戦闘妖精雪風 | Happy-Gate

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半径5mのライフログです。

 神林長平のハードSFのアニメ化作品。
 GONZO制作の全5巻のOVAシリーズだった。
 第1巻発売から3年だよ。いかに作り込んだかが分かる作品ですね。

 4巻から5巻発売まで1年半だっていうから、それはそれは待ち遠しかった。っていうか、忘れそうになってしまったよ。

 簡単にあらすじを。

 ある日、南極の観測隊基地を謎の航空機による攻撃が起こった。それは人類が初めて遭遇した異星体ジャムだった。彼らは南極のロス氷棚にできた霧状の柱「超空間通路」から侵攻してきたのだった
 人類は超国家的に連合し、ジャムを超空間通路の向うへと押し返すことに成功する。それから人類は反撃に転じる。超空間通路の向こう側へ侵攻した。
 そこには2連の太陽が輝く未知の惑星フェアリィがあった。
 ジャムの危機から守るため超国家的な軍事組織フェアリィ空軍を組織して、いつ終わるとも付かない戦争は続いていた。
 そのフェアリィ空軍の中に、死神と呼ばれる部隊があった。戦術空軍団フェアリイ基地戦術戦闘航空団特殊戦第5飛行戦隊---特殊戦。
 特殊戦に課せられた使命は、必ず生きて帰ること。最前線でどん欲に情報を収集し、戦闘情報を持ち帰る。友軍機を見殺しにしてでも帰投する。そのために必要な資質は、機械のように冷徹な心。
 彼らには最強の高性能戦術戦闘機スーパーシルフが与えられている。
 その特殊戦に所属する主人公深井零少尉は、彼の愛機パーソナルコード「雪風」とともに、非常な戦場にいた。
 
 アニメはGONZOお得意のデジタルで処理されたもので、第1巻こそちょっとゲームのCGっぽかったけど、巻を重ねるごとにうまくマッチしてきた。この3年(制作からだと5年だとか)という時間を感じずにはいられなかった。
 それからほとんどしゃべらない主人公の声を俳優の堺雅人が熱演。ほとんど、息を吐く音しかないので、なにも俳優を起用する必要なかった気もするが。
 
 20周年企画作品だった割に、すごく地味な扱いで、軍事オタクは良かったかもしれないけど、一般の観客はつまんないだろうね。
 小説は、とても哲学的で(SFっていうのはそういうものだが)難解な作風になっている。
 アクションシーンは爽快なのだが、人物描写はあえて説明的な演技を排除しているようだった。これは原作を読んでいない観客には不親切で、取っつきにくさだけを感じた。

 原作を読んでない友人に訊くと、アクションシーンはおもしろいけど、ストーリーはよく分かんないとのこと。まぁ、原作本を買ってもらおうという、メディアミックスの商売かな?

 この作品は小説では2001年宇宙の旅以降語られ続けたID理論をさらに発展させている。
 すなわち宇宙人が地球生命に干渉して、人類を作り、その人類はコンピューターネットワークという機械知性体を作る。宇宙人は、機械知性体で移住してきた。
 
 まさに人間とは何なのか?生きるとはどういうことなのか?を、まるで禅問答のように、登場人物たちは語る。
 
 さて、アニメは原作とは違うラストになっている。と言うより、原作は、本当の意味ではまだ終了していない。そこでどうしても、アニメならではラストを用意しなければならない。それが4巻から5巻発売まで一年半以上もかかってしまった原因で、一度は、原作通りの脚本があがっていたようだ。

 戦争をテーマに進めた作品だったので、戦争にどういう決着をつけるのかと言うところに、作品は収束していく。そのために、総力戦という形になる。
 謎の知性体ジャムについては語られず、その正体も不明なままで、すべてまるで夢か幻か、まさに妖精という感じで、終わっていく。