安価で性能を向上=除電

SNSで高価なサスペンションをSNSに掲載している方がいます。高価な足回りを購入出来たら、それは嬉しいものです。

私は外国製の高級メーカーのサスペンションに交換する勇気がありません。その理由は、一般道で自分の乗り物に合ったセッティングを出すのが困難だからです。

オートバイのフロントフォークでも動きが良くなるようにと、オイルの番手をOWにしてその代わりにオイルの量を増やすという事はやっていました。段差から飛び降りるとインナーチューブが底付きする、それで5cc増ずつシリンジで注入したりとやりましたが大変な作業です。

では、有名な社外メーカーは○○用 ✖✖年式用というふうに適合車種をカタログに書いていますが、各車走行テストはしていると思うでしょうかはてなマーク

適合とはその車種に物理的に取り付けられるかどうかの適合であり、多種多様な自動車やオートバイの性能に合わせて作動油(サスペンションオイル)の微妙な量まで走行テストを経て決めているとは思えません。

一方、純正のサスペンションはその車に合わせて、1台当たり数百時間走行しています。テスト走行するのは1台だけのはずはありませんから、延べで言えばその10倍以上は走行しています。もちろん純正ですからスポーツ走行寄りとは限りませんが、車外のサスペンションに比べて桁違いに走行しています。

自動車メーカーなら、走行終了後は全バラして各部品を検証します。数十人が各部品を見て周り問題点を探します。私も何台もの全バラ検証をしましたが、サスペンションのメーカーはどこまでやっているのでしょう。

レースなどでセッティングするのはそのマシン・ドライバーに合ったセッティングを詰めていきます。これは決められた走行条件に合わせてセッティングするのはご存じの通り、レースだからこそ膨大な時間と費用がかけられるのです。

それを考えると、純正で有名メーカーのサスペンションが装備されているのは、相当な時間走行テストされていますので、個人的にはこれがベストだと考えています。

そうでなければ、これから解説するように長い時間テストされている純正のサスペンションを、除電によって性能を引き上げる方が総合的に良いのではないでしょうか。

前置きが長くなってしまいましたが、トヨタ自動車の除電でサスペンションの性能が向上する特許の解説です。

今までと同じく、青文字が特許文献のコピペ、その下にやさしく解説を書きます。

下図がショックアブソーバーの断面、まずはこの構造を見ながら読んで下さい。

 

 

従って、第一の実施形態によれば、ショックアブソーバ16のシリンダ12及びピストン14に接するオイル76に帯電する正の電荷をシリンダ12及びピストン14へ移動させ、これによりオイル76の電荷の帯電量を低減することができる。なお、ショックアブソーバ16が伸縮する際にピストン14がシリンダ12に対し変位し、オイル76が撹拌されるので、正の電荷の低減は、実質的にオイル76の全体について行われる。よって、オイル76に正の電荷が過剰に帯電することを防止することができるので、オイル76の粘性が過剰な電荷の帯電に起因して過剰に高くなりショックアブソーバ16の減衰力が過大になることを防止することができる。

 

特許解説の”その7”の続き、図のショックアブソーバー本体(16)のシリンダー(12)及びピストン(14)に接するオイル(76)に帯電している⊕の静電気をシリンダー及びピストンに移動させ住事で、オイルの帯電量を低減(除電)する事が出来る。

ピストンが伸縮する事によりオイルが撹拌される事でオイル全体が除電される。これによって⊕の電荷がオイルが過剰に帯電する事を防止出来るので、除電によりオイルの粘性が静電気の帯電に起因して過剰に高く(動きが悪く)なり、ショックアブソーバーの減衰力が過大になる(動きが悪く)のを防止出来る。

要は、仮に設計で作動油の粘度#10を入れたしても、静電気の帯電によりオイルの粘度が高くなり動きが悪くなってしまう。除電をする事で元もとの粘度に近くなる=動きが良くなる、という訳です。

【0061】
  特に、第一の実施形態によれば、自己放電式除電器90Aは、ピストン14が標準位置にあるときの環状室74内のオイル76の液面よりも下方にてシリンダ12の外側シリンダ12Yの表面に固定されている。よって、除電器90Aが環状室74内のオイル76の液面よりも上方にて外側シリンダ12Yの表面に固定されている場合に比して、外側シリンダ12Yの除電により環状室74内のオイル76の帯電量を効率的に低減することができる。なお、除電器90Aの一部又は全部が、ピストン14が標準位置にあるときの環状室74内のオイル76の液面よりも上方に位置していてもよい。

自己放電式除電器(90A)は、(下図)ショックアブソーバーのピストン(14)が標準位置にある時の環状室のオイルの液面より下方で外側のシリンダー(二重構造になっている)の表面に固定している。実際には貼っているのですが、ここで「貼っている」と限定してしまうと、「ならば貼らずにワイヤーで固定すれば、特許権を侵害しない」となるので、固定方法を限定しないよう「固定」という言葉を用いており、防御的に範囲を広く取っている訳です。

