コールマン 530  GI ポケットストーブ  (Coleman 530) | trides-point-autoworks トライズポイント オートワークス    ☆ローバーミニ・欧州車・旧車 整備 アウトドア☆

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こんにちは、トライズポイントオートワークスです。

 

今日は、コールマンのG-Iポケットストーブ モデル530のお話です。

コールマンは様々なストーブ(シングルバーナー)を販売してきましたが、中でもミリタリーバーナーシリーズは変わらぬ人気がありますね。

 

今回ご紹介する530ストーブは、第二次世界大戦後に販売されたものですので、実際に当時の戦地へ向かう兵士たちが使っていたモデルではありませんが、そのコンパクトなサイズや構造には素晴らしいものがあります。

530ストーブにはアメリカ製とカナダ製が存在しています。

 

写真の530は、アメリカ製で46Aの刻印がありますので1946年前期の製造です。

 

A46の刻印が見えます。


 

キャリングケースにもMade in USAと刻印があります。

 

アルミ製のキャリングケースは、上下に分割しそれぞれ鍋になりますし、レンチ兼用になる鍋の取っ手やフューエルファネル(じょうご)、パンケーキを焼くためといわれている鉄板も付属します。

 

クロームメッキが施されたブラス製タンク(ボトムのみはスチール製)には3~3時間半燃焼分のホワイトガソリンが入ります。

フレームはステンレス製ですので錆には強い構造です。

 

さて、早速分解して整備を始めます。

今回も、タンク内部のサビや汚れを確認し内部処理を行います。

 

私はタンク内のサビ取り、中和、洗浄を行いますが、コーティングは致しません。

一度サビてしまったタンクは錆取り剤で処理したとしても100%完全にサビが取り除けるわけではなく、不完全にサビを取り除いた後にコーティングしてしまうと、コーティングとタンクの隙間に再びサビが発生してしまうからです。

こうなると、再びサビ取りをしなければならなくなるわけで、その時にコーティング剤を取り除くことがとても困難になってしまうためです。

コーティングは、行った方が良いというお考えの方もいらっしゃると思いますが、これはあくまで、経験値からくる私個人の考えです。

 

ジェネレータ―/バルブボディ/フューエルチューブ/バーナー/チェックバルブなどのパーツは、カーボンを落とした後にしっかり洗浄します。

各部を点検し、消耗している部品は交換して組み立てます。

 

まずは、ホワイトガソリンを注入しフューエルキャップをしっかりと閉めます。

バルブが閉まっていることを確認し、バルブホイールの90℃左側に位置するクリーニングニードルレバーが上を向いていることを確認します。

タンク内蔵のポンプノブを締めこんだ位置から左回りに2回転ほど緩めます。

ポンプノブの中央には小さな穴がありますので、親指で穴をふさぎながら25~30回ほどポンピングを行い、最後にポンプノブを締めこみます。

 

バルブホイールを1/4回転緩め、クリーニングニードルレバーを下方向に向けるよう回しながら、バーナーにチャッカマンなどの火種を近づけます。

はじめは、赤い大きな炎が上がりますのでストーブを上から覗き込みながら点火してはいけません。

点火しますと、“ブオー”という大きな音とともに燃焼が始まります。

 

点火してから3~5分ほど経過して炎が安定したらバルブホイールを全開付近になるまで回します。

必要であれば、追加のポンピングを行います。

 

私個人的には、この武骨でありながら、メッキを施された造りがとても気に入っています。

 

---こんな時は---

燃焼が安定していなくて、バッ!バッ!と息をつくように燃える場合や、ポンピングがしっかりできているのに火力が弱い時は、クリーニングニードルレバーを回してみてください。燃焼が安定するようでしたら燃料が噴出するノズルのつまりが原因です。

ニードルレバーを操作することでノズルのつまりは解消しますが、症状が頻繁に起こるようですときちんとした整備が必要です。

 

ポンピングをしっかり行っているのに、タンクの内圧が上がらずポンプが重くならない場合、ポンプカップの点検とポンププランジャの先に内蔵されているチェックバルブの機能確認をお勧めします。

 

短時間で炎が弱くなってしまう場合などは、チェックバルブとフィラーキャップの漏れを点検することをお勧めします。

 

--ポンプカップの点検--

ポンププランジャ―のキャップを外すには、小さなマイナス頭のねじ2本かC型のクリップを外します。

プランジャーのキャップが外れるとプランジャーシャフトがキャップとともに抜き取れます。

プランジャーシャフトの先にあるポンプカップを点検し油分が足りないようなら、コールマンリュブリキャントを補充します。革製カップの場合、取り付ける前にポンプカップを指でやさしく均等に広げてあげると良いです。

 

--チェックバルブの点検--

燃料が入っている状態でポンピングを行い、ポンプノブを締める前にノブを押し込んだ状態でノブの中央にある穴を人差し指で軽く塞いでやります。

チェックバルブに異常がありますとポンプノブが押し戻され徐々に上がってきます。(チェックバルブの交換が必要です)

正常ならばポンプノブは押し込まれた状態のままです。

 

--フューエルキャップの点検--

まずは、キャップを締めこんだ際の感覚ですが、キャップを指でしっかりと閉めていったときに急に固くなりカチッと閉まるような場合は、キャップのパッキンが硬化しています。(パッキン交換が必要です)

正常ですと、徐々に固くなりパッキンゴムが潰れるグニョやキュッっという感覚があるはずです。

判断がつきにくいときは、ポンピングの後、石鹸水をキャップにかけて点検してください。漏れが有る場合、石鹸水によって泡がブクブクと現れます。洗面器のような容器に水を張りタンクを漬けてみるのもよいと思います。

 

ポンプノブやフューエルキャップにライターなどの炎を近づけてみると、漏れたガスに炎がついて判断ができる。という話をよく耳にしますが、引火性の高いガソリン機器にそのような点検をすることは、とても危険だと私は考えています。

 

以上、私なりの点検方法ですが皆さんの参考になれば幸いです。

 

当店では、ランタンとストーブの販売や点検修理も承っております。お気軽にご相談ください。

 

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