読書日記2024-88
隠居すごろく
西條奈加(著)
[角川書店2019年3月発行]

あらすじ
巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。 店主の徳兵衛は、三十三年の働きに終止符を打ち、還暦を機に隠居生活に入った。 人生を双六にたとえれば、隠居は「上がり」のようなもの。 だがそのはずが、孫の千代太が隠居家に訪れたことで、予想外に忙しい日々が始まった! 千代太が連れてくる数々の「厄介事」に、徳兵衛はてんてこまいの日々を送るが、思いのほか充実している自分を発見する……。
果たして「第二の双六」の上がりとは?
感想
さきに続編の『隠居おてだま』を読んでしまったので逆読みね。自称ワイルド読みと言う(笑)
ワイルド読みをして良かっのが、悪かったのか…
先にこの本を読んでいたら、徳兵衛さんの人なりの印象が随分と変わったように思えたから…
続編での徳兵衛さんの印象は、ちょっと頑固で情に脆く、周りを上手く執り成す優しい爺さんと思えたけど、本書でそれまでの経緯を読むと、こりゃ〜随分と変わられたんだと、徳兵衛さんだけじゃなく周りの皆んなもね!
《人生の上がりだと思っていた隠居生活が、まさか「第二の双六」の始まりだったとは…。これぞ笑って胸に沁みる時代小説!》
その通りでした
そして…
《本当の意味で人生には『上がり』がない。だからこそ面白く甲斐がある。やがて死を迎え終わりが来ようが、辿ってきた道だけはその先も続く》
続くような道を残せるような人生を送りたいものです!
最後の最後、えぇー徳兵衛さん既に…
この時点では、読者は続編があるとは思わなかったのでは?
ありがとうございましたm(_ _)m