『交渉人』シリーズや『パパとムスメの七日間』の五十嵐貴久のミステリーです。
基本的に、交渉人シリーズと同じ世界観で展開されている話らしく、お馴染みのキャラも少しだけ登場します。
ですから、警察の対応とか、所掌とか、架空のセクションになってたりしてます。
ですから、警察の対応とか、所掌とか、架空のセクションになってたりしてます。
お話は、警察の捜査がメインではなく、あくまで犯人側から描いているのですが、それなりにどんでん返しがあって、ミステリーとしては、そして誘拐モノとしても、秀作だと思います。
なにせ誘拐されるのが、総理大臣の孫娘ですよ。しかも、一緒に住んでいるんですから、警備の目だって、厳しいわけで。そんな女の子を誘拐するための綿密な作戦と来たら、もうご都合主義ですよね。
それまで普通の中年サラリーマンだった男が、ダムの工事現場からダイナマイトを盗んだり、友人の車を盗んだり、免許証をすりしたりと、危ない橋を渡りすぎですわ。
犯罪のシロートなのに、なんでそんなうまくいくのよ。
まぁダイナマイトはともかく、免許なんて、偽造した方が早いでしょ!
まぁダイナマイトはともかく、免許なんて、偽造した方が早いでしょ!
それにちょっと引っかかったのは、犯人の動機がイマイチだったこと。
これだけの苦労をして、何したかったんだろう?
これだけの苦労をして、何したかったんだろう?
途中で、「利己的なことではない」と、犯行目的を語っていたけれど、
じゃあ、なに?
社会正義?
じゃあ、なに?
社会正義?
結局、社会を混乱させてただけだし、犯人の目的って、結局、利己的なモノだったわけで。
誘拐事件の進行はのサスペンス感は流石だし、うまく時代にマッチしていると思う犯行もいいんだけど、どうも人間の描写がねぇ、足りてないと思う。
もっと犯人の内面とか、犯人グループの描写もあった方がよかったんだよ。
せっかく主人公を犯人にしているのに、ほとんど内面が描かれてないわけで。
せっかく主人公を犯人にしているのに、ほとんど内面が描かれてないわけで。
登場人物全般に言えるけれど、ステロタイプのキャラばかりというのがね。。。
深く物語り世界に入り込めなかった原因かな?
深く物語り世界に入り込めなかった原因かな?
つまりさ、弱い立場にいる人たちが、すべてに行き詰まって、やってしまうのが「犯罪」だと思うんだけど、まして、誘拐のような大きな事件ならなおさらで。
そこには生の感情があるわけでしょ!
それなのに、この犯人の描写には、それがない。
もちろんそれが不自然に感じさせないようなエピソードはあるんだけど、ただ、そうすると動機の整合性がとれなくなってしまう。
もちろんそれが不自然に感じさせないようなエピソードはあるんだけど、ただ、そうすると動機の整合性がとれなくなってしまう。
もちろん描きたかったのが、勝ち負けではない人間の生き方であることは分かるんだけどさ。
もっと犯人の葛藤を描いて欲しかったなぁ。
傑作になったかも知れないのに。。。
ただ、この作品、今までの交渉人シリーズとは違って、映像化は難しいかな?