オプトグラム
死に際の網膜に残った像のこと。生理学者ウイルヘルムキューネは1880年、ギロチン処刑者の眼球を解剖し網膜にあるパターンを発見。
それはその処刑者が最後に見たものの像だと発表。然し、のちに否定。まあ、そんなことはないということが科学的に立証されたからである。
これが本当なら、殺人事件とか、かなりスピード解決できそうだったのに(笑)。
では一体、網膜に写っていた(残っていた)像は、なんなのだろうか??
気になる。
ちなみにこのオプトグラムを重要なキーとして書かれた小説にジュール・クラルティ「心理写真」、ジュール・ヴェルヌ「キップ兄弟」、ヴィリエ・ド・リラダン「トリビュラ・ボノメ」、太宰治「雪の夜の話」がある。
太宰治「雪の夜の話」
美しい雪景色を義理の姉に見せたくて、それを網膜に焼き付けようとする少女の話だ。
デンマークの医師が、かって難破した若い水夫の死体を解剖し、眼球を顕微鏡で見ると網膜に美しい一家だんらんの光景が写されていた、という言い伝えがベースになっている短編。
オプトグラムものといえる。
ちなみに、太宰治の短編「散華」。
「さんげ」とは、華(花)を散布すること。
仏教では仏を供養するために華を散布する。
特に法会(ほうえ)で,偈げを唱えながら列をつくって歩き,蓮はすの花びらの形をした紙をまき散らす法要。
また「華と散る」と解すことで(花を散らす意味から転て)、死亡すること、特に若くして戦死する事の婉曲表現、美化表現としても使われている
なお戦死の美化表現には「玉砕」もあるが、玉砕は個人の戦死ではなく部隊の全滅を意味し、大本営発表などで公式に使用されたという。