百物語をしようよ。~怖い話・不思議な話・心霊話・都市伝説などのブログ形式オカルト陳列~
ひゃくものがたり 【百物語】

夜、何人か集まって多くの灯(ともしび)をつけておき、つぎつぎに怪談を語り、一話すむごとに灯を一つずつ消し、最後に暗やみにする遊び。また、その怪談。暗やみになったとき、妖怪が現れるとされた。

大辞林 第二版 (三省堂)
Amebaでブログを始めよう!
今回、毛色を変えてみました。
怖くありません。
漫画なので、画像を多用してます。
回線が快適なときにどうぞ。

こちら
1990年頃、あの当時のことを考えると珍しくもないのだろうが、俺が通っていた小学校は、鉄筋コンクリートの校舎があり、敷地内の片隅にまだ木造の校舎が残ってたんだ。
2階建てで、けっこうな数の教室があったけど、使われていたのはひとつだけ。放課後の工作クラブで1階の教室のひとつ(2室分くらいの広さの部屋)を使ってた。

木造の校舎は、蛍光灯も薄暗くて、放課後集まる教室以外はすべて不気味。
おまけに、その教室の前の廊下は奥に行けないように立ち入り禁止のロープがはってある。子供にとっては冒険心をくすぐられないわけにはいかなかった。

3年生のころ、放課後、クラブも終わって帰るときに同級生で同じクラブに入ってるやつが「探検に行こうぜ」なんて言い出した。
それまで工作クラブもさぼって怖いマンガなんか読んでたから、肝試しってことも含めて立ち入り禁止のロープをくぐった。

長いこと誰も立ち入ることがなかったみたいで、汚れてはいたけど思ったほどではなかった。
多分何ヶ月に1回は誰かが掃除でもしてたんだと思う。うっすらたまったホコリで足の裏が真っ黒になりながらも、板張りの廊下を進んでいった。
校舎自体はそれほど大きくなかったから、すぐ探検は済んだ。
よく考えれば、使われなくなった校舎なんだから必要な設備はもう新校舎のほうへ移されてるし、教室には机と椅子が山積みにされている、いわば倉庫がわりの教室くらいだった。

俺らとしては、古い理科室なんかを期待してたんだと思う。
ガッカリして2階の突き当たりで「もどろうか」なんて話した。
冬だったから5時頃になればもうあたりは真っ暗で、電気がついてない廊下は視界も悪くなってた。
いよいよ肝試しみたいになって、小学生3年ふたりじゃもう耐えられないくらい恐怖が頂点になってたんだと思う。
でも、友達の手前「怖い」なんて言えない。お互いに。

俺はとにかく、この校舎から出たかった。多分友達も同じ。
そのとき、背面にドアがあるのがわかった。
いつも入る入り口とは、方向的に丁度真逆にあるドアで、このまま出れば運動場側に出られると思った。

***********************
(教室)(教室)(教室)(教室)
───────────────
←ドア 俺         ドア→  ←こっちからいつも入る
    友達
───────────────
(教室)(教室)(教室)(教室)
***********************

こんなかんじね。
使われてないドアだったから、鎖がかけられてたんだけどかなりゆるくなってたからすぐに取れそうだった。

ドアについてる窓ガラスからは、夕焼けのかすかな日差しがさしてる。
俺たちは外に出たい一心で、鎖を解いてドアノブに手をかけた。
錆びてはいるみたいで、重かったけどなんとかまわった。それにドア自体には鍵もかかってなかった。

