こんにちは、トライズポイントオートワークスです。
最近、この作業内容に関するお問い合わせが頻繁にあるので追記いたします。
まず、この作業は、クラッチAssy,ならびにクラッチワイヤーのインナー/アウター、レバー等を完璧に整備した上での改善作業となり、それらを直さずにこの改善を行っても全く意味がありません。
(多少の効果は得られると思いますが・・・)
また、「他店でキットを買ったのだけれど交換方法を教えてほしい」等、当店で扱っているキット以外の商品に関しては、構造の違い等も考えられますので、お問い合わせいただいてもお答えいたしかねます。
今日は、イタリヤの人気スクーターVespaの快適化を行ったお話です。
とにかく、クラッチが重い!!なんとかせねば~!
このブログをご覧になられる方にはご存じの方も多いと思いますが、このVespaというバイク、見た目はスクーターなのですが、国産スクーターのようにアクセルをひねっただけでは前に走り出してくれません。
なぜかというと、このバイクには4速又は3速のマニュアルギヤがあるからです。ってことは、クラッチもあります。
走り出すときは、左手でクラッチレバーを握って→ギヤを入れて→クラッチレバーを離す、という動作が必要です。
ちなみにギヤチェンジは、左手のグリップを回して行います(ハンドチェンジといいます)。
常日頃、私がストレスに感じているのは、クラッチを強化してあるためクラッチレバーが重いという事。クラッチレバーを握るのに大きな力が必要なんです。
まるで、握力を鍛えるための「ハンドグリップ」を毎回握っているような感覚です。
クラッチワイヤーを滑りの良いものに交換したりしましたが、若干の違いはあるものの、「かなり軽くなった~」と感じるほどの結果には至りません。
ツーリングなどで遠乗りを強いられる場合、途中で左手が疲れてきてしまいます。(軟弱者と思われるかもしれませんが、五十代半ばのおっさんには少々きつい状況です)
前置きが長くなりましたが、今回はその重いクラッチを軽くしたい!という計画です。
-----プッシュロッドをギヤ式の物に交換をします-----
早速リジットラックにVespaを乗せてマフラーとリヤタイヤを外します。
タイヤが外れると、フライパンをひっくり返したような格好のブレーキドラムが現れます。
ドラムを外すと、ハブフランジというホイールを取り付けるための部品が出て来ますが、中央のナットを外し、フランジを取り外します。
写真ではハブフランジはすでに外れています。
中心付近にあるボルトに付いている3個のナットを外すことでブレーキライニング(シュー)がついているバックプレートが取り外せます。
バックプレートを外した後はクラッチハウジングカバーが現れますので、ここでクラッチワイヤのタイコを緩めてワイヤーをアームから外しておきます。
ハウジングカバーを固定しているボルト6本を外すと、写真のようにクラッチが見えてきます。
外したクラッチハウジングカバーの裏側(内側といった方が正しいかもしれません)に見える青〇で囲んだ金色(真鍮製)の部品とその隣の部品が今回の主役です。
この部品をギヤ式にすることで、あら不思議!クラッチが軽くなります。
レリーズシャフトを傷を付けないように慎重に引き抜き、先端の穴に入っているニードルベアリングのニードルをすべて外し清掃します。
シャフトが通る穴にはレリーズレバー側にもベアリングが入っています。
レリーズシャフトのОリングも交換します。
レリーズレバーのリターンスプリングを忘れずに取り付けます。
ハウジングに通したシャフトにスプラインの位置合わせをしながらリングギヤを取り付けます。
ギヤキットの説明書にはレリーズシャフトとギヤの接合部にロックタイトを塗布するように指示がありますので、後々の事も考えて中強度程度のロックタイトを塗っておきました。(説明書はこの内容しか記載がありません、そのほかの作業内容は何も書いてないです・・・トホホ・・・)
次にプッシュロッドを取り付けます。
ドラムバックプレートのオイルシールも交換します。
組付けは、外した時と逆の順序で行います。
組みあがったらクラッチワイヤをレリーズレバーに引っ掛けて固定し、クラッチの切れや滑りを確認しながらワイヤー調整を行います。
この改良を行うと、改良前との比較で、レバーがかなり軽くなった感じがします。
効果は使用しているクラッチスプリングにもよりますので一概に数値では表せませんが、私の友人のVespaは、劇的に軽くなりました~。
これで、ロングツーリングも怖くなくなりました。
Vespaオーナー様で、クラッチが重いとお嘆きの方、一度ご相談ください。
*ご注意*
今回の対策は、クラッチレバーの重さを改善することは出来ますが、引き換えにクラッチの切れが悪くなるという現象が起こる可能性があります。
クラッチワイヤーの調整をしっかりと行い、乗り方を工夫すれば大丈夫!と、お考えになる方も多いと思いますが、この更なる対策は試行錯誤しながら現在検討中です。
そもそもの原因となるクラッチAssyを交換する、等の確実な方法もありますが、いかんせん高価で・・・
極力安価で対策できる方法は無いか?と、いろいろ試しています。
結果が出ましたら後ほどこちらのブログで発表させて頂きます。
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