okinawaの新しい風
昨夏の沖縄大会でベスト4に入ったエナジックスポーツ、KBC、日本ウェルネス沖縄は、野球により多くの割ける時間をカリキュラムが組まれている学校。
特にここ数年、特に沖縄高校野球界においてすごく目立ち始めてきた。
高校生活の多くを野球に費やしたければ、こういう学校に進学するのも道だ。
ということは、学校の実態は、ひそかに専門学校的だということなのではなかろうか。
よって、反対の見方も根強い。
文武両道こそ、学生の模範とされる価値観だからである。
いやぁ、古い!古すぎる価値観がまだしぶとく生き残っている、という気がする。
ただ、このカタカナ高校、今後は日本中に拡散していく可能性も無きにしも非ず。
昨夏の沖縄大会を制して甲子園に進んだ興南の我喜屋優監督が、直撃取材を受けた際に
「野球しかしていない高校生の将来は、誰が保証するのでしょうか」
とこれらの流れに対してはっきりと発言して波紋を呼んだことは記憶に新しい。
選択肢の多様化が進む現在、沖縄県内の野球少年たちに最も人気なのが沖縄尚学で、入部を希望する中学生に対し、比嘉監督は
「勉強を疎かにしたら、野球はできないよ」
と必ず伝えているという。
比嘉監督は
「本人も親御さんも『この期間は野球に集中できる』と価値を見出していると思うので、いいと思いますけどね。どれくらい勉強しているのか、実際の中身は知らないので。いわゆる新鋭校という学校ができて、沖縄の子たちに選択肢が広がったことはいいことだと思います」
と語っている。
沖縄尚学は、特進クラスのように共通テストで高得点を目指すような授業内容ではないが、スポーツクラスも学業との両立を掲げ、英語検定も最低準二級を目指そうという方針だそうだ。
なま半端じゃこなせないのは日を見るより明らかである。
それにつけて全国制覇の経験さえもある指折りの強豪校でもある。
2008年のセンバツで優勝に導いた東浜巨、嶺井博希、リチャード(いずれもソフトバンク)、與座海人(西武)、岡留英貴(阪神)、仲田侑仁(広島)らがプロの世界に巣立ったが、リチャードと仲田を除き、上記の4人は大学経由でプロに進んだ。
進学も視野にしっかりと入れていることがうかがえる。
西武で2022年に10勝を挙げた與座は、沖尚時代は3、4番手の投手。
敗戦が近くなったら投手に代打を送り、「おまえ、行け!」という立ち位置だったという。
入学当初は上投げだったが、同タイプばかりいるチームのなかでかすみ、サイドスローに下げることで何とか自分の価値を見出そうとしたりした。
その後、岐阜経済大学に進んでアンダースローになり、躍進。
そしてプロへの道を切り開き、2ケタ勝利を飾るまでになった。
阪神の岡留英貴も高校ではエースではなかったが、大学で腕の出どころを変えてブレイクした好例だ。
比嘉監督は
周りよりちょっと成長が遅くて、高校野球では芽が出なかったかもしれないけど、考え方や自分の努力によって、のちにうまくいくこともある
と伝えているそうだ。