そのとき、ガラスの向こうに人影が見えた。
「やべ!先生か?怒られる!」っつって、友達と一番近い教室に逃げた。

「誰かいるの?ここは立ち入り禁止だよ」
ドアが開いて、入ってきたのは先生じゃなかった。
高学年の女の子だった。
「なんだ、先生かと思った」
って、俺は友達と一緒に教室から出た。
女の子は、3年生の俺らから見ると背が高くて、男勝りなその女の子は、かなり心強かった。
「もう下校時間過ぎてるよ。帰んな。」
「だから、もう帰るよ。」
って言って、今女の子が入って来たドアに向かうと、女の子が俺らを遮ったんだよ。
「そっちは非常階段。あんたらには危ないから来た道を戻りなよ」って。
でも、もう真っ暗な校舎内を来た道を帰るのは…と口ごもってると、女の子が
「じゃあ、ついてってあげるから」と言ってくれた。
情けないけど、仕方がなかったし、俺らは3人で校舎内の階段を降り、元来た入り口まで戻った。

木造校舎の入り口に、誰かの人影が見えた。
それが先生だ、と気付くと、女の子が「もう怖くないでしょ。」って言って、俺らを先生に引き渡した。
先生は、クラブが終わって木造校舎の戸締まりをしようとしたら、入り口に下履き靴が2人分あるままだったので、出てくるまで待っていたんだという。もうちょっと遅かったら、探しに行こうとしてたらしい。

「5年生か、6年生の子が来てくれた」と先生に言うと、先生は「どこ?」と言った。
気付いたら女の子はいなくなってた。
先生に出会うまでは確実にいたんだけど。
そこから、俺たち2人はこっぴどく叱られた。
下校時間を大幅に過ぎても帰らなかったこと、立ち入り禁止の校舎に入ったこと。
怒られてる途中でふてくされた友達が
「あの非常階段から出てりゃよかったな」
なんて言ったのを、先生が聞き逃さなかった。
「あなたたち、あの非常階段の扉を開けたの?あそこはもう非常階段は前に取り外されてるから、あの扉から出たらそのまままっさかさまよ。」

俺たちは愕然とした。
そのまま、友達とは何も話さず帰った。校舎の外から見てみると、やっぱりあの場所に非常階段はなかった。
非常階段があったであろう場所には錆のあとだけが残っていて、2階のあの位置に、ポツンと扉があった。
きっとあそこを開けていたら、俺たちのどちらか、あるいはその両方が2階から飛び出して大けがをしていただろう。

あの非常階段を取り払った理由を先生は「前に生徒が足を踏み外して落ちる事故があった」と言っていた。
その生徒は無事だった、と先生は言っていたが、多分あれは生徒を怖がらせないための嘘なんじゃなかったのかな、と今になって思う。
その校舎も今は完全に取り壊されてしまった。
世の中には、日常的に『この世にあらぬもの』が視界に入る人間がいる。
高校教師のMもまた、そういう種類の人間であり、幼い頃からだったので特に不思議と思うこともなかった。
とは言っても、本格的な徐霊や降霊が出来るほどではない。
知り合いが新居を購入するから悪いものがいないかどうか見る、という程度だった。

しかし、Mが三十路に入るころにはだんだんと見えなくなったという。
Mに家族ができ、それどころではなかったからむしろ好都合だったのだが。

休みに入り、妻と、4歳になった息子を連れて妻の実家へ帰った。
東北の、なかなか古い家で、Mは結婚前から何度か来たことがあるのだが、その頃は普通に家の中をウロウロしている浮遊霊が見えていたのだが、今ではまったく見えなくなっていた。

1週間ほど妻の実家で過ごし、帰りの車の中で息子が言った。
「ねえパパ、おじいちゃんの家、天井におカオがいっぱいあって、おもしろいね。また行きたいね。」

Mはギョッとして息子を問いつめようとした。
「顔って、あのみんなが寝たところ?あそこはご先祖様の写真を飾ってあるからね。」

「違うよパパ。それもあったけど、天井に、いーっぱい顔が並んでて、みんなとおはなしするの、面白かったんだよ。」


────────────────
『息子さんに遺伝しちゃったんですか』
この話を聞いていた生徒が言った。Mは、ため息をつく。

「そうなんだ。まだ小さいから、幼児の戯言として問題はないんだけど、
 これから大きくなるとどうしても、いろいろと問題がね。よく教えこまなきゃ。
 幽霊が見えるっていうことがどういうことなのか」
地域や家によっていろいろと異なる点はあるが、お盆のはじまりにはだいたいの人が迎え火を焚き、先祖の墓へ『お迎え』に行くのではないだろうか。

