4/28から5/2まで、初めて上海に行ってきた。ピグぬしはヨーロッパの方が好みなのだけれど、オットが時々出張するし、今の上海は時代の先端を行っているから見ておくべきだと思ったのだ。旅のメモとして、つらつら書いてみる。
1日目: 4/28(木)
上海までのフライトは約3時間。時差は1時間遅い。プドン(浦東)空港は、パリのCDG空港を手がけたポール・アンドリューの設計。アジア経済圏の中心として堂々たる玄関だ。興味本位でリニア・モーターカー(磁浮)に乗ってみる。一瞬最高時速430km前後で走るが、ホテルに直行できるわけではないのでさほど便利ではないし、値段もタクシーとあまり変わらないらしい。すぐに乗り終わってしまい、あっけない体験であった。終点には白タクが多いと聞き、地下鉄に乗り換える。上海の地下鉄は新しくてきれいで便利で分り易く、ホームも広くて柵があるので、線路に落ちる心配はない。どの改札口でも手荷物のX線検査を受ける。たまに警察犬もいる。乗客の中にはダサいおばさんもいるが、若者たちはi phonを手に、ipodを聴き、服装も東京人と何が違うというのだろう?
ホテルにチェックインしてから先ずはワイタン(外灘)へ。19世紀半ばのアヘン戦争の後、上海は列強諸国の租界地となったため、西側の川岸にはずらりとエキゾティックな西欧風の石造建築物が並んでいる。中でも旧香港上海銀行の建物は、ローマやナポリの歴史的銀行の本店を見慣れたピグぬしもびっくりするほど、ふんだんな大理石やモザイク画を用いた内装は教会か宮殿のサロンかという造りだ。東京で言うなら日比谷や丸の内といったところだろうが、もっとぜんぜんすごい。レトロな洋館の中はカッコいいお店やレストランに変身している。川沿いは街路樹と花壇で飾られ、対岸のプドン(浦東)の高層ビル群を望む遊歩道となっており、たくさんの人でにぎわっている。
次はその足で豫園へ。16世紀にさかのぼる中国庭園で、商店街に囲まれていて、ものすごい人でごったがえしている。浅草の仲見世と横浜の中華街のにぎわいを10倍にした感じとでも言おうか。この地区にある噴水池の畔には六本木ヒルズにも出店している南翔饅頭店があり、テイクアウトを買う人の長蛇の列ができている。店内は部屋毎に値段もメニューも異なる。池のまん中の中国茶の喫茶店も素敵だ。値段は東京なみだが、雑踏から逃れて一息つける。
アメーバイチ押しグルメ情報 グルブロ 参加中
南翔饅頭店 六本木ヒルズ店
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ヒルサイド1F
電話番号:03-5413-9581
豫園の夜のライトアップもおみごと。建物が赤い光の粒で縁取られ、まるでディズニーランドの中国ゾーンだ。おなかがすいたので、そこからタクシーで新天地へ。フランスの租界地を再現した区画で、リッチな中国人や欧米人旅行者がお茶や食事や映画に集まって来ている。値段は表参道や青山と大差ない。ピグぬしは屋外のテーブルで夕食をとり、バーでワインを。なんだかパリにいるみたい。これはRTKLという国際建築設計組織の開発によるプロジェクトなのだ。
2日目: 4/29(金)
この日もよい天気。ハイヤーで高速に乗って蘇州へ。三国志で知られる呉という国の城市である。9:00にホテルを出て10:30頃に着。まずは世界遺産の拙政園へ。これはすごい。異なる池と景色をもつ様々な庭がいくつも連なっていて、飽きることがない。ざっと一周するだけで1時間はかかってしまう。
蘇州には世界遺産の庭園が9つもあるので日帰りでコンプするのは無理。そこでもうひとつ、市心を西に外れた留園へ。これも様々な透かし窓をもつ渡り廊下の建築などがすばらしいが、拙政園を見た後ではやや印象が薄い。生演奏と歌が披露されていた。あと「別有天」という庭園空間があったが、別のユチョンはいなかった。
