http://www.bk1.jp/review/0000024062

ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆・・・だけど

<書評>インテリ爺とアバンゲール

今 訳あって手元にはない
だから記憶をたどった漫談調になるだろう

戦前と言えば我々は洒落にならない時代 男は兵役 女はモンペでもはいて挺身隊(軍需工場等での勤労奉仕の事、某国が言う売春等ではない、某国民はエロゲ脳なのか?)、町中が蛍の墓状態だと思いガチ

しかし、戦前には都市にはカフェがあり、映画館、鉄道 洋食、ラジオ、演劇等が溢れていた時代でもあった
永井荷風という 人格破綻者(好意でファンの屋敷の1室を間借りしてたが、夜な夜な家主夫婦の「夜の営み」を覗いていたそうだ)は 下町を散策し 締めにカツ丼で一杯引っ掛ける生活をし、水木しげるの父親は 町で唯一の大学生(早稲田)で しょっちゅう漫談や落語を見ていたそうだ

演劇は映画よりハイレベルな文化だそうだ
演劇や落語は客は既にオチを知っている、だから役者は「いかに上手く演じるか」を意識しなければならないが 映画は常に新作前提だ

岩波は昔 経営危機の時、「ウチは優良な読者が担保だ」と銀行に融資を迫ったそうだ
悪いが私は 中公派だ

ただ 気をつけなければならない部分がある

これは 当時日本では少数派の「都市」文化である事、農村の生活はまったく考慮されていない という事だ
わかりやすく言えば 上海や大連の町並みを見て「中国は既に先進国だ」と言うようなモノ、多数派の内陸部や農村は無視している

これ やっちゃったのが、「戦争論3」の小林よしのり、なんだけどね

当時の農村は洒落ならなかった
白米は贅沢品で 麦飯とカボチャの煮付けがデフォ、凶作や不況になれば 娘売りが横行し、海外に売春婦を送り出していた

当時の日本のジニ係数は0.573 今のアメリカと中国より遥かにヤバイわけだ

あくまで本書は「インテリが見た戦前の都市文化」と解するのが重要である
三つ子のキャットシットワンのブログ-110205_1237~01.JPG


http://www.bk1.jp/product/03001785?partnerid=p-jokai28866

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

<書評>いや 面白いんだけどさ

いや面白いんだけどさ、どうしても本の性格上、結果論になりがちなんだよな
ミネルバの梟は黄昏れ時に飛ぶ、って言うが、戦争は「やってみないとわからない」性格がある以上 結果論でどーこー 言うのは正直 忍びない、と思う

しばしば、戦前のアメリカでは有色人種への偏見や嘲りから 軍事的分析への偏向があった事を指摘されている
例えば アジア人は皆、鳥目だから夜間戦闘が出来ない なんて類だ
だが 当時の日本も 東京帝大(今の東京大学)の博士が、一重瞼で黒目な日本人は白人の目よりも優秀だ、なんて変なお墨付きがあった用に 日本側にも嘲りがあった事を示している

この本は「戦前の日本人が来るべき対米戦をどう考えていたか」に尽きる
より しっかりしたモノが読みたいなら黒野耐の「日本を滅ぼした国防方針」あたりがいいと思う

うーん うまくまとられない

本書を読んだ感想として、戦争は自分を知らなければいけない、という事を感じた

例えば 元海軍少佐の福永恭助は アメリカがいかに莫大な生産能力があっても、軍艦や航空機の製造、訓練を考えれば、数年は掛かるため短期的には驚異ではない とある
それは 事実、実際アメリカの軍事的な体制が整ったのは 1944年頃だ
しかし、その数年をどう稼ぐ?日本もけして資源や生産力に恵まれた国じゃない以上、数年で力を使い果たしたら 後はどーする という考察がスッポリ抜け落ちている

面白いとは思う
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技術立国できるかどうかは、その国の技術思想による。日米中三国の戦後技術史をふりかえりつつ21世紀の熾烈な技術戦争を展望する

http://www.bk1.jp/product/00021534

ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

<書評>日本の強味
一般に日本の製造業の強さは"すりあわせ"(インテグレーション)と比例する、つまり パソコンや家電みたいに単純な組み合わせより 自動車や医療用機械みたいな 部品間の調整が必要な分野に強味をもつと言われている
では、それはいつ頃だろうか

本書には 高度成長期には日本の製鉄所には 様々な国の設備があり、それが調和しながら動いている事がある
これは 新技術(例えばLD転炉)導入の時でも 既存の設備とすりあわせて使える
一方 アメリカではただでさえ新技術導入が遅れただけでなく 新技術が既存設備とミスマッチを起こした結果 技術革新が遅れ 結果日本企業の後塵を拝する羽目になった

これは雇用にも反映されている
日本はジェネラリストを アメリカはスペシャリストの雇用を指向している
スペシャリストは時にプライドが高く、例え自分のやり方が問題があったとしても、なかなか改善しにくい
一方ジェネラリストは労働内容に柔軟性があるため経営もやはり柔軟に出来た訳だ

面白いのは中国
ベトナム戦争中 中国は北ベトナムへ莫大な軍事的援助を行った
だが その物資は何処からきたの?

答は当時の文化大革命で 中国沿岸部の工業が 内陸部へシフトした
内陸部の工業製品がベトナムへ行き、ベトナム戦争が中国工業化を支援した 側面があるという事だ
日本の工業が成功し 中国が失敗した理由の1つに 「整理整頓」がある
工場が綺麗なら、効率はあがるし ガスや油漏れが改善されれば 公害もへる、事故もへる
中国はそれをしなかった

また 中国ではエリートを「現場を知るため」と 現場労働を義務とした
現場では明らかなムダが発生した
筆者は「治さないんですか」と聞く
エリートは「私は見ているだけなのでそれは私の仕