Y子の家も例外ではなく、むしろそういった行事をかなり力を入れて行う母親のおかげで、毎年『お迎え』に行っていた。

そしてY子が結婚し、新しく家庭が出来た。
母親ほどではないが、同じ様にお盆や彼岸には夫の家の墓へ行っていた。
しかし、おかしくはないのだがなんとなく違和感を感じることがあり、久々に実家に帰った際、母親に聞いてみた。

「ねえ、お母さん。昔はお盆やお彼岸にお墓に行ってたじゃない」
「それがどうかした?」

「ウチのお墓のある墓地はお盆の『お迎え』のときは他の家族がたくさん来てにぎやかだったのに、旦那のウチの墓地は他の家族なんてほとんどいないのよ。誰もお迎えに行ってないのかしら。薄情ねえ。」


目を丸くして母親が言った。
「何を言ってるの?ウチは夜中の2時をまわったころにお墓に行くんだから、他の家族なんてあんまりいなかったわよ。」




季節はずれですみません。
ウチの墓ではお迎えの家族、おおぜいいましたよ。
深夜でも。
実際。多分。
管理人より。
2、3日前から更新もしていないのに異様なアクセス増加があったので久しぶりにアクセス解析を見ました(ネスケじゃ見れないんですね。ネスケだからですか)
そしたら、なんかこのブログを紹介されてたみたいです。
申し訳ない。更新してなくて。

>>都市伝説だけでなく、心霊現象や不思議な話などを集めたブログ。
>>虚実半々と思われる話もありますので、ご注意を。
>>「第30話 SOS」なんて実際にあった事件ですが、最後の部分は作り話?

ひとことであらわすなら『野暮』ですよっっ(w

都市伝説は都市伝説として楽しみたいと思っているので、ちょこっと誇張してたりもあるんじゃないですか?(?)
「本当だったら怖いなあ」ということで。そのほうが楽しいじゃないですか。たぶん。
管理人自身が聞いた話を脚色ナシだったり、多少面白くなるように脚色してたりもします。
そこらへんを見極めたり、そのままお話として楽しんで頂ければ…と思っております。
あくまでも フィクション です。

ああ、でもなかには管理人が体験した話もありますよ。
来月あたりには前のペースを取り戻せそうな予感がします。
聞いた話。

中学校のとき、林間学習でのこと。
担任とクラスの有志、合計20人で、百物語をすることになった。
割とフレンドリーな担任だったので、食事に使った大広間を借りて、みんなで輪になって寝転がったり、座ったりして話を聞いた。
怖い話が苦手な子に配慮して、希望者だけでやることになった。苦手な子は多分お風呂にでも入ってたんじゃないかな。
だからそんなに遅い時間じゃなかったと思う。

大広間の電気を一番小さいやつだけにして、もちろんロウソクなんかは火気厳禁なので用意出来ないけどまあ、雰囲気は出てた。
ありきたりな怪談にまじえ、本当に怖い怪談を担任が話すから、すごい場は盛り上がったんだよ。

でね、だいたい100個話し終わって、なんとなく『百物語って、最後の話が終わると幽霊が出るんだよね』って言ってみたの。
イタチの最後っぺって感じでさ。怖がらせてやろうと思って。
そのときみんなもう恐怖の耐性吹っ飛んでるから、予想以上に怖がった(笑

