読書日記2024-149
寿命が尽きるか、
金が尽きるか、
それが問題だ
こかじさら(著)
[WAVE出版2022年11月発行]
あらすじ
「私のほうが先に死んでまうやろ!」
常識も理屈も通用しない高齢者4人を世話する日々を描いたむき出しの介護エッセイ。
故郷にUターン移住した先に待っていたのは、92歳の老父と90歳の老母、そして子どものいない88歳の叔父叔母夫婦との何ともやっかいな生活。 わがまま、逆ギレ、能天気、人任せ……四者四様の様相を呈して立ちはだかる4人に、「これは修行か! はたまた罰ゲームか!」顔を歪めながらも奮闘する日々。
介護を経験した人であれば首がもげるほど共感できる、家族愛もきれいごとも一切通用しない本当の介護を描くせきららエッセイ。
感想
いきなり目を引くタイトル、まさに介護はその通り!と思えた。
エッセイすなわちリアルなお話しってことだよね…
あまりにも惹き込まれて絶句!
私とほぼ同年代の著者と老親たち。
ひと筋縄ではいかない実父母だけではなく、子供のいない叔父叔母の介護を担う著者。
しかも4人とも認知症が始まっていると思われるし…
しかし4人4様で、ひと口に認知症と言っても様々。
いちばん厄介なのは実母!暴言•攻撃的•買物依存•病院依存とフルコース
私も90歳の義父母と同居中なので(義母は認知症予備軍)、決して他人事には思えない!
もうね、付箋だらけになりましたよ。
《老いても子に従いたくない気の強い高齢者と、老いや衰えを自覚して大人しくしていてほしいと願う子ども世代。両者の隔たりは永遠に埋まることはないのだろう》
《高齢者の介護は家族愛などというきれいごとでは決して乗り切ることはできないのだ》
《老親の寿命が尽きるか先か、介護する側の気力が潰れるのが先か、はたまた貯金が底を突くのが先か…。恐怖を伴った不安に日々苛まれている介護者の気持ちは、実際に介護する立場になってみないとわからないのだろう》
『介護者はお葬式では泣かない』
哀しいよりもホッとする気持ち…そういうことでしょうね!壮絶な毎日…それを誰も責められない!
この本を読んで、自分の立場がまだ楽々だと思えたこと、少しだけ覚悟ができたことが収獲?!
でもきっと耐えられないことも分った!
そして自分の胸に刻みつけたのは《老いては子に従う》
今朝の新聞の訃報欄で佐々涼子さんが載ってました。享年56歳。
私が知ってまだ2ヶ月ほどのライターさん、素晴らしい本をありがとうございましたm(_ _)m
ありがとうございましたm(_ _)m