女性パート モチベーション&目標管理専門 社会保険労務士 -10ページ目

女性パート モチベーション&目標管理専門 社会保険労務士

経営者・従業員・コンサルタントが三位一体となり共に成長していく労務コンサルティング

紳助の突然の引退、驚きましたね。
私も”前日まで24時間テレビに出てたのになぜ?”と、
俄かには信じられませんでした。

記者会見の中での紳助の言葉には、
「悪いことしてるとか、これはいけないとか意識はなかった」
「問題ない、違反じゃないという意識であった」
「僕の中ではセーフだ」
「僕の中ではこの程度なんですよ」
と、なんだか言い訳がましいコメントが多く含まれていました。

暴力団と関係を持つことを、
社会的に影響力のある人が反社会的な存在を少なかれ肯定しているという事実を、少々軽く見ていた節があるようですが、

なぜ、彼はルールを自分基準で捻じ曲げるようなことをしてしまったのでしょうか?


アメリカの心理学者のレオン・フェスティンガーによると
こういうのを認知的不協和というのだそうです。

例えば、
禁煙を成功させる人の心の動きは、
「たばこは体に良くない。だからたばこをやめる」となります。
しかし、
禁煙ができない人の言動は、
「たばこを吸う人でも吸わない人より長生きする人もいる。だから吸っても大丈夫」と、
理由を変化させて心理的に感じる
(タバコは体に悪い。でも吸いたいという)
矛盾を無意識、意識的に解消しようとします。

あの紳助の行いも
「暴力団と関わるのは悪い。だから関わらない」
ではなく、
「でも、暴力団の中にもいい人がいる」
といった、歪んだ矛盾解消による
認知的不協和の結果だったのです。


そして案外、企業の労務管理においても、
こういった認知的不協和があるのではないでしょうか。

「サービス残業は良くない」
「年次有給休暇を与えなければ労働基準法違反」
でも、
「法律をきっちり守っていては企業は成りたたない」
「ウチだけじゃない。みんなやっている」
といった理由を変化させて自己矛盾を解消しているなんてこと
が多々ありそうです。

しかし、いざ従業員が過労死したとか未払い賃金を請求されたとかになってからでは後の祭り。
紳助のように自らに最も重い罰を科さなければならないことになっては、泣くに泣けません。


人事労務オフィストリニティ
先月まで日本テレビにて、リバウンドというドラマが放送されておりました。

念願のダイエットを成功させた元デブのヒロインが、人の良い性格から周囲の状況に押し流され、恋したり痩せたり、大食いしたりの太ったりの、目まぐるしいリバウンドラブコメディーです。相武沙季が、特殊メイクで太っている姿が、実に愛くるしく、可笑しいドラマでした。

このドラマのヒロインの勤務先は、ファッション雑誌の編集部。その鬼編集長は、少々強烈な美的価値観の持ち主で、太っている奴はうちの雑誌にふさわしくないとして、太ったら会社を即、首!と堂々宣言しちゃいます。
ただでさえ太りやすい体質であるヒロインが「リバウンドしたら大変」と戦々恐々となるコミカルなシチュエーションも、このドラマの見どころなのですが、第一話で、ヒロインは一目ぼれしたパティシエの新作ケーキ作りを手伝い、味見役を引き受けるうちに、見事70kgオーバーのリバウンドをしてしまい、哀れにも解雇の憂き目に遭います。


登場人物がいきなり会社を解雇されるなんてことは、面白いストーリー展開が期待されるドラマの世界ではよくあること。
しかし、労働基準法視点では、とんでもないことです。
労働者にしてみれば、ちょっと体型が変わったことを理由に、クビにされてはたまったものではないですから。

もちろん、多くのテレビの前の視聴者は、たかがドラマ、フィクションに過ぎぬ、現実にそんな話聞いたことが無いと、鷹をくくり、笑っていられましょう。

しかし、

実は、太ったことを理由とした解雇事例、現実の世界でも結構あるのです。

2009年インド国営の航空会社エア・インディアは、「極めて太りすぎ」であることを理由に10人の女性客室乗務員を解雇しました。

当然、女性客室従業員たちは不当解雇を高等裁判所に提訴しますが、あえなく棄却。
会社側の言い分は、従業員たちに数年間、減量のための機会を与えている。それでも痩せられない人は航空業界では、業務遂行に適さないとのこと。

日本では、解雇は、客観的に見て合理的で、社会通念上相当な理由が無い場合は、無効という法理が、もはや常識と言っていいくらいの共通認識となっております。
しかし、エア・インディアでは、過去にも体重オーバーによる解雇がなされておりまして、インド法曹の常識では、航空会社の痩せられないCA解雇は、「社会通念上ゼンゼンあり」らしいのです。

太っていることを理由とした航空会社のCA解雇の例は他にもあります。

2008年フィリピン航空の男性客室乗務員が、肥満を理由とする解雇は不当として同社を訴えて19年にも及んだ裁判。最高裁で労働者側が敗訴しております。

雇用契約書に定められた体重制限を守ることができなかったための解雇だそうで、
労働契約に盛り込めば、「デブ解雇OK」という理屈。背筋がサムくなります。

インドとかフィリピンのなんとなくざっくりした人権感覚だと、「キミ、太ったからクビ」なんて普通にさもありなんですが、
実は日本でも、似たような肥満労働者解雇事件はありました。
太りすぎを理由として契約更新拒絶したという1974年のエール・フランス事件。
ただ、さすが労働者保護規制が強い日本。こちらは労働者側が勝訴してます。

