日本人のルーツについて、もはや縄文人、弥生人だけではなく、というかそれどころかゲノム(生物細胞)データによれば、6割ほどが古墳人[東アジア由来]なのだという研究結果がでているようだ。

 金沢大学人間社会研究域附属古代文明・文化資源学研究センターを中心とする国際共同研究グループは,日本列島の遺跡出土した縄文人・弥生人・古墳時代人の人骨のパレオゲノミクス(※)解析を行い,現代における日本人集団のゲノムが3つの祖先集団で構成されていることを世界で初めて明らかにした。

 その結果,縄文人の祖先集団はおおよそ20,000~15,000年前に大陸の基層集団から分かれ,弥生時代には北東アジアに起源をもつ集団が,古墳時代(3世紀半ばから6世紀末ごろまで)には東アジア由来の集団がそれぞれ日本列島に渡ってきたことが明らかとなった[弓月君の集団が知られる。中でも山城国葛野に定住した秦氏が有名]。これにより「日本人の三重構造モデル」が新たに提唱された。

 (本研究成果は,2021年9月17日午後2時(米国東部標準時間)に国際学術誌『Science Advances』のオンライン版に掲載された。)

 

日経サイエンス 2024年2月号 の古墳人骨のDNA解析の記事もおもしろい。