キャーキャー言うから、男子がジョークのつもりだったのかな。
「じゃー、一回数えてみようぜ!増えてるかも!」とか言って、輪になった人数を数えたのね。

「1.2.3.4........18.19.20、なんだ、増えてないなーちぇー」

最初に人数数えてるから、間違いないんだけどさ、担任が呆れて言ったのよ。

「おい、お前馬鹿か。自分を数えてないだろう」って。
よくある5階建ての団地。
そこの4階に住む主婦のK子は、ここのところ騒音に悩まされていた。

「またはじまった」

日が暮れると、上の階からドタバタと足音が聞こえてくるのだ。
子供がおいかけっこをするような、軽くてはしゃいだ足音が毎日のように聞こえてくる。
それが1時間も続くと、次は大人が暴れているような音がするのだ。

「奥さんがはしゃぐ子供を叱っているんだわ」

ある日K子は、ふと5階の例の家のことを近所の主婦仲間との井戸端会議の中で話題にしてみた。
「お子さんが2人いるみたい。お母さんは結婚してない、いわゆるシングルマザーのようよ」
との、情報を得た。

母親1人で2人の子供を育てるのはさぞかし大変だろう。
K子自身も子育てを経験した身。少しの騒音は団地ではよくあることだと気にしないようにしていた。

だがまたある日、K子がベランダで洗濯物を干していると、上階からまた騒ぐ音が聞こえて来た。
何かを投げつけたり、ものが割れる音。
これは尋常ではない。
もしや、虐待などが行われているのではないだろうか。

K子は近所の主婦仲間に相談を持ちかけた。
近隣の部屋の主婦は同様にその異様な物音に気付いており、気にかけていたのだ。

一刻も早く、真相を確かめ虐待の事実があるのならしかるべき対処をとるべきだ、とK子たち主婦4人で5階の一室のドアを叩いた。

ドアが開かれ、隙間から顔を出したのは若い、髪の長い女だった。
整った顔立ちをしているのに、こけた頬とギョロリとした目が老けさせて見える。

ストレートに『虐待ですか?』なんて聞けるはずもない。
主婦の1人が切り出した
「…お子さんが元気なのは良いのですが…もうちょっとボリュームを抑えて頂けないかしら」
女はK子たちをにらみつけ、なかば叫ぶように言い放った。
「ウチに子供はおりません!」

そのままバタンと戸を閉められ、K子たちはあっけにとられた。
物音は数件が聞いているし、この家に子供がいることも何人か知っている。

もしや、子供達になにかあったのでは?
K子は即刻、虐待防止センターへ連絡し、訪問を依頼した。

そこで職員が発見したのは、幼い2人の遺体だった。

『ああ、間に合わなかった…』

厚意で報告に来てくれた職員の話を聞き、主婦仲間はみな落胆した。
しかし報告に来た職員は言った。

「皆様の責任はありません。なにより、2人の子供はもう死んでから数年はたっていたようです。
 どうか、お気になさらない様に…」

職員はそれだけ言うと、立ち去ってしまった。
後日のニュースでは『団地の一室から2人の姉妹の白骨化した遺体を発見』と報じられていた。


それならば、あの物音はなんだったのだろうか?

あの女は、何かから逃れようとしていたのだろうか?
あるTVディレクターが、この夏の特番で『霊能力で行方不明者を探す』という企画を立ち上げた。
「あんなバアサンで大丈夫か。いい絵は撮れるのか」
そうディレクターが言ったのも無理はない。現れた霊能者はヨボヨボの老婆だったからだ。

とりあえずやってきたのは郊外にある一軒家。
父、母、2人姉妹の4人家族が住んでいるのだが、父親が行方不明になって1年がたった。
家出の理由や女性の影なども全く無く、家族は突然消えた父親を必死で探しているという。

「じゃあ、カメラまわして」
合図とともに、霊能者が祈り出した。
捜索対象である父親のものである老眼鏡を前に、うんうんとうなっている。

霊能者が祈り出して30分ほど経った。
それでも霊能者はうなるばかりだ。

「これじゃモノにならないよ…」
ディレクターがあきれてカメラを止めた直後に、霊能者は言った。

「私にはわからん…父親がどこにいるのか、わからん…」

ディレクターは激怒し、早々にロケをひきあげることにした。
スタッフが家族にあやまり、その場はなんとかおさまった。

「わからないってなんですか!困るんですよ。わからなくても何かそれらしいこと言ってもらわないと!」
帰りの車中、ディレクターが声を荒らげる。
怒鳴られても顔色ひとつ変えずに、霊能者は口を開いた。

