長かった、やっと最終回

静電気の除電でサスペンションの動きが良くなるのをやったのは、2012年頃。その後、製造元がボルト・ナットで除電する方式を発明、その初期の試作品が今でも展示車のTL125や車に付いています。

友人はその試作品を私に見せて「これ、何だか分かるはてなマーク」と言いました。瞬時に「それ、電気でしょうビックリマーク」、「おお、よく分かったな」何か嬉しそうでした。

すぐにマフラーのジョイントに2本取り付けて、工場の前の道でウィリーしてみました。フロントが浮き易くなり、何度も繰り返していました。排気の流れが改善されたのです。

”特許解説シリーズ”では、今までタイヤ(住友ゴム)、吸気(ホンダ)、タイヤ&ホイール(トヨタ)を解説していますが、テーマに関わらず、当ブログは科学的根拠をなるべく示しながら書いています。ですから、思い込みやプラシーボ効果は排除しています。

トヨタ自動車のこの特許の出願日は2015年7月。友人の特許出願は2014年4月ですから、一年以上早く出願していたのです。

今までと同じく、特許文献を青太文字で、その下に分かりにくい特許文献をやさしく解説を書きます。

前回の【007 7】以降からしばらくショックアブソーバーの構造の解説なので省略します。

【0088】
  上述の第一及び第二の実施形態の場合と同様に、シリンダ12の外側シリンダ12Yの長手方向中央部及び下端部の表面には、短冊状をなす自己放電式除電器90A及び90Bが周方向に延在するよう接着により固定されている。実効通路断面積可変装置104のハウジング112の表面には、短冊状をなす自己放電式除電器90Iが周方向に延在するよう接着により固定されている。なお、図10及び図11には示されていないが、上述の第一の実施形態の場合と同様に、ピストン14のロッド部14の上端を支持するアッパサポートの外筒部材の上面などにも、短冊状をなす自己放電式除電器が接着により固定されている。

ショックアブソーバーの表面には自己放電式除電器(トヨタの除電方式の名称)90A、90Bが接着してある。実効通路断面積可変装置というのは、電磁アクチュエーター式可変オリフィスの事です。ここにも自己放電式除電(90I)が接着されている。

【0089】
  第三の実施形態によれば、上述の第一の実施形態の場合と同様に、自己放電式除電器90Aなどによって内側シリンダ12X、外側シリンダ12Y及びピストン14を除電することができる。よって、ショックアブソーバ16内のオイル76に帯電する正の電荷を外側シリンダ12Y及びピストン14などへ移動させ、これによりショックアブソーバ16内のオイル76の電荷の帯電量を低減することができる。

内側シリンダ12X、外側シリンダ12Y及びピストン14(上図)を除電出来る。金属は導電性が高いため、物理的に繋がっていれば容易に電気が導通します。金属の筒に封入されているオイルも帯電していますが、除電箇所に流れる特性があるので、伝わって行って除電(電荷の帯電量を低減)する事が出来る。


【0090】
  特に、第三の実施形態によれば、自己放電式除電器90Iによって実効通路断面積可変装置104のハウジング112が除電され、伸び行程及び縮み行程の何れにおいても、オイル76はシリンダ上室68からバイパス通路110を経て環状室74へ移動する。よって、バイパス通路110を流れるオイル76に帯電する正の電荷を、実効通路断面積可変装置104のハウジング112へ移動させ、これによりバイパス通路110を経て循環するオイル76の電荷の帯電量を低減することができる。従って、ハウジング112の表面に自己放電式除電器90Iが固定されていない場合に比して、オイル76に電荷が帯電することに起因してショックアブソーバ16の減衰力が過大になることを効果的に防止することができる。

上図の徐電器(90I)によって、電磁オリフィスのハウジングが除電され、伸縮いづれの行程でも外側の筒に74に移動する。よってバイパス通路のオイルに帯電している静電気をハウジングに移動させて、バイパス通路のオイルも除電出来る。

したがって、ハウジングに除電器が取り付けていない場合に比べて、オイルに帯電する事に起因してショックアブソーバーの減衰力が過大にになる事を効果的に防止する事が出来る。

ここからも上述と同様の内容の為省略します。

【0104】
  以上の説明から解るように、上述の各実施形態における除電器90Aなどは、所謂イオン分離式の非アース型の自己放電式除電器である。即ち、除電器90Aなどは、コロナ放電により空気を正の空気イオンと負の空気イオンとに分離し、減衰力発生装置10の構成部材に帯電する正の電荷と負の空気イオンとの電気的中和によって除電を行い、電気的なアースのための配線を必要としない。従って、前述の特許文献に記載された静電気除去装置が使用される場合に比して、減衰力発生装置10における除電のための構造を単純化すると共に、除電を達成するために必要なコストを大幅に低減することができる。

これまでの解説で解るように除電器は異音分離式の非アース型で、コロナ放電により空気を正のイオンと負のイオンに分離して電気的中和によって除電行い、電気的なアースの配線を必要としない。ショックアブソーバーの除電の構造を単純化すると共に、コストを大幅に低減する事が出来る。除電の方式は違いますが、理屈はマジ軽ナットと同じです。


