マンボウ
Sunfishことマンボウ。
なんとも愛らしいというか、キモかわいい魚だ。世界最大級の硬骨魚のひとつである。日本にはマンボウ、牛マンボウ、隠れマンボウがいる。ヤリマンボウは仲間だ。
海面近くをプカプカ漂っている姿が有名。
あまりに波任せな姿なため、自分で泳ぐことができないのではとも考えられていたほどだ。
だが、実際は海面と水深800mぐらいを行ったり来たりしながら暮らしているようだ。
一応、深く潜ることもできる。
泳げない訳ではない。
しかも寄生虫を振り落とすために海面からジャンプも可能。スペック高いじゃん。
水面近くにいるのは、クラゲが大好きだからだ。
クラゲの大群の後ろにくっついて波間を漂っている。
そして口をおもむろに開けると、すぐにクラゲがかってに入ってきてくれる。
意外と大食い。何とも優雅な身分だ。
主食とともに漂っているだけのナマケモノなのだ。
またマンボウが海面近くにいる理由の二番目は日光浴によって寄生虫を殺すためだという。
そのため日光浴時は体を横たえていることが多い。海面に大きな円形のものがプカプカしているさまは非常に愉快だ。まるで死んだ魚が浮いているようである。
で、片側が終わったらもう片側を日光浴。
綺麗好きやのう。
そういう暮らしだから、当然肥える。
大きい個体で全長が3m、体重は2tにもなるという。
粘液状のブヨブヨした皮膚には大量の寄生虫がいるという。
皮膚は弱いのだ。触れると簡単に傷つく。
しかし成体になったマンボウ、弱々しい皮膚下には固い軟骨の層がある。
これが10センチくらいあるという。
で、この骨はライフルの銃弾すら簡単には通さない。
よって、サメやシャチですら捕食ないという。
だが、この軟骨の中の肉が非常に美味だそうだ。
台湾では一般的に売られているとか。
日本では、高山一実の地元南房総が有名とか。
「マンボウ食べたかね?」というのがあいさつの定型だそうだ(笑)。またマンボウが入荷すると「マンボウ入荷しました」との札が出されるそうである。
ビニール袋に少しで何千円から、一万円越え。
捕獲方法はいろいろあるが、棒で殴って気絶させて捕獲することも多々あるそうだ。
捌く時にはさいの目に軟骨を切り、レンガを外すように外すという。
この軟骨もまた食べられるそうだ。
身は刺身が一番とか。
皮は寄生虫まみれで喰わないほうがいい。
また、マンボウは飛びぬけて多産で、3億個もの卵を産む。 卵は小動物に食べられ、孵化した後も小魚やイワシに食べられ、ちょっと大きくなった頃には海鳥やマグロに食べられと、色々な動物に捕食されながら成長、結果、残るのは
数匹。「数打ちゃ当たる」ならぬ「数産みゃ生き残れる」である。
ちなみに赤ちゃんはコンペイトウみたいな形態だ。
しずくさんの海洋日報が面白い。