「父親、死んどるよ。」


「裏の山に埋められとる。私にゃ出来ないね。人殺しの目の前で本当のことを言うなんて。」
遠くない昔、北海道のある山の上空を通ったヘリは地表に「SOS」の文字を見つけた。

上空から見ても認識出来るよう、枯れ木で組立てられた空へのメッセージを発見したレスキュー隊員が現場に駆けつけたとき、そのそばにはすでにもの言わぬ白骨だけがころがっていた。

登山者が遭難したようで、何日か生活した痕跡、そして必死に助かろうともがいたあとがあった。
そのひとつがテープレコーダーだった。

『助けてくれ 身動きがとれない』
『助けてくれ ここから上空へつりあげてくれ』

テープレコーダーの中で男が延々と叫び続けている。
だがそれは叶うことのない悲痛な叫びだったことを、白骨が物語っている。

それが、助けを求めるためなのか、助けを求めているときに偶然録音されたのかはわからない。
だが不可解なことがひとつだけある。


見つかった白骨死体はDNA鑑定の結果、女性のものだったのだから。
ある家族が家を買った。
相場より安い中古の家だったが、改装を綺麗に済ませ、新築同様の家で家族の誰もが気に入った。

だが、異変に気付いたのはその家族の長女、中学生のユリだった。
ユリが朝目覚めると、家中のドアが開いている。
玄関のドアや窓には異変はないのだが、リビングへ出るドア、トイレのドア、そして自分の部屋のドアが開いているのだ。

「ドロボウ…?」

調べてみても何も荒らされた形跡もなく、家族で首を傾げた。

そしてまたある日の休日、ユリが掃除機をかけているときにふとあることに気付いた。

うっすらと足跡があるのだ。
素足で土の上を歩き、そのまま家にあがってきたような足跡だ。
家族にはそんなことをするような子供もいない。
ユリは早速その夜家族会議をし、泥棒か変質者が忍び込んでいるのかもしれない、という結論に至った。

警察にはもちろん相談したが、モノが取られたわけでもなく、変質者を見かけた訳でもないということでとりあってもくれなかった。

ユリがインターネットで対策を調べていると、防犯カメラという策を思いついた。
性能が良いものでも数万円程度でしかけることが出来る。
おまけに侵入者の動きにセンサーで反応し、360度姿を追って録画することが出来る。

早速父親に頼み、防犯カメラを購入し玄関前の天井にしかけてみた。
ためしにユリが動いてみると、センサーが反応してウィーン、と首をまわす。

これで安心と思ったのもつかの間、翌朝ユリが玄関に行ってみると、そこかしこに足跡がついているのだ。
たしかに昨日見たときは何も無かったのに…。
夜の間に誰か入って来たのか、と防犯カメラで録画してあった画像を見てもなにもなく、ただ暗い廊下が映っているだけなのだ。

足跡を拭き、ユリはその日は学校に出かけた。
だが、学校から帰るとまた足跡がついているのだ。
防犯カメラには何の変化もない。

もしかして、化学反応だろうか?
家の改装を施した業者か誰かの足跡がしみ込み、時間が経てば浮き上がって来るのだろうか。
ユリはそう思うことにして、足跡は気にしないようにした。

その夜、のどの渇きで目が覚めたユリは水を飲もうとキッチンへ向かった。
部屋へ戻ろうとしたとき、妙な音が聞こえた。

静かな家を、ウィーン、ウィーンという機械音が聞こえる。
玄関のほうだ。

ユリが息を殺し、玄関へ向かうとそこには誰もいない。

だが、防犯カメラだけが狂ったように首を振り、誰かの姿を必死に追いかけていた。