宅録ミュージシャン雑記  11月某日  | 脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

名誉も金も、素晴らしい音楽を作り人々を感動させようという気持ちもない、極めて不心得なアマチュアミュージシャンであり、アマチュアアーチストtrifling beetleの遺書。
HP https://www.music-scene.jp/triflingbeetle/


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1995年は、本当に、本当にたくさんのことが重なり、かな~りナーバスな一年だった。



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阪神大震災が起こり、友達の家がたくさん潰れた。

実際に自分が被害にあったわけではないけど、もう、身近な人がたくさん被災して、それだけでこちらの精神状態も乱れる始末だったのだ。

自然災害に対して、どうすることもできない無力感を強く感じた..ということを東日本大震災に遭われた方々も口々におっしゃっていたが、本当にそういう感情がこれでもかと自分を痛めつけてきた。

もう、あんな目には遭いたくないと、なぜかこちらまでひしひし感じてしまった。



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春先にはオウム真理教の地下鉄サリン事件が起こった。

東京にいる身内はすんでのところで危うく難を逃れたが、一歩間違えれば巻き込まれていた可能性もあったという。

あれもまた、どうしようもない地獄絵図だった。

テレビの画面を見てしか伝わらないのだが、本当に本当に、得も知れぬ恐怖を感じたものである。


実際、近所では、教団がマンションの一室を借りており、他の住民との間でトラブルを頻発させていて、その立ち退き問題でとかく揉めていたということもあった。

白装束の人たちと他の住民とが、問題のマンション前でにらみ合う場面を目撃したこともあったし、マンションには、新幹線の高架側に向けて、大きな垂れ幕が下げられていた。

「○○○は出て行け!」、なんともいえない迫力を持った垂れ幕だった。



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この教団らしき信者群が、自宅マンション近辺を勧誘のために徘徊していたのを見たこともあって、決して異様な出で立ちというわけではなかったが、その表情は一様に「電波系」であり、おののいてしまったこともある。

いわゆる「ドン引き」したということなのだろうか。


ガサ入れの様子はテレビで見ていた。

朝もやの中を、ものすごい数の警察が本部に乗り込んでいくシーンは、どんな映画よりもリアルだったと思う。

あの日のなんというか、心が強張る感覚は、今も忘れられない。



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今は、自分たちは、この人たちと別世界にいて、テレビのこちら側からこの人たちを見てはいる。

だが、いつテレビのあちらに映される側になっても、それは決して不思議じゃないかも..という紙一重の上を歩くような不安定な感覚。


それもまたあの年に痛感した、凄く痛い感覚だった。



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