常に公正な日本において、会社が、太ったことで労働者を易々と首にできるなんてこと、許されるはずない!
だから、リバウンドしてもダイジョウブ!
と言いたいところですが、そうそう安心もしておれない事件がございます。

2010年、イタリアの高級ブランドプラダ日本支社に対し、元販売部長の女性は不当解雇を主張しました。

会社の人間に「醜い」「プラダのイメージではない」などと容姿に関する差別的な発言を受け、解雇されたためとのこと。

この事件、労働審判で和解に達せず、まだまだ決着がつく見通しが立ちません。しかも、逆に
プラダからこの元販売部長に対し、プラダのブランドイメージを傷つけたという理由で提訴するというの急展開もございました。まさにドロ沼の様相。

プラダは、容姿による元部長解雇を否定してますが、
あくまで、高級ブランドの会社の従業員は美しくあらねばならない、という世界的ブランドらしい主張がこの事件から伺えます。

ドラマ「リバウンド」の編集長も同じく、ファッション雑誌のイメージに相応しい容姿であることを自分の部下に求めておりました。

重量制限のある航空機での業務が過重体重の従業員に無理であるなら、地上勤務に配置転換する等、解雇回避はできるはずですし、
従業員の体重が安全に関係ないプラダが、従業員に容姿の美しさを求めるのもよくわかりません。

会社が肥満従業員をやめさせる理由。
肥満と解雇。これって、どういう関係なのでしょう?


双務契約である労働契約において、適正な労務の提供は、労働者に当然に課せられる義務となります。
ブランド会社にしてもファッション誌の出版にしても、ファッション関係企業は世間のイメージが命。よって、従業員の容姿の美醜も所属会社の評価にかかわる重要事項とすれば、
会社の美的イメージを維持できる容姿を保てない従業員は適正な労務を提供していない、という考え方もできなくはない。

アメリカでは肥満の人がビジネスで信用されないのは、肥満体の人は、自己管理ができないと評価されるためです。
誤った世間の評価を受けないためにも会社は、容姿の自己管理を従業員に求めるという、信用維持義務の拡大解釈が会社の肥満解雇の根拠なのでしょうか。

しかし、会社がスリム体型であることを従業員たる要件とするならば、会社には従業員がそうなれるように具体的な措置を取る義務があります。

能力不足の社員を解雇するにあたって、
注意・指導し、実現可能な無理のない目標設定をし、配置転換等の環境の整備するなど、会社側の努力が認められなかった場合、
セガ・エンタープライゼス事件のように、
ローパフォーマンス労働者による損害事情などゼンゼン聞き入れてもらえない解雇無効判断を裁判所に申し渡されることになるでしょう。

即戦力として中途採用しているのではない長年勤めている従業員の場合、
ただ警告し時間的猶予を与えるだけでは不十分。

健康機器メーカーのタニタのように、ダイエットできる社員食堂レシピを作るぐらいのことをしなければ、痩せられなかったからクビ、なんて言える筋合いではないのが、日本の労働法制の傾向なのです。


また、従業員が百貫デブであったとしても、マネジメント能力など、
容姿とは関係のない能力により会社の利益に多大な貢献ができる存在であったなら、果たして会社は太ったことを理由にクビにできるでしょうか?

おそらくNo。本末転倒です。会社組織の本来の目的は、利潤の追求ですから。


私は、太ったことを理由とする解雇には、
本当は、もっと別な陰湿な原因があったりするんじゃないかって思います。

プラダジャパン事件も実際は、元部長の女性が生意気で気に食わないとか、感情のもつれが発端のモラルハラスメントが原因であり、太ったという理由は後付け転換の単なる解雇の正当化なんじゃないかとか、つい変に勘ぐってしまいます。

事情によっては、解雇自体、人を物心ともに貶める非道行為となります。
会社のイメージの利益うんぬんをいくら訴えても、
やっぱり、太ったからクビ!!は合理性のない会社の専横と評価されても仕方ありません。

そのような横暴なイメージが定着する方が、
かえって会社のイメージダウンであるし、
肥満を解雇理由に転嫁する姑息さが、解雇を実に愚かな選択にしてしまうことになるでしょう。

人事労務オフィストリニティ
先日、ある商工会さんから、
業務全般の在り方について講義して欲しいとのご依頼を頂き、
小売業企業の人材教育研修にて
「仕事とは結婚のやうなもの」という切り口で
服務規律とコミュニケーションの重要性についてお話をさせていただきました。
$社労士 古川泰弘presents トリニティblog

仕事と結婚…
強引なこじつけのように聞こえるかもしれませんが、
仕事と結婚は意外と共通点があるのです。
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「合意がないとできない」とか「多重関係の禁止」とか、
「物心両面の協力関係がないと継続できない」など


仕事も結婚もお互いの義務の履行とコミュニケーションが無ければ
成立しない。だから職場には服務規律があり、
支えあうべき仲間がいるのです、という感じで
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講演1時間の短い時間でしたが、
実に楽しくお話しさせていただきました。
セミナーに協力して下さった商工会役員や職員の皆さん、
そして、
埼玉商工会連合会最低賃金総合相談支援センター
派遣専門員コーディネーターの岩下様

ありがとうございました!