アカザ 田沢湖のクニマス | 脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

基本毎日更新。名誉も金も、素晴らしい音楽を作り人々を感動させようという気持ちもない、極めて不心得なアマチュアミュージシャンであり、アマチュアアーチストtrifling beetleの遺書。
HP https://triflingbeetle.wordpress.com/2025/09/06/trifling-beetle-official-hp/

 

シマッチ、踊り暴れ、狂う

 

先月末にうちに来たシマドジョウがここ一か月ほど落ち着かずに泳ぎまくる時間が、一日のうち必ず数回ある。

24時間ではないが、なんかそういう姿が目立つのだ。

特にここ二週間ほどが特に目立つ。

もちろん落ち着いているときには落ち着いている。

たまに生首になっていたりする。

かなり厚めにボトムサンド敷いたんだからね~。潜ってくれなきゃ困るぜ。

といっても、生首になるのはストレス、危険を感じたりした時らしいので、そう考えたならば、あまり頻繁ならよろしくないかと。

それでも生首の前に赤虫落とすとバキューム発動(笑)。

素晴らしい吸引力。

で、暴れ泳ぐのは水質問題とか空腹問題があるそうだが、気にし出したら切りがないとネットで散見。もともと謎行動が多いらしい。そうだよね、なぜかマツモにくるまって休んでいる。腹を横向けて死んだような姿で休んでいる。ブクブクの噴出口に向かって突入しようとする。低床清掃も定期的にするけど、その時には喜んでプロホースの筒にまとわりついてくる(笑)。

 

でも、飛び出しが一番怖いな、これからの季節は。

帰ってきたら、朝起きたらいきなりゾンビとか。

 

ただ、ここんところ暴れまくっていた理由が実は台風接近の気圧変化にあるのではと教えてくれた人がいた。

この時期異例な台風2号。

これが接近しつつあるというが。

 

地震も感知するという。

今月10日前後にもそういえばそうだ、目立った。

そういう能力が高いというか、思うよりも繊細な生き物と聞くし。

そうならすごいな。

 

 

 

アカザ

 

ペットショップ・アミーゴで売られていた。

¥1,500.

 

 

 

日本固有種で夜行性

絶滅危惧種Ⅱ類。

昼間は清流の流れのある石の下などに隠れ主に水生昆虫を食べている。
産卵期は5〜6月。
卵は石の下などに産みつける。
子供でも簡単につかまえられるために日本各地にたくさんの呼び名が残っている

例えば「カワオコゼ」「サソリ」「サシ」「アカメロ」「ハチウオ」「ヒナマズ」「オイシャハン」「ハリモツ」「ニョロキン」。

漢字では「赤佐」。

鰭の棘に刺されると非常に痛む刺毒魚。

ただし痛みは長続きしない。

これがために子供には格好の遊びの対象であるとともに痛い目にあった経験を持つ人も多いと思う。

 

 

 

 

田沢湖のクニマス

 

「日本のバイカル湖」こと秋田県仙北市の田沢湖は日本一深い湖。

湖面標高は249mであるため、最深部の湖底は海面下174.4mということになる。

真冬でも湖面が凍り付くことはない。

1909年に湖沼学者のパイオニア・田中阿歌麿が測量した。

 

クニマスとは、かって、この田沢湖にのみ住んでいた固有種。

現在、田沢湖のクニマスは全滅指定されており、存在しない。

1908年には、人工ふ化に成功して、稚魚の放流も始まるという、この地区の漁業上の非常に大事な水産品だったのだ。

 

だが、1940年に超強酸性の玉川から水を引き入れたことにより絶滅。

玉川の水は超酸性で、通称「玉川毒水」(笑)。

温泉帯であり、上流の渋黒川はpH3.2である。

さらに、源泉は98度。pH1.0~1.3。

ほぼ沸騰した塩酸である(笑)。

信じられない数字だ。

仙北地方の宿命である。

 

日本の飲料水における水道水質基準は、pH 5.8~8.6 (弱酸~弱アルカリ)と定められているが、それ以上。

ちなみに中性pH7

pH値(ペーハー)とは水溶液(酸性やアルカリ性の度合い)の性質を表す単位で、数値の幅はpH0~14まで。

pH値の中性は7.0になり、これを基準として高い数値はアルカリ性、低い数値は酸性

厚生労働省が定めているpH値基準は、pH5.8以下が弱酸性。pH8.6以上が弱アルカリ性としてい

 

酸性     pH3.0未満

弱酸性    pH3.0~pH6.0

中性     pH6.0~pH8.0

弱アルカリ性 pH8.0~pH11.0

アルカリ性  pH11.0~pH14.0

 

ちなみに

血液  pH7.3~7.4

精液  pH7.1~7.4

尿   pH3.5~7.0

胃液  pH1.5~8.5

梅酒  pH3.5

リンゴ pH3.0

レモン、炭酸飲料(コーラ)など  pH2.0

 

※ pH5.5以下より酸性の度合いが強くなると、人間の歯が溶けやすくなる環境になるため『臨界pH値は5.5』とも言われてい

 

閑話休題。

なぜそんな、玉川からリンゴジュース並みの毒水を引き込んだのか。

それは、水力発電のための水を確保すること、農地開墾用の用水確保のためだった。

 

その結果、バクテリアの繁殖が抑えられ、湖の栄養分はほぼなくなる。

結局、ウグイ以外の魚はすべて死滅。

1948年、クニマスの絶滅が確認された。

 

1965年の調査ではpH3~4。

この頃の毒水処理は、もっぱら地下溶透法頼みだった。

1991年より中和処理場が運用。石灰を使っての毒水処理が始まる。

2002年pH5.4。

現在pH5.3。

まだまだクニマスが再度住めるほど、以前の環境には戻っていない。

飲食品に例えたならば

コーヒー、炭酸水、焼酎、ウイスキー、醤油などpH5.0前後のものになろうか。

 

さて、絶滅したはずのクニマスが、山梨県西湖で生き延びていることが明らかになり、一気に業界がざわついてことがある。

1930年に田沢湖より17万粒の卵が西湖へと届けられていることはわかっていたが、正式にDNA鑑定で、西湖にクニマスが残存していることが確認されたのだ。

これにちなみ、2016年西湖のコウモリ穴併設という形で、「奇跡の魚 クニマス展示館」が作られた。

西湖は富士五湖の一つで、ウルトラセブン「湖のひみつ」が撮影された場所だ(笑)。

そう森次 晃嗣と高橋礼子がウルトラアイを奪い合うシーンが印象的なあれだ。

 

 

 

さらに田沢湖への里帰りプロジェクトも始動。

これを記念して「クニマス未来館」が作られた。

西湖からレンタルされたクニマスが、ここに間接的ながら「里帰り」して養殖されている。

 

https://www.city.semboku.akita.jp/sightseeing/documents/220602_kunimasu_miraikan.pdf