幼稚園の終わり頃から私が習い始めたバイオリンの先生は、
バイオリンの指導はとても熱心で厳しかったけれど、
練習を離れると、先生のご家族ぐるみで、とても可愛がってくれました。
多分、小学1~2年生の頃だったと思いますが、先生が、
「シゲちゃん(僕のこと💦)、今度、ウチに泊まりにおいで。そうだ、次の練習の時、泊まっていきなさい。ね、お母さん、いいでしょう?」
その当時、先生のお宅は、バスに10分ほど乗って、次に西鉄電車で3駅ほど行ったところにあり、練習には、母がいつも同行して連れて行ってくれていたのです。
母が、「それはありがとうございます。よかったね。」と快諾したのはもちろんでした。
その当時は、友達でも、親戚でも、「こんどウチに泊まりにおいで!」というのが、
親しい人へのもてなしと言うか、親愛の情の示し方でもあったのですね。
で、問題はその、次の練習日です。
練習が終わったら、母だけ帰って私は先生宅にお泊りの日です。
この日も、母と一緒に、バスと電車を乗り継いで、先生のお宅に行って、
まずはバイオリンの練習です。
いつものように、先生は熱心に、「その音が低い!」とか「もっと大きく弓を使って!」などと教えてくれていたのですが、何故か、バイオリンを弾きながら、私の目に涙が滲んできて、そしてポトリと涙を流したのです。
先生は驚いて、「おやおや、涙が出てるよ、シゲちゃんどうしたの?」と言われたので、私は、弾くのを止めて、ポツリと、
「今日、泊まりたくない。」と言ったのです。
いやはや、まったく、気の小さな、寂しがり屋のシゲちゃんだったんだね~。
先生は大笑いで、「な~んだ、それを心配してたのかい、いいんだよ、別に今日は泊まらなくても、ね、お母さん、また今度にしましょう。」
母も「あら、どうも今日は元気が無いと思ってたのですよ。すみませんね~」と恐縮しきりでした。
と、まあ、私がいかに寂しがり屋で、繊細な子供だったかというエピソードでした。今、思い出しても、胸キュンのエピソードです。💦
ところがね、驚くことに、あれから70年も経った今でも、寂しがり屋で、繊細な爺さんなんですね~。(笑)
今日は、バイオリンを眺めていて、フッとそんなことを思い出していたという、
「繊細なシゲちゃん、泊まりたくない!」の一席でした。(^^;)