次は話題の山塘街へ。近年再開発された水路沿いの旧市街だ。鄙びた家屋、お太鼓橋、素朴な遊覧船など、とても絵になる。
お昼ごはんは、奇人変人として知られる唐の時代の僧侶、寒山拾得の寒山が庵を営んだといういわれのある寒山寺の近くで、精進料理を。ここで禅茶の葉を買った。中国ではあまりプラボトルや缶入りの飲み物を飲まない。たいていの人は水筒を持っていて、そこにお茶の葉を入れておき、市内のどこにでもある給湯所でお湯を入れて飲むのだ。なかなか良い習慣だと思う。
食後に寒山寺を見学し、東洋の斜塔と呼ばれる呉の王様の墓廟「虎丘」を、入場券売場の手前から眺める。蘇州はシルクの産地だからか、この参道沿いにはウェディングドレス店が軒を並べている。
その後、一路、周荘へ。名高い水郷地帯にある観光整備された都市のひとつだ。市街地への入場料は100元(約1500円)もするが、各見どころの入場料はそれに含まれている。鄙びた白壁の民家が並ぶ路地は、エルコラーノが噴火で被災する前はこんなだったかもと思わせる。路地では干物や干しえびなども売っている。水路はまさに中国のヴェネッィアだが、ゴンドラ漕ぎの大半はおばさんだ。南端の湖畔に建つお寺はマントヴァのテ宮殿を思い出させる。ざっと歩いても1時間半はかかるが、水路沿いのテーブルでのんびりビールなどを飲んだりして半日くらい過ごしたいものだ。夜もイルミネーションがすてきだという。
暗くなってから上海に戻った。竹林のように密生している高層ビルがそれぞれカラフルな照明に縁取られており、まさに電飾タウン。高速道路も光の帯のように照明されている。ホテルに立ち寄ってから夕食へ。ピグぬしのオットが好きな寧波(ニンポー)の海鮮料理店で魚介料理を。水槽内や氷の上に並ぶ魚を選び、好みの方法で調理してもらう。たぶんマテ貝だと思うのだが、そのソテーのおいしかったこと。どれも味はあっさりしていて醤油をほとんど使っていないので、イタリア料理のようだ。
3日目: 4/30(土)
この日もよい天気。くりあは「とんばん」というパンダを飼っているが、動物園にリアルなパンダを見に行くことにした。奥まった所に2匹いた。万博の時には10匹いたそうだが・・・。私のではないが動画がある→http://www.youtube.com/watch?v=JdViQ9YLEIY&feature=related
その後、再び豫園に行き、南翔饅頭店の小龍包でお昼を。土曜日なのでこの地区の混雑は尋常ではない。食後は静安寺へ。空海も遣唐使として訪れたという古刹だ。周囲の派手な高層ビルに負けないよう金ぴかで、夜のライトアップもすごい。ここから東隣の駅、南京西路(ナンジンシールー)までは、東京の銀座や表参道も目じゃないほどの高級ブティック街である。久光(そごう)デパートの地下のスーパーには千疋屋みたいな値段の果物も売っているし、高級車もがんがん走っている。お金持ち、静安寺へカモン、カモン~♪ これらの高級ブランド、今ではショーは上海でやる。東京の人、なんなら見においで、って感じになったようだ。伊勢丹もある。ユニクロが無理してこの地区の端に本店を出したが、上海の人に言わせると「デザインがださい」とのこと。
歩き疲れたのでタクシーで人民広場へ。ここは庶民的。日曜日の新宿東口の10倍くらいのにぎわい。交差点には韓国の新世界百貨店がサムスン電子のネオンを掲げている。南京東路(ナンジンドンルー)駅までは歩行者天国ですごい人の波。「偽物あるよ」という客引きがうるさい。飲食店もたくさんあるので、ここで夕食。ホテルに戻り、寝る前に足のオイルマッサージと全身按摩をしてもらった。極楽。
4日目: 5/1(日)
