読書日記2024-207

世界のすべて

畑野智美(著)

[光文社2024年9月発行]

 

世界のすべて [ 畑野智美 ]

 

  あらすじ

――恋愛感情がない。性欲がない。 それでも「普通」に暮らしている。
5年間勤めた会社を辞め、街の小さな喫茶店「ブルー」でアルバイトをする鳴海優輝。 心優しい啓介が営む「ブルー」には秘密を抱えた人々が集まってくる。 デザイナーの北村、高校2年生のヒナ……。 常連客の悩みに向き合う鳴海にも、周りに言えない想いがあった。
多様なセクシュアリティを持つ人々を、やわらかく鮮やかに照らす、畑野智美の新たな代表作。


  感想

淡々とした方の畑野作品で『若葉荘の暮らし』のタイプですね。

男性主役も珍しいし、内面の葛藤で構成されて進んでいき、読者に問いかけている系かな?!


デリケートなテーマを扱った作品となり、アロマンティック、アセクシャアルなんて初めて聞いたし、LGBT・女装家、それ以外にもフィクトロマンティック(アイドルを本気で好きになる)や、ポリアモリー(同時に複数を好きになる人)なども、それぞれにこんな呼び方があると初めて知った。


話の中のカフェのように、そういう悩みや心の葛藤をもった人達に寄り添える小説を著者は書いたのかな?と思えました。


世間一般の"こうあるべき"は本当にそうなのか?

私の年齢になると、そう簡単に受け入れられないこともあるけど、どんな人にも優しい世の中になればいい!とは願います。


マイノリティが普通になる社会…

『これからの子どもたちが生活する環境や世の中をどうしていくか、人をあてにするのではなく、自分たちでどうにかしていかないと』

この本文が、著者の言いたいことだったのか?


その問いかけは大事だけど、畑野作品は、『罪のあとさき』『消えない月』のようなハード系が好きな私ニコニコ

ちょっと物足りなさを感じちゃいました…


ありがとうございましたm(_ _)m