「trifling beetleさんの映画批評は全然辛口じゃなく、毒気もないし、聴き心地のいいことばかりで、なんかリアリティが薄いっす、うそ臭いっす」といわれた(笑)。
「邦画の回し者」扱いまでされたし(爆)。
そうだ、その通りだ、ええ、そうですとも!
毒気はない、確かに…。
禿しく納得した次第。
で、毒を吐く、今回は(笑)。
まずは時事ネタ。
ASKAの本名って「宮崎重明」って言うんだな。
ごく平凡だ、面白くない(笑)。
ASKAは根っからの超愛国主義者だと聞いたことがある。
確かオジイサンが軍人とか、お父さんが自衛官とか、なんかそういうことだったんじゃないかなぁ。
とにかく長渕なんて目じゃないくらいに恐ろしい愛国主義者だという。
音楽関係者の中にはそのことをかなり危惧する人も多かったとか。
交友関係とかを見るとかなり偏向しているし。
というか、極端に狭そう。
例えば桑田佳祐、小田和正、あるいは吉田拓郎、浜田省吾、それから誰だ泉谷しげる、故キヨシロー、陽水、坂本龍一、小林武史…まったく交流とか付き合いとかなさそうだモンね。
「今から誰かを殴りに行こうか」なんていう超物騒な歌を平気で歌える人だから(笑)。
そういう噂も、単なる噂ではない気がしていたらこの事件だ。
なんとも言いがたいというか。
手を出したらおしまい、なので絶対に手を出してはいけないものに、ついつい手を出してしまった…というコレは、なんとなく人類にも当てはまるではないか。
ウランやプルトニウムに手を出した人類と見事に重なるっていうか。
行く末は、茨の道だ。
「ソラニン」を観た。
で、ガッカリした。
コレ、別に宮崎あおいでなくてもエエやんと。
もったいないというかさ。
若手にチャンスを与えたほうが良かった気がする。
彼女のダメキャラはなんか違和感があるんだよな~。
他の三人(高良健吾、桐谷健太、近藤洋一)のダメキャラは見事にハマっているだけに、惜しい。
伊藤歩もこの映画では冴えも切れもない。
平凡すぎて沈殿している。
良い時の伊藤は、もうそれこそ単なる脇役のくせに、出演時間の5倍分くらいの存在感を平気で出す人だ。
どど~んって出てくるもんね、演技力で。
だがここでは、残念ながら出演時間の少なさと比例した程度、もしくはやや少な目の存在感しか出していない。
伊藤のせいじゃないと思うので、気の毒な限りだ。
宮崎あおいに関しては、これは明らかに黒歴史になるだろうなということ。
キャリアに傷がついたなって感じだ。
力量を考慮したならば、あえてこういう役をやる必要もないと思うんだけどな。
もったいないよ、マジで。
ただ救いは高良健吾がおもろすぎること!!
ひょうきんな役もうまいなぁ~。
アドリブ満載だったそうだ。
で、また声がすごくやさしくていい。
ここでも役になりきっている。
才能ある人はちやうね、やっぱ。
とにかく、この映画の駄作たる所以は、偏に、監督の力量にあると見た。
とにかく録り方がヘタクソ。
話しにならない。
これならば小林武史監督の映画(バンデージ)のほうがずっとましだ。
同時に脚本も、アレだな。
セットで。
経歴を調べたらMV製作畑出らしい。
映像美に囚われすぎなところも納得。
映画とMVの違いを、もう少し学べといいたい。
全体的に映像は美しい。
美しいのだが、映画としては実も蓋も当てられないほど破綻しきっている。
狂牛病の牛の脳みそ並みにスカスカで甘すぎるのだ。
アイドルの三流映画並みのクオリティで超ガッカリした。
井筒監督なら企画段階で間違いなく鬱を再発させていただろう。
間違いなく。
一つ辛辣に指摘すれば、もう設定がムチャクチャなのである。
リアリティのクソもない。
当然、映画だからフィクションとそうでないところが混在しているべきで、一概にリアリティがあるべきだとは言えない。
なのだが、もう特に序盤などは、フジテレビのクソドキュメンタリー「NONFIX」みたくどうしようもない。
どっちつかずというか、中途半端すぎてわざとらし過ぎるのだ。
これならばクドカンみたく完全フィクションに徹したほうが良かったのではないのか。
「少年メリケンサック」なんて、リアリティの欠片もない話なんだけれど、それが逆に、なんとリアリティ溢れる作品に仕立て上げていることか(笑)。
とほほである。
ダメな若者をわざとらしく追いかけた下手クソなドキュメンタリーかっ!と突っ込みたくなる、激烈に。
イライラしてくるんだよね、こういうのを見てしまうと…。
ヒロインがたかがあんな理由でいきなり退職とか、会社辞めた帰りに勝手に靴買うわ、高良に音楽をやれと唐突に説教するかと思えば、レコード会社のオファーを、メンバーを差し置いて逆切れして断るわ、ギターを弾こうと思い立って程なくして、急に人前で聞かせられるほどの腕前になるとか…ありえなさ過ぎるし、理解不能、意味不明なだけだ。
腑抜けなマザコン息子を溺愛する、モンスター・オカンの陳腐な物語にしか見えない。
もうすべてにおいて「MV」なのだ。
劇場映画じゃなく「MV」。
単なる「MV」だ。
ラストの曲も何の脈略もない曲ではなくて、ここは本家本元・アジカンの「ソラニン」…でよかったんじゃない?
それまで徹底的に「MV」的に撮っていたが、このラストだけが「クソMV」的になっている事も、よくよく考えたならば不可思議だ。
あと、そうだ、これも書きたい。
高良がやめたところに再就職する話だ。
ふつう、就業中に仕事をほったらかして「ギター弾きて~」と発狂して絶叫した挙句、自己都合でいきなりやめる人を、同じ就業所が再雇用…は、しないと思う(笑)。
普通に考えて。
こういうひとつひとつのエピソードが、ほとんどがもう「ぬるすぎて気持ち悪い」だけなのだ。
その積み重ねがこの映画だと考えたなら、クオリティーの低さは手に取るようにわかると思う。
一言「見る価値はない、見ないでよし」(笑)である。
怖いもの見たさとかは、大歓迎だけど。
「ソラニン」とはジャガイモの芽に含まれている毒のことだそうだ。
自分も久々に毒を吐いてすっきりした。