日本オオカミ協会
オオカミの再導入
オオカミの再導入とは、オオカミが絶滅した地域に、人為的にオオカミの群れを再び作り上げることである。
オオカミにとって適した自然環境が広い範囲で残っており、同時に獲物となる生物が十分にいる地域である場合に限って検討される。
オオカミは頂点捕食者オオカミは人前にめったに出ない臆病な動物。
なのに現代では、オオカミは人を襲う凶暴な動物と解釈されている。
徳川綱吉の有名な政策「生類憐れみの令」もオオカミの冤罪を強制支援したと言われている。
日本ではエゾオオカミやニホンオオカミが生息していたが、両種とも明治時代に絶滅した。他方で、昭和時代末期より山間部においてはニホンジカやイノシシなどによる農作物や樹皮の食害などの獣害が恒常的な問題となっている。
ニホンオオカミ絶滅理由
・明治時代のシカやイノシシの乱獲によるエサの枯渇
・エサがなく、家畜を襲うようになって駆除
・文明開花にそぐわない理由で駆除
・オオカミの毛皮が高く売れるため、乱獲
・オオカミ自体が縄張りに争いで殺し合う
・狂犬病の発症
このため、主に一般社団法人日本オオカミ協会によって日本へのオオカミ再導入の必要性が訴えられている。
同協会によれば、日本に再導入するオオカミは、中国などの小型のハイイロオオカミが適しているとしている。
オオカミ再導入によって、猟友会会員の高齢化・会員数減少が進む中で、増えすぎたシカやイノシシの個体数が抑制され、下層植生が復活、生物多様性が増加し、崩壊した生態系が復活することが期待される。
一方で、沖縄でのマングースのように生態系に悪影響を及ぼしたり、オオカミが家畜や人間などを襲ったりすることを懸念する声もある。
これについて日本オオカミ協会は、元来日本に生息していたニホンオオカミは遺伝子分析の結果大陸のハイイロオオカミと同一種であり、導入オオカミは外来種ではないとしている。
オオカミはもともと日本に存在した在来種で、日本の生態系に不可欠な頂点種(キーストーン種)であったため、その絶滅により日本の生態系は崩壊したのであり、オオカミ再導入は崩壊した日本の生態系を元に戻すものであって、マングースの移入(元来存在しない外来種のため移入により生態系が壊れた)とは全く逆であるとしている。
また、オオカミが人を襲うのは世界的に見ても極めて稀なケースであり、毎年国内で何件もの人的被害を生じるクマやイノシシよりもはるかに安全であるとしている。
家畜被害については、補償制度を整備する必要があるとしているが、ヒツジの粗放的放牧が殆ど行われていない日本での被害は限定的であろうとしている。
荒川弘は著作『百姓貴族』作中(4巻101ページ)で酪農家の意見としては大反対としている。
また、2011年、大分県豊後大野市が害獣駆除を目的として、オオカミの再導入を提案したという。
日本オオカミ協会は、1993年以来、全国の国民を対象にオオカミ再導入の是非についてアンケートを取っている。
開始当初は賛成12.5%、反対44.8%、わからない44.8%であったが、年々賛成の割合が増える傾向にあり、最新の2019年の調査では賛成41.2%、反対14.5%、わからない43.9%となっているという。
タマゾン川
南米のアマゾン川になぞらえて「タマゾン川」と呼ばれる、東京都と神奈川県の境を流れる多摩川。
外来種の熱帯魚や肉食魚が急増しているという。
飽きたり、育てきれなくなったりしたため川に放流する人が急増した上、しかも多摩川は広くて、温暖化と生活排水による水温上昇により、熱帯魚が住みやすく越冬できるようになったため、外来種も繁殖しやすい。
住民は「在来種が食い荒らされ、生態系が壊れる」と危機感を募らせている。
これまで見つかった魚はピラニアやアロワナなど200種を超える。
最近は不況で失業し、経済的に飼えなくなった魚を持ち込む人もいるという。
ウグイやオイカワ、スゴモロコなど20匹ほどの小魚が釣れるため、外来魚が増えやすい。
そして、外来魚が増えれば、日本に元々いた魚が食べ尽くされ絶滅する可能性がある。
ところで、かって多摩川で鮭が釣れたことがあるそうだ。
通常、多摩川で鮭が釣れた場合リリースOK、水質上鮭を食べることもできるとのこと。
これまで見つかった外来種一覧
ネオンテトラ
淡水エイ
エンゼルフィッシュ
ピラニア
プレコ
アロワナ
ガーパイク
レッドテールキャット
アリゲーターガー
グラスキャット
グッピー