今日も天気。川の東側、高層ビルが続々と建つ新市街プドン(浦東)を見てまわる。まずは世紀公園へ。広場の南側には、RTKLが計画した科技館が、北西側にはポール・アンドリューがデザインした東方芸術センター(オペラ座)があり、モダン建築好きには必見だ。そこからタクシーで、見本市の会場近くに最近磯崎新氏が設計したヒマラヤセンターへ。日中文化交流の場として計画されたものだが、ジュメイラ・ホテル以外はまだオープンしていなかった。周囲は空き地。そしてまたタクシーで上海環球金融中心へ。高さ492m、森ビルが、六本木ヒルズと同じくKPFに設計させた上海一の高層ビルだ。栓抜き状に抜けた部分には有料の展望台もあるが、87階にあるパークハイアットのラウンジでビールでも飲むことにした。すぐ近くには、トゲトゲした金茂ビルの頂きが見え、他の市街地は霞んでいる。下に降りたら、すてきとは言いがたいデザインの東方明球塔に向かって歩く。メーデーなので町には多くの人が繰り出して塔の付近はごった返している。アップルのショールームがオープンして、大混雑していた。さらに濱江大道という川岸の遊歩道まで歩き、疲れたのでホテルに戻って昼寝をした。
そして夕食は、新天地の北側にあるインターナショナルなエリア、准海中路(ワイハイジュンルー)の海鮮レストランへ。水槽があり、海中の映像が流れているので、ピグの釣りを思い出した。この大通りの街路樹はクリスマスのように電飾されていてとてもきれい。街の灯りが消えた表参道を思い、複雑な心境になった。
5日目: 5/2(月)
いよいよ帰国。ANAの機内カタログにJYJの3人の写真があった。ロッテ・スターアベニューの広告である。
成田に着いたら、空港がとても狭苦しく感じられた。駅もホームも何もかもせせこましく、車窓の景色を見ていたら、家屋やビルがみじめに思えた。上海の人が日本に来たらやはりそう思うのであろう。それなら日本が誇れるものは何だろうか? 思いやり、優しさ、奥ゆかしさ、まじめさ・・・そういう精神的なものはひじょうに日本的だと思う。中国では自己中、派手好き、競争心、向上心を感じる。例えば、電車の中でイヤホンを使わず、各自がそれぞれ音を出して音楽を聴く。電車の中で、恥ずかしげもなくいいおっさんが少女時代をガンガン聴きまくっているのだ。昼間っから公衆の面前でベタベタのカップルもたくさん。地下鉄には降りる人を待たずにすごい勢いで乗り込み、20cmでも隙間があればお尻を割り込ませる。オバタリアンだけではなく、若い人もそう。どこでも大声でケータイで話すのはイタリアみたい。だがさすが国際都市、商店でもレストランでも英語を話す人がけっこういた。日本の若者よ、井の中の蛙ではダメ、少なくとも1つ、外国語を身につけ、世界に目を向けよう。そして、韓国のように外貨を稼がねば、小さな日本の将来はない。
それにしてもせせこましいわが家は落ち着く。
1日目: 4/28(木)
上海までのフライトは約3時間。時差は1時間遅い。プドン(浦東)空港は、パリのCDG空港を手がけたポール・アンドリューの設計。アジア経済圏の中心として堂々たる玄関だ。興味本位でリニア・モーターカー(磁浮)に乗ってみる。一瞬最高時速430km前後で走るが、ホテルに直行できるわけではないのでさほど便利ではないし、値段もタクシーとあまり変わらないらしい。すぐに乗り終わってしまい、あっけない体験であった。終点には白タクが多いと聞き、地下鉄に乗り換える。上海の地下鉄は新しくてきれいで便利で分り易く、ホームも広くて柵があるので、線路に落ちる心配はない。どの改札口でも手荷物のX線検査を受ける。たまに警察犬もいる。乗客の中にはダサいおばさんもいるが、若者たちはi phonを手に、ipodを聴き、服装も東京人と何が違うというのだろう?