よって、除電器(上図90A)が環状室(下図74)のオイルの液面より上方で外側のシリンダー(12Y)の表面に固定されている場合に比べ、外側シリンダーの除電により環状室内のオイルの帯電量を効率的に低減する事が出来る。

なお、除電器の一部または全部がピストンが標準的にある時の環境室内のオイルの液面より上方に位置していても良い。

 


【0062】
  また、第一の実施形態によれば、自己放電式除電器90Bが外側シリンダ12Yの下端部の表面に固定されている。よって、外側シリンダ12Yの下端部の表面に除電器が固定されていない場合に比して、除電器90Bによる外側シリンダ12Yの下端部の除電により、エンドキャップ64を介して内側シリンダ12Xの帯電量を効率的に低減することができる。

自己放電式除電器(90B)が外側シリンダー下端部に付けられていない場合に比べて、下端部での除電によってエンドキャップ(64)から繋がっている二重構造の内側の筒(12X)の帯電を効率的に除電出来る。

ウチでは自己放電式除電器ではなく、マジ軽ナットを付けたしたり、マジ軽バンドをサスペンションに巻く事もあります。

      

これでお分かりの通り、電気ですから金属ならば導通します。大好評のオートバイ用のミッション用のマジ軽ボルトですが、「ミッションを除電するというのに、何でシフトべダルに付けるんですかはてなマークという質問がたまにありますが、この特許に書いてあるように繋がっていれば電気が流れる。

シフトぺダル右矢印シフトメカニズム右矢印シフトドラム右矢印ミッションと機械的に繋がっていますから、シフトペダルを通じてミッションまで除電出来るのです。ミッションはたくさんのギアが回転しながらスライドして変速します。更にオイルで潤滑していますから、オイルが帯電により粘度が高く(硬く)なる事で、パワーロスが増えると共にギアの動きも悪くなります。

これらの除電の相乗効果によって、シフトドラムやミッションの動きが改善されて、小気味良いシフトチェンジやパワーロスが軽減されるので、いい走りが出来るのです。

24日に群馬で北関東カブミーティングがありました。それに向けてエクスチェンジマートでミッション用のマジ軽ボルトをお買い上げ頂いたさん。

「ギアダウンの症状が改善されました♪」との報告がありました。それだけでは何がどう改善されたのか分からないので、詳しく教えて欲しいとリクエストしました。

「3速で走行中に、突然2速ギヤにシフトダウンしてしまう症状が出なくなった」、「マジ軽ボルトの取り付け前は3速 70km/hで走行中(2速に)ギヤダウンして怖かったです」とのインプレションでした。

3速70km/hから突然2速にシフトダウンしたら、それは怖いでしょう。その症状が除電で出なくなったのです。

なぜそうなったのかを推察すると、ミッションを動かすシフトフォークの動きが悪く、ギアが完全に噛み合う所まで動かせなかった。その為に負荷がかかるとギアが動いてしまって、突然2速に入ってしまうのでしょう。シフトフォークの動きが悪い要因はいくつもあります、走行距離が進んで摩耗したり焼けがあったり、ピンが摩耗していたり、もちろん静電気の帯電もあります。いくつかの要因のうち静電気だけ除電したら、ちゃんと動くようになったのでギアがしっかり噛み合った結果、症状が無くなったという事でしょう。

本来ならばエンジンを下ろし、クランクケースを割って原因を究明し、必要があれば部品を交換する事案です。それがマジ軽ボルト一本で解決。ちなみにタイヤにはもちろんマジ軽ナットは装着済みです。

Mさんは埼玉県の営業部長なのですが、この事をカブミーティングで皆さんにお伝えしたのでしょうかはてなマークサボっていたら転属ですぞ。

このようにタイヤ∔ミッションの除電は相乗効果が大、なのでセットで販売ダウンしています。ボルトのサイズはM6とM8の2種類となっています。

カブだけではなく、他のオートバイでも小気味良いシフトチェンジになったと評価を頂いています。マジ軽ナットヘビーユーザーTさんのNSR250Rの例と記事です。

ちなみに、ギアシフトの改善は車のマニュアルミッションでも報告を受けています。

スバル サンバーのマニュアル車でも、マジ軽ボルトを付ける前は引っかかりがあったのが、取り付け後は全くのゼロになった訳ではないけれど、引っかかりが改善されて、かなりスムーズになったとの事です。その生インプレッションはこちら。ダウン

除電をすると、今までより少ない力で各部が動くようになりますから、各部品の摩耗が少なくなるのでコストダウンにもなります。除電とはお金が節約出来るチューニングだというのがお分かり頂けたと思います。

まずは基本のタイヤからどうぞ。

特許解説シリーズは、当ブログの”特許解説シリーズ”テーマ(カテゴリー)で続けて読むことが出来ます。特許文献ですから、思い込みやプラシーボ効果ではありません。科学的な根拠の基、日本で初めての技術だから取得出来たのが特許です。