、その時、鬼男の中で何かが切れた音がした。
「休憩?ってなんだよ、ああん?お前いつも菓子食ってだらだらやってんだろうが!!駄々こねて俺が立てる予定通りいくことがほとんどないだろうが!!あ゛あ゛!?」
「ヒッ!ご、ごめんなさい・・・埋まります・・・コンクリに埋まります・・・。」
今度こそ反省したのか、元々血色の悪い顔を更に青くして、正座をして居住まいを正し、しゅんと俯いた。
拳を握り締め、用意していた鬼男であったが、態度を改めた閻魔をとりあえずよしとし、拳を下ろす。
下ろした腕を見つめる彼の表情から安堵がみてとれた。
「わかったなら早く帰りましょう。」
「やだ。」
「・・・は?」
今の流れなら反省して逆らうのを諦め、すぐにあの世に繋いでもらえると思っていたので鬼男は面食らった。
ここまできて駄々をこねるというのか。そんなに殴られたいのか。いい度胸だ。
眉をひそめ、再び拳を握りしめ振り上げようとしたその時、察した閻魔から悲鳴も入り混じった制止の声があがる。
「ちょっ、待って待って待って待って!!違うんだってば!!」
「何がですか先程の貴方の発言がですか。」
「いや、俺の発言はあってるけど・・・ちょ、だから殴らんといて!!違うんだってば!!数日分終わらせてきたんだってば!!」
「は?」
鬼男は振り上げた腕をぴたりと止める。
閻魔は既に覚悟を決めて目を瞑っていたが、思っていた打撃がこないのを確認するとおそるおそる目を開けた。真っ先に視線を捉えたのは身体の横に下がっている鬼男の右腕だ。
「どういうことですか?」
「いや、そのまんま。一応数日分終わらせてきたんだけど…。」
「と言っても、亡者はどうなっているんですか?今日は今日、明日は明日、で並んでいるのでは。」
「あ、うん、並んでいることは並んでいるんだけど、数日分の人たちを振り分けたリストを作って他の鬼に渡したよ。この通りにしてね、って。」
そうは言われても、にわかに信じがたい。
確かに嘘をついているようには見えないのだが、最近は特に仕事の量が増えたわけでもなく、閻魔もいつも通りだらだらと裁判をしていた。
つまり変化が見受けられなかったのだ。
「ああ、通常の裁判が終わってから夜、一人で部屋でやってたからね。」
鬼男の心中を察したのか、閻魔はさらりと言ってのける。
なるほどそれなら理解できる、と鬼男は頷いた。
「それで、つまり一応ちゃんとやってきたからサボりではなく休暇だと。」
「うん、そういうこと。」
自信満々の笑みを浮かべながらそう言われては、仕方ない。
怒る理由もないので、代わりに呆れたように頭を掻く。
「でもサボりになんで僕を混ぜたんですか。」
「サボりじゃないよ・・・、いや、一人で休暇というのもなんかつまらないし、それに鬼男くんを休ませてあげたかったんだよね。」
「僕を?」
意外な言葉に鬼男は目を丸める。
「うん。鬼男くん、ここ最近疲れてたみたいだし。まとまった休みって俺ら、基本ないからさ。最近は比較的亡者も少ないし。ちょうどいいかなあって。」
「アンタが元からちゃんと仕事していれば定時あがりで夜もちゃんと休めるんですけど。」
「うっ・・・、いや、でも、さ、夜寝るだけじゃなくて丸々一日休みとか、ほしいだろう?」
確かに最近よく眠れているほうではなかったし、そもそもその原因は閻魔のせいだし、けれど別にちゃんとした休みがほしいとは思っていなかった。
自分を休ませたかった、というのはなんだかんだ言って結局サボりの口実にされているような気がするが、まあ少しでも自分のことを考えてくれていたというのは悪い気はしない。
「・・・まあそうですね。」
同調をせまる言葉遣いに呆れつつも仕方なく合わせる。というか幼子のように必死に目で訴えられてたら、断れるわけがない。
すると閻魔の表情がわかりやすく華やいでいったので、たまにはいいか、と鬼男も諦めたように微笑を浮かべた。
「けど・・・なんで僕には言わなかったんですか?言ってくれたらお手伝いしたのに。」
「確かに鬼男くんに頼んで朝からいつもより業務を増やしてたら楽だったかもしれないけどさ、それじゃあサプライズにならないだろ?」
なるほど、休ませるためというのはどうやら本当だったらしい。
しかし彼も夜は早く休みたいだろうに、感づかせないためだけに昼間いつも通りだらだらと仕事をしていたというのは馬鹿というか、結構辛かっただろう。
まあ今回は裏での努力に免じて素直に感謝してやろう、と鬼男は思った。
