読書日記2025-78
普通の子
朝比奈あすか(著)
[角川書店2024年12月発行]

あらすじ
佐久間美保は小学生の息子・晴翔と夫の三人暮らし。ある日、晴翔が小学校のベランダから転落して骨折してしまう事件が発生する。 転落した理由を尋ねるも、晴翔はかたくなに口を閉ざしたまま。 もしかして、わが子はいじめを受けていたのではないか……? そう思った美保は独自に真相を探ろうとするが、自身も小学生時代にあるいじめを「目撃」しており……? 衝撃のラストに震撼する、「いじめ」問題に切り込む意欲作!
感想
「いじめ」問題に正面から切り込む、著者渾身の意欲作!
いやはや…怖いこわい…
でも決してフィクションではない!
読んだ人は皆思うかも…
「普通の子」ってなんだろう?
いじめている人といじめられている人との認識の違い、その傷の深さの違い、自分に都合よく解釈するのはいじめている方?!
同調圧力に呑まれてしまう怖さ、子供特有の残酷さ、弱さ、脆さ、視野の狭さがありありと描かれていた。
結末が曖昧なのがスッキリしなかったな…
しかし自分都合の母親のことも分からなくはない。
誰もが「うちの子に限って…」と思ってしまうし、加害者だとは認めたくない愚かさが前面に出てしまうのでは…
私も子供の虐め問題で闘ったことある。
後で思えば、子供が自分に都合よく言っていた部分もあったのかもしれないけど、子供に親は"味方"だという想いは伝わったのではと思った。
愚かな親かもしれないけど、時にはそれも必要かと…
朝比奈作品は以前読んだ『翼の翼』
こちらも子供問題をリアルに書かれていたと記憶している。
ありがとうございましたm(_ _)m