こんにちは、トライズポイントオートワークスです。
今日は、当店と長いお付き合いをいただいておりますお客様からご依頼頂いた、ランタン修理の様子をお話させて頂きます。
お客様のブログはこちらです。
https://ameblo.jp/mikazukiomemesan/entry-12634768928.html
この度ご依頼いただいたランタンは、オーストラリア HANDI社製 Kero-pet ランタン No.3です。
このランタンは、以前当ブログでもご紹介しましたので、参照してください。(記事は別のランタンです)
https://ameblo.jp/trides-point-autoworks/entry-12631775184.html
このHANDIは、今から10数年前に私がお譲りしたもので、オーナー様によると、しばらく使っていなかったとの事です。
久しぶりに使ってみようと、タンクに燃料(灯油)を入れてみたところ、タンクのボトムから灯油がにじみ出てきてしまったそうです。
オーナー様は、修理が可能かどうか不安そうにお持ちくださいましたが、当店にて修理可能であることをお伝えすると、快くご依頼くださいました。
お預かりして、タンクの加圧を行ってみると、タンクのボトムから灯油がにじみ出てきました。
赤丸で囲んだ部分からじんわり滲んでいます。
早速タンク内の灯油を抜いて内部を洗浄します。
タンクから出てきた灯油は黄ばんでいて、内部にサビが発生していることが想像できます。
いきなりサビ取り剤を注入するのではなく、はじめにタンク内に金属製の玉を入れ、脱脂を兼ねながら大きなサビを取り除く作業を実施します。
こうすることで、サビ取り剤も節約できますし、完成までの作業時間が短縮できます。
サビ取りを実施した際に出てきた液体です。液体自体の色は無色透明ですので、汚れとサビが取れていることが想像できます。
この作業を、液体の色が透明になるまで何度も繰り返します。
作業が終わったら、サビ取り剤の登場です。
サビ取り剤で錆を取り除いた後は、タンク内を充分乾燥させてあげます。
サビ取り剤は、酸性ですので処理後にアルカリで中和することも忘れてはいけません。
当店では、タンク内がよほどひどくなっていない限り、基本的にサビ取り後のコーティングは行いません。
理由は、
サビ取り剤で科学的に処理したとしても100%サビを取り除くことはできないと考えています。
取り除ききれなかったほんの少しのサビの上からコーティングを行ってしまうと、コーティング剤の下で徐々にサビが進行していって、見えないところでどんどん錆びていってしまうことが怖いからです。
後々、再処理しなければならなくなった際にコーティング剤を剥離することも大変になってしまいます。
以上の事から、コーティングは最終手段と考えています。
今回も、タンクの状態から判断しコーティング行わずに、次の作業に移ります。
タンクの穴埋めは、板金用ハンダで処理します。
タンクのボトムは、ハンダによって上側の部分とシールされていますので、ボトムの加熱しすぎには注意が必要です。
穴埋めが終わったところで、一度タンク内を加圧し漏れの点検を行います。
穴埋め作業の確認をする為と、サビ取りを行った事で新たな穴が発生していることが多い為です。
加圧後にやはり、別の個所からにじみがあることがわかりました。
早速、再び穴をふさぎます。
タンクに付いている、バルブユニットやジェネレータ、も分解後カーボンを落とし清掃します。
ポンプやチェックバルブも分解洗浄を行い、レザーカップには専用オイルを浸み込ませ、チェックバルブも整備します。
フィラーキャップもパッキンの状態を見て交換が必用なら交換します。
いよいよ、組み立てて、燃焼試験です。
約1時間燃焼試験を行います。
消火後もタンク内の圧力を抜かずに置いておき、タンクからの漏れを点検します。
20時間ほど放置して漏れがないことを確認できました。
300CP(キャンドルパワー)のこのランタンは、充分な位の輝きを見せてくれます。
お客様には、これからもご家族やご友人とのキャンプやバーベキューなどアウトドアで楽しんでいただける事と思います。
無事に修理が完了したことをお伝えして、ご使用時の注意点など付け加えさせていただき、ご返却いたしました。
当店では、自動車整備以外にもランタンとストーブの販売や点検修理も承っております。お気軽にご相談ください。
当店URL:http://tr-p-a.com/index.html
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