ホテルにチェックインしてから先ずはワイタン(外灘)へ。19世紀半ばのアヘン戦争の後、上海は列強諸国の租界地となったため、西側の川岸にはずらりとエキゾティックな西欧風の石造建築物が並んでいる。中でも旧香港上海銀行の建物は、ローマやナポリの歴史的銀行の本店を見慣れたピグぬしもびっくりするほど、ふんだんな大理石やモザイク画を用いた内装は教会か宮殿のサロンかという造りだ。東京で言うなら日比谷や丸の内といったところだろうが、もっとぜんぜんすごい。レトロな洋館の中はカッコいいお店やレストランに変身している。川沿いは街路樹と花壇で飾られ、対岸のプドン(浦東)の高層ビル群を望む遊歩道となっており、たくさんの人でにぎわっている。
次はその足で豫園へ。16世紀にさかのぼる中国庭園で、商店街に囲まれていて、ものすごい人でごったがえしている。浅草の仲見世と横浜の中華街のにぎわいを10倍にした感じとでも言おうか。この地区にある噴水池の畔には六本木ヒルズにも出店している南翔饅頭店があり、テイクアウトを買う人の長蛇の列ができている。店内は部屋毎に値段もメニューも異なる。池のまん中の中国茶の喫茶店も素敵だ。値段は東京なみだが、雑踏から逃れて一息つける。
アメーバイチ押しグルメ情報 グルブロ 参加中

住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ヒルサイド1F
電話番号:03-5413-9581
豫園の夜のライトアップもおみごと。建物が赤い光の粒で縁取られ、まるでディズニーランドの中国ゾーンだ。おなかがすいたので、そこからタクシーで新天地へ。フランスの租界地を再現した区画で、リッチな中国人や欧米人旅行者がお茶や食事や映画に集まって来ている。値段は表参道や青山と大差ない。ピグぬしは屋外のテーブルで夕食をとり、バーでワインを。なんだかパリにいるみたい。これはRTKLという国際建築設計組織の開発によるプロジェクトなのだ。
2日目: 4/29(金)
この日もよい天気。ハイヤーで高速に乗って蘇州へ。三国志で知られる呉という国の城市である。9:00にホテルを出て10:30頃に着。まずは世界遺産の拙政園へ。これはすごい。異なる池と景色をもつ様々な庭がいくつも連なっていて、飽きることがない。ざっと一周するだけで1時間はかかってしまう。
蘇州には世界遺産の庭園が9つもあるので日帰りでコンプするのは無理。そこでもうひとつ、市心を西に外れた留園へ。これも様々な透かし窓をもつ渡り廊下の建築などがすばらしいが、拙政園を見た後ではやや印象が薄い。生演奏と歌が披露されていた。あと「別有天」という庭園空間があったが、別のユチョンはいなかった。
次は話題の山塘街へ。近年再開発された水路沿いの旧市街だ。鄙びた家屋、お太鼓橋、素朴な遊覧船など、とても絵になる。
お昼ごはんは、奇人変人として知られる唐の時代の僧侶、寒山拾得の寒山が庵を営んだといういわれのある寒山寺の近くで、精進料理を。ここで禅茶の葉を買った。中国ではあまりプラボトルや缶入りの飲み物を飲まない。たいていの人は水筒を持っていて、そこにお茶の葉を入れておき、市内のどこにでもある給湯所でお湯を入れて飲むのだ。なかなか良い習慣だと思う。
食後に寒山寺を見学し、東洋の斜塔と呼ばれる呉の王様の墓廟「虎丘」を、入場券売場の手前から眺める。蘇州はシルクの産地だからか、この参道沿いにはウェディングドレス店が軒を並べている。
その後、一路、周荘へ。名高い水郷地帯にある観光整備された都市のひとつだ。市街地への入場料は100元(約1500円)もするが、各見どころの入場料はそれに含まれている。鄙びた白壁の民家が並ぶ路地は、エルコラーノが噴火で被災する前はこんなだったかもと思わせる。路地では干物や干しえびなども売っている。水路はまさに中国のヴェネッィアだが、ゴンドラ漕ぎの大半はおばさんだ。南端の湖畔に建つお寺はマントヴァのテ宮殿を思い出させる。ざっと歩いても1時間半はかかるが、水路沿いのテーブルでのんびりビールなどを飲んだりして半日くらい過ごしたいものだ。夜もイルミネーションがすてきだという。
暗くなってから上海に戻った。竹林のように密生している高層ビルがそれぞれカラフルな照明に縁取られており、まさに電飾タウン。高速道路も光の帯のように照明されている。ホテルに立ち寄ってから夕食へ。ピグぬしのオットが好きな寧波(ニンポー)の海鮮料理店で魚介料理を。水槽内や氷の上に並ぶ魚を選び、好みの方法で調理してもらう。たぶんマテ貝だと思うのだが、そのソテーのおいしかったこと。どれも味はあっさりしていて醤油をほとんど使っていないので、イタリア料理のようだ。
3日目: 4/30(土)
この日もよい天気。くりあは「とんばん」というパンダを飼っているが、動物園にリアルなパンダを見に行くことにした。奥まった所に2匹いた。万博の時には10匹いたそうだが・・・。私のではないが動画がある→http://www.youtube.com/watch?v=JdViQ9YLEIY&feature=related
その後、再び豫園に行き、南翔饅頭店の小龍包でお昼を。土曜日なのでこの地区の混雑は尋常ではない。食後は静安寺へ。空海も遣唐使として訪れたという古刹だ。周囲の派手な高層ビルに負けないよう金ぴかで、夜のライトアップもすごい。ここから東隣の駅、南京西路(ナンジンシールー)までは、東京の銀座や表参道も目じゃないほどの高級ブティック街である。久光(そごう)デパートの地下のスーパーには千疋屋みたいな値段の果物も売っているし、高級車もがんがん走っている。お金持ち、静安寺へカモン、カモン~♪ これらの高級ブランド、今ではショーは上海でやる。東京の人、なんなら見においで、って感じになったようだ。伊勢丹もある。ユニクロが無理してこの地区の端に本店を出したが、上海の人に言わせると「デザインがださい」とのこと。
歩き疲れたのでタクシーで人民広場へ。ここは庶民的。日曜日の新宿東口の10倍くらいのにぎわい。交差点には韓国の新世界百貨店がサムスン電子のネオンを掲げている。南京東路(ナンジンドンルー)駅までは歩行者天国ですごい人の波。「偽物あるよ」という客引きがうるさい。飲食店もたくさんあるので、ここで夕食。ホテルに戻り、寝る前に足のオイルマッサージと全身按摩をしてもらった。極楽。
4日目: 5/1(日)
今日も天気。川の東側、高層ビルが続々と建つ新市街プドン(浦東)を見てまわる。まずは世紀公園へ。広場の南側には、RTKLが計画した科技館が、北西側にはポール・アンドリューがデザインした東方芸術センター(オペラ座)があり、モダン建築好きには必見だ。そこからタクシーで、見本市の会場近くに最近磯崎新氏が設計したヒマラヤセンターへ。日中文化交流の場として計画されたものだが、ジュメイラ・ホテル以外はまだオープンしていなかった。周囲は空き地。そしてまたタクシーで上海環球金融中心へ。高さ492m、森ビルが、六本木ヒルズと同じくKPFに設計させた上海一の高層ビルだ。栓抜き状に抜けた部分には有料の展望台もあるが、87階にあるパークハイアットのラウンジでビールでも飲むことにした。すぐ近くには、トゲトゲした金茂ビルの頂きが見え、他の市街地は霞んでいる。下に降りたら、すてきとは言いがたいデザインの東方明球塔に向かって歩く。メーデーなので町には多くの人が繰り出して塔の付近はごった返している。アップルのショールームがオープンして、大混雑していた。さらに濱江大道という川岸の遊歩道まで歩き、疲れたのでホテルに戻って昼寝をした。
そして夕食は、新天地の北側にあるインターナショナルなエリア、准海中路(ワイハイジュンルー)の海鮮レストランへ。水槽があり、海中の映像が流れているので、ピグの釣りを思い出した。この大通りの街路樹はクリスマスのように電飾されていてとてもきれい。街の灯りが消えた表参道を思い、複雑な心境になった。
5日目: 5/2(月)
いよいよ帰国。ANAの機内カタログにJYJの3人の写真があった。ロッテ・スターアベニューの広告である。
成田に着いたら、空港がとても狭苦しく感じられた。駅もホームも何もかもせせこましく、車窓の景色を見ていたら、家屋やビルがみじめに思えた。上海の人が日本に来たらやはりそう思うのであろう。それなら日本が誇れるものは何だろうか? 思いやり、優しさ、奥ゆかしさ、まじめさ・・・そういう精神的なものはひじょうに日本的だと思う。中国では自己中、派手好き、競争心、向上心を感じる。例えば、電車の中でイヤホンを使わず、各自がそれぞれ音を出して音楽を聴く。電車の中で、恥ずかしげもなくいいおっさんが少女時代をガンガン聴きまくっているのだ。昼間っから公衆の面前でベタベタのカップルもたくさん。地下鉄には降りる人を待たずにすごい勢いで乗り込み、20cmでも隙間があればお尻を割り込ませる。オバタリアンだけではなく、若い人もそう。どこでも大声でケータイで話すのはイタリアみたい。だがさすが国際都市、商店でもレストランでも英語を話す人がけっこういた。日本の若者よ、井の中の蛙ではダメ、少なくとも1つ、外国語を身につけ、世界に目を向けよう。そして、韓国のように外貨を稼がねば、小さな日本の将来はない。
それにしてもせせこましいわが家は落ち着く。