「それと不思議だったんですけど・・・なんで爪は伸びないのに角はあるんですか?」
ここに連れてこられた時はどうやら眠らされていたらしく、ここでの一番古い記憶は見慣れないベッドの上だった。
とりあえずここは冥界なのか現世なのかを確認するために頭を触ったら角の感触がしっかりとあったので、最初は冥界のどこかにいると思っていたのだ。
しかし起きて暫く色々なものを観察しているうちにその線は薄くなり、極めつけは閻魔に爪を刺そうとしたときだ。
いつもなら強く念じなくても伸びてくるのに、今回は爪の伸ばし方についてゲシュタルト崩壊しそうなくらいに悩まされた。
けれど現世にいるならば、基本普通の人間としていなければならないのでどちらともなくなるはずで、どちらかが残っていることはありえないのだ。それが鬼男の推測をややこしくさせた。
「ああ、だって角あったほうが萌えるし。」
「は?もえ・・・?」
「だって角は鬼男くんの性感た・・・」
「わーーっ!?何言ってんだこのイカ!!!」
質問の主旨とは関係のなさそうな、しかも真昼間から急に怪しい話に突入しかけたので鬼男は思わず大声で遮った。
しかしここにはこの二人以外人はいないので話す内容に昼も夜もほとんど関係ないのだが。
やはり閻魔もそう思っていたようで、案の定、人がいないんだからいいじゃん、と不服そうに頬を膨らませている。
これではまるで慌てた自分がおかしいようではないか。けれど受身である自分の夜の事情なんてできればあまり考えたくもないし聞きたくもない。
「・・・ていうか、そんな理由で?」
確かに、現世へ降り立つ際の鬼男の姿は閻魔によって変えられているので、閻魔が望めば角だけを残すこともできる。
閻魔が本気になれば年齢だって性別だって変えられるのだが、怒られて酷い目にあうことをわかっているのでおとなしく無難にしているだけだ。
この時、鬼男の頭の中で嫌な予感が思い浮かんだ。
「・・・ってことは、まさか・・・。」
「夜のセットもちゃんと持ってきたし、2,3日はゆっくりできるよ、鬼男くん!」
「やっぱりそういうことかこの変態大王イカ!!!」
*************************
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆あとがき*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
久々に文字書けそうな気がした上、超久々に閻鬼で書けそうな気がしたので書きました途中何回も折れそうになったけど頑張った。
あ、ちなみに書けなかったけど閻魔がいるところは閻魔の所有物というより、誰かの別荘を勝手に借りちゃってる感じです。犯罪じゃねえか。あとで鬼男くんにばれて怒られました。
鬼男くんがキレたときに「俺」って言ってますがわざとです。なんかキレたら「俺」になりそうだなあと・・・。
2,3日ゆっくり・・・何するんでしょうねえ。食料とか必要なものは閻魔が既に取り寄せてるし。
昼間はのんびり釣りとか森林浴とか・・・ほのぼのもありですね。ところでこれ消されないかちょっと心配なんだよね。
ではでは、いつもありがとうございます(*^ー^)ノ
また閻鬼が嫌いな方もです。
超久々閻鬼。文自体も久々に書く気が・・・。
サボり閻魔と鬼男くんのお話。最後微裏というか、ちょっと注意です。
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窓辺に寄り添うと、眼下には木々が広がっている。
また別の部屋から外を覗くと湖らしき水面が陽の光を浴びてきらめいていた。
都会の喧騒から離れた、閑散とした癒しの地。
鬼男は高い鳥のさえずりを聴きながら果てしなく広がる緑をぼうっと眺める。
「・・・どこだここは。」
********************
「・・・で、どういうことなんですか。説明してください。」
鬼男は目の前に転がっている男を無感動な眼差しで見下ろす。
彼は身体をひねり、涙目で赤くなった頬をさすっているがそれは自業自得だろう。
「いやほんとすみませんでした・・・。」
閻魔は抵抗せずおとなしくまず謝った。
はたから見れば鬼男のほうが権力を握っているように思えるが、一応これでも冥府の王なのだ。
王ともあろう人が部下に右ストレートをくらってめそめそしているとは、情けない。
けれどこれが彼らの日常だし、今までの経験上、どうしても秘書に頭があがらないのだ。
謝罪を述べ、すっかりしおらしくなった閻魔に、鬼男は短くため息をついた。
「まず・・・ここはどこなんですか。」
「現世。」
本当に反省しているのかしていないのか、躊躇なく即答した閻魔に、鬼男は瞬時に喉元まで罵倒の言葉が出かかった。
しかしそれはすぐに下がり、口から出ることはなく、代わりに行き所をなくした大量の息を、一瞬つまらせてから、ゆっくりと吐き出した。
なんとなく予想はついていたのだ。
いつもいるところではありえない、目に優しい緑。見覚えのない風景。聴いていて心地良い小鳥のさえずり。
住み慣れた、冥府ではありえない光景だった。
そしてこんな穏やかな地は天国か、それか下界しかない。
しかし天国はもう少し、現実離れしたところで、葉をよく見て見ると一部が変色していたり、幹によくわからない小さい虫が這っていることはないのだ。
それと先程閻魔をいつも通り爪で刺そうとしたところ、何故か伸びなかったことから、ほとんど確信に変わっていた。
そもそも彼がこんな大掛かりな逃亡先にわざわざ同じあの世を選ぶわけがない。
鬼男は呆れた様子で、俯き、頭をがしがしと掻く。
「なんかもう・・・色々言いたいことはあるんですけど。
何故僕らは現世にいるのですか?」
「いやあ・・・まあ・・・。休憩?」
悪びれもしない閻魔に、その時、鬼男の中で何かが切れた音がした。
「休憩?ってなんだよ、ああん?お前いつも菓子食ってだらだらやってんだろうが!!駄々こねて俺が立てる予定通りいくことがほとんどないだろうが!!あ゛あ゛!?」
「ヒッ!ご、ごめんなさい・・・埋まります・・・コンクリに埋まります・・・。」
今度こそ反省したのか、元々血色の悪い顔を更に青くして、正座をして居住まいを正し、しゅんと俯いた。
拳を握り締め、用意していた鬼男であったが、態度を改めた閻魔をとりあえずよしとし、拳を下ろす。
下ろした腕を見つめる彼の表情から安堵がみてとれた。
「わかったなら早く帰りましょう。」
「やだ。」
「・・・は?」
今の流れなら反省して逆らうのを諦め、すぐにあの世に繋いでもらえると思っていたので鬼男は面食らった。
ここまできて駄々をこねるというのか。そんなに殴られたいのか。いい度胸だ。
眉をひそめ、再び拳を握りしめ振り上げようとしたその時、察した閻魔から悲鳴も入り混じった制止の声があがる。
「ちょっ、待って待って待って待って!!違うんだってば!!」
「何がですか先程の貴方の発言がですか。」
「いや、俺の発言はあってるけど・・・ちょ、だから殴らんといて!!違うんだってば!!数日分終わらせてきたんだってば!!」
「は?」
鬼男は振り上げた腕をぴたりと止める。
閻魔は既に覚悟を決めて目を瞑っていたが、思っていた打撃がこないのを確認するとおそるおそる目を開けた。真っ先に視線を捉えたのは身体の横に下がっている鬼男の右腕だ。
「どういうことですか?」
「いや、そのまんま。一応数日分終わらせてきたんだけど…。」
「と言っても、亡者はどうなっているんですか?今日は今日、明日は明日、で並んでいるのでは。」
「あ、うん、並んでいることは並んでいるんだけど、数日分の人たちを振り分けたリストを作って他の鬼に渡したよ。この通りにしてね、って。」
そうは言われても、にわかに信じがたい。
確かに嘘をついているようには見えないのだが、最近は特に仕事の量が増えたわけでもなく、閻魔もいつも通りだらだらと裁判をしていた。
つまり変化が見受けられなかったのだ。
「ああ、通常の裁判が終わってから夜、一人で部屋でやってたからね。」
鬼男の心中を察したのか、閻魔はさらりと言ってのける。
なるほどそれなら理解できる、と鬼男は頷いた。
「それで、つまり一応ちゃんとやってきたからサボりではなく休暇だと。」
「うん、そういうこと。」
自信満々の笑みを浮かべながらそう言われては、仕方ない。
怒る理由もないので、代わりに呆れたように頭を掻く。
「でもサボりになんで僕を混ぜたんですか。」
「サボりじゃないよ・・・、いや、一人で休暇というのもなんかつまらないし、それに鬼男くんを休ませてあげたかったんだよね。」
「僕を?」
意外な言葉に鬼男は目を丸める。
「うん。鬼男くん、ここ最近疲れてたみたいだし。まとまった休みって俺ら、基本ないからさ。最近は比較的亡者も少ないし。ちょうどいいかなあって。」
「アンタが元からちゃんと仕事していれば定時あがりで夜もちゃんと休めるんですけど。」
「うっ・・・、いや、でも、さ、夜寝るだけじゃなくて丸々一日休みとか、ほしいだろう?」
確かに最近よく眠れているほうではなかったし、そもそもその原因は閻魔のせいだし、けれど別にちゃんとした休みがほしいとは思っていなかった。
自分を休ませたかった、というのはなんだかんだ言って結局サボりの口実にされているような気がするが、まあ少しでも自分のことを考えてくれていたというのは悪い気はしない。
「・・・まあそうですね。」
同調をせまる言葉遣いに呆れつつも仕方なく合わせる。というか幼子のように必死に目で訴えられてたら、断れるわけがない。
すると閻魔の表情がわかりやすく華やいでいったので、たまにはいいか、と鬼男も諦めたように微笑を浮かべた。
「けど・・・なんで僕には言わなかったんですか?言ってくれたらお手伝いしたのに。」
「確かに鬼男くんに頼んで朝からいつもより業務を増やしてたら楽だったかもしれないけどさ、それじゃあサプライズにならないだろ?」
なるほど、休ませるためというのはどうやら本当だったらしい。
しかし彼も夜は早く休みたいだろうに、感づかせないためだけに昼間いつも通りだらだらと仕事をしていたというのは馬鹿というか、結構辛かっただろう。
まあ今回は裏での努力に免じて素直に感謝してやろう、と鬼男は思った。
「それと不思議だったんですけど・・・なんで爪は伸びないのに角はあるんですか?」
ここに連れてこられた時はどうやら眠らされていたらしく、ここでの一番古い記憶は見慣れないベッドの上だった。
とりあえずここは冥界なのか現世なのかを確認するために頭を触ったら角の感触がしっかりとあったので、最初は冥界のどこかにいると思っていたのだ。
しかし起きて暫く色々なものを観察しているうちにその線は薄くなり、極めつけは閻魔に爪を刺そうとしたときだ。
いつもなら強く念じなくても伸びてくるのに、今回は爪の伸ばし方についてゲシュタルト崩壊しそうなくらいに悩まされた。
けれど現世にいるならば、基本普通の人間としていなければならないのでどちらともなくなるはずで、どちらかが残っていることはありえないのだ。それが鬼男の推測をややこしくさせた。
「ああ、だって角あったほうが萌えるし。」
「は?もえ・・・?」
「だって角は鬼男くんの性感た・・・」
「わーーっ!?何言ってんだこのイカ!!!」
質問の主旨とは関係のなさそうな、しかも真昼間から急に怪しい話に突入しかけたので鬼男は思わず大声で遮った。
しかしここにはこの二人以外人はいないので話す内容に昼も夜もほとんど関係ないのだが。
やはり閻魔もそう思っていたようで、案の定、人がいないんだからいいじゃん、と不服そうに頬を膨らませている。
これではまるで慌てた自分がおかしいようではないか。けれど受身である自分の夜の事情なんてできればあまり考えたくもないし聞きたくもない。
「・・・ていうか、そんな理由で?」
確かに、現世へ降り立つ際の鬼男の姿は閻魔によって変えられているので、閻魔が望めば角だけを残すこともできる。
閻魔が本気になれば年齢だって性別だって変えられるのだが、怒られて酷い目にあうことをわかっているのでおとなしく無難にしているだけだ。
この時、鬼男の頭の中で嫌な予感が思い浮かんだ。
「・・・ってことは、まさか・・・。」
「夜のセットもちゃんと持ってきたし、2,3日はゆっくりできるよ、鬼男くん!」
「やっぱりそういうことかこの変態大王イカ!!!」
*************************
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆あとがき*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
久々に文字書けそうな気がした上、超久々に閻鬼で書けそうな気がしたので書きました途中何回も折れそうになったけど頑張った。
あ、ちなみに書けなかったけど閻魔がいるところは閻魔の所有物というより、誰かの別荘を勝手に借りちゃってる感じです。犯罪じゃねえか。あとで鬼男くんにばれて怒られました。
鬼男くんがキレたときに「俺」って言ってますがわざとです。なんかキレたら「俺」になりそうだなあと・・・。
2,3日ゆっくり・・・何するんでしょうねえ。食料とか必要なものは閻魔が既に取り寄せてるし。
昼間はのんびり釣りとか森林浴とか・・・ほのぼのもありですね。ところでこれ消されないかちょっと心配なんだよね。
ではでは、いつもありがとうございます(*^ー^)ノ