朝にシェイニーと色々用意して、昼には来ると言うことなので、ギャルと昼間から自分のシーンを撮っていた。
前回と違って、ギャルもプロでは無いのでナチュラルなバイブスを感じていた。
すごい良い雰囲気で撮影は始まった。しかし、unruly 達が来るバイブスをまだ感じていない。
前回は一緒にサッカーをしたりしてから行ったので、安心していたが、今回はヨットの場所で彼等を待っていた。
ビデオは前回よりいいバイブスで撮れていたが、肝心のunruly bossが来なければ話にはならない。
時間は刻一刻と過ぎているが奴らは来ない。俺はペトロに電話をした。
ペトロ『絶対行くから待っとけや。安心しろや。』
安心なんか出来るわけねー。日が暮れたらビデオ撮影は出来無いから、早めに来て欲しかった。
キングストンのゆっくりとした太陽がだんだん下に降りてきていた。
日が暮れそうになる時、ブンブンブンブン。バイク音が鳴り響いていた。奴等が来た。
ポップカーン
『 triga finga!WYOOY!待ってたか!来たぜ!女は何人用意したんだ?』
沢山ギャルを用意したので、前回よりバイブスの良いunruly boss。
ギャルは多いがそれ以上に多いキリキリ達。。全員が乗ったら船は沈没する。
船の船長も、『こんな大人数では発進できへんから誰か降りろや!』
船長の一言でカオスが始まった。
あちこちで誰が乗るかの喧嘩が始まった。俺の知らない人まで乗るのはお門違いなので、全然知らない人に降りてくれと伝えると、
『 triga finga!お前はdissした。フザケンナよ。』
俺が知らないシズラの友達のおじさんは子供のように怒り出した。
ジャマイカではこーいう人達の話をいちいち聞いていたら話が進まねー。全力でシカトした。
日が暮れかけて、船はカオス。
俺は船長に船を発進してもらうことにした、後で何を言われてもいいから、船から関係ない人には降りてもらった。
『カンパリ飲みてーから買って来いや。』
誰が言ってるんだ、この忙しい時によ!と後ろを見たらシズラがいた。
俺のビデオ撮影にシズラもやって来た。
よく見るとbugleやDre islandもいた。
ポップカーンがみんなを連れてきてくれたのだ。
いよいよ船が発進。
スター勢揃いのビデオ撮影が始まった。
今まで日本人が色々挑戦してきただろうけど、deejayとして俺くらいシーンに入り込んでやった奴はいないだろう。
人から見たら常軌を逸してる。
でもそれだけこの音楽に命をかけてる。
それくらいジャマイカとレゲエを愛してる。胸を張ってそうやって言える。
船が走り出すとビデオ撮影が始まった!
この瞬間のために俺はやってきたんだ。最高の気分だった。
諦めないで生きてて良かった。
やはり人生は諦めなきゃ成功するようになってる。
この瞬間を迎えるために失ったものも沢山あった。
日本の友達との楽しい時間。
めっちゃ好きだった日本の彼女とも別れた。
でも全然後悔してない。それは人生の全て糧になる。諦めなければ。
撮影の噂を嗅ぎつけた、新聞記者までいて、終わった後もインタビューを受けてスター気分を俺は味わった。最高だった。
これでアルバムが出せる、そして日本にも帰れる。
帰ってこのビデオを出せば皆にこの奇跡が伝わるぞ。意気揚々と俺はジャマイカを出た。
その時はもちろんすぐにジャマイカにまた戻り楽しくやるつもりだった。世界デビューに近づいた気分だった。
日本に帰り、アルバム発売の準備をしていた。アルバム発売に向けて俺のバイブスは高まっていた。
しかしながら、そう簡単にいかしてくれないのが現実だ。
俺の神様はいつだって強くしてくれるイベントを用意する。
俺はまた自分の身に起きるカオスをこの時は知らなかった。
また神に試されてる気がした。
とりあえず人生最高かよ。





