読書日記2023-136

わたしが消える

佐野広実(著)

[講談社2020年9月発行]

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わたしが消える (講談社文庫) [ 佐野 広実 ]

 

  あらすじ

元刑事の藤巻は、医師に軽度認知障碍を宣告され、愕然とする。 離婚した妻はすでに亡くなっており、大学生の娘にも迷惑はかけられない。 ところが、当の娘が藤巻の元を訪れ、実習先の施設にいる老人の身元を突き止めて欲しい、という相談を持ちかけてくる。 その老人もまた、認知症で意思の疎通ができなくなっていた。 娘の依頼を引き受けた藤巻は、老人の過去に隠された恐るべき真実に近づいていく…。

「松本清張賞」と「江戸川乱歩賞」を受賞した著者が描く、人間の哀切極まる社会派ミステリー!


  感想

佐野広実さんの前回読んだ『シャドウワーク』 が良かったので、著者の他の本が読みたくて借りた1冊。


こちらもかなり力作でハード本350頁、どんどん惹き込まれた!


まず主人公は61歳で"軽度認知障碍"というのを宣告される場面から始まり、私も他人事ではないという想いから(当てはまることもあるかも…)、かなり前のめりガーン


正体不明の認知症の老人を取り巻く謎を追いかけると…

テロ事件や震災を絡ませ、公安、警察組織、政治家、ヤクザ、ここまでやるか!と驚かされるガーン

公安が絡むとどこまでが真実なのかも一般人には分からないし…


ただ娘を巻き込むことが分かってて…の件は解せないし、もっと酷いことになってもおかしくないのに、そこがちょっと甘く思えた。


病気に関してもちゃんと後始末をするための行動をしないとね!身内には伝えましょうよ!


ありがとうございましたm(_ _)m