【0105】
  特に上述の各実施形態によれば、除電器90Aなどによってシリンダ12の電荷の帯電量を低減すると共に、除電器90Cなどによってピストン14の電荷の帯電量を低減することができる。よって、電荷の帯電量の低減がシリンダ12及びピストン14の一方においてしか行われない場合に比して、オイル76の電荷の帯電量を効果的に低減することができ、これによりショックアブソーバ16の減衰力が過大になることを効果的に防止することができる。

除電器(90A)で除電すると共に(90C)等によってピストンの帯電量を低減刷る事が出来る。よってシリンダー及びピストンの一方においてしか行われない場合に比べ、オイルの帯電量を効率的に提言する事が出来る。これにより、ショックアブソーバーの減衰力が過剰(動きが悪くなる)になる事を効率的の防止出来る。

 

【0108】
  また、第三及び第四の実施形態によれば、減衰力可変式のショックアブソーバ16において、バイパス通路110に設けられた可変オリフィス108などの実効通路断面積を変化させる実効通路断面積可変装置104などの表面に自己放電式除電器90Iなどが設けられている。従って、可変オリフィス108などを通過する作動液体の粘性が過剰な電荷の帯電に起因して高くなり減衰力が過剰になることを効果的に防止することができる。

減衰力可変(調整)式のショックアブソーバーでも、オリフィスを通過するオイルの粘性が過剰になり、減衰力が過剰になることを効果的に防止出来る。(終わり)

 

いかがでしたでしょうかはてなマーク私はテストドライバーの経験があり、自働車やオートバイの構造に詳しいし、正しい評価も出来ます。自分の頭で考えて、出来るものはモノ作りしたり修理したりしています。そのような経験からしても、除電チューニングの未来はすごく明るいのです。

私のブログやSNSを見て特許権を侵害して真似しているつもりの人がいますが、絶対に真似できないような情報しか出していません。

ネットに「これで効果がありました!と市販の物をたくさん付けている模倣犯を見つけました。本人は効果があると言っていますが、もし取り付けているものが放電しているならば明らかに過除電となり、サスペンションが動なくなります。つまり、そんな物で放電などしていません。理論を知らない素人って恐ろしいです。

どうやって除電するか、どんな元素を配合すれば放電するのかというのは知っていますが、SNSやブログに書く事はありません。そもそも例え効果がなくても、自分で真似するだけでも法律違反ですので、絶対にお止めください。真似したつもりで販売していた業者を警察に通報、廃業に追い込みました。

マジ軽ナットシリーズはタイヤが必須で、その他必要箇所は特注となります。

この特許をごく簡単にすれば、静電気が帯電するとオイルの粘度が高くなる(粘度が上がる)から、作動に余計な力が必要になる。という事は大きな力がかかって、やっと動き出す、動き出したのはいいけれど今度は動き過ぎてしまう。

つまり、サスペンションの動きがぎこちない動きで乗っている訳です。サスペンションの動きを悪くする原因はいくつもありますが、その一つである静電気を除電してあげると、少ない力でスーッと動きスーッと戻る。少ない力で動くからオイルシールも長持ちする、少しのお金で結構な効果があり、部品が長持ちするのです。

いい走りになるのに、お金が節約出来るのが除電チューニングなのです。

車のサスペンションだと動きを目で確認するのが難しいですが、オートバイのフロントフォークにマジ軽バンドを付けら、目視で動きが変化するのが確認出来ました。その記事がダウンです。

この先生が勤務している高校では、先生方の間で除電が流行っています。工業高校だから、除電の理屈や面白さが分かるのでしょう。そこに在職していた先生が、マジ軽ナットシリーズを大量購入して、自分のスカイラインをあえて過除電の状態にしてから適正値を探るそうです。

この高校で「理屈云々は抜きにして、自転車に乗れば分かりますから」と生徒と先生に試乗してもらったのがちょうど1年前。後で聞いたら「静電気なんかでそんな事ある筈がない。どうやって断ろうか」と、断る練習までしていたのが、上記のスカイラインのオーナーでもあるN先生。その記事ダウンです。

 

この一年でも随分と除電マニアが増えました。それだけではなく、その面白さを追求するマジ軽ナットファミリーも増えています。

これでやっとトヨタ自動車のサスペンションの除電特許の解説が終りました。次はどうしましょうかはてなマークエンジンがいいですかね。先日、Hさんがシリンダーヘッド用マジ軽ナットを付けたら、楽しくなったそうですよ。

お知らせ

6月 2日(日)大磯ロングビーチ駐車場で開催されるSHCC(湘南ヒストリックカークラブ)主催のジムカーナレース SHCC  meetingに出店します。前回は大雨でしたが雄大な相模湾をバックに、グループCマシンがジムカーナをするという、凄いものが見られました。その他滅多にみられない往年の名車が本気で走ります。

”走行性能をアップグレード”して良いタイムを出したい方は、ご購入頂けましたら除電チューニングのアドバイスをしますので、ご連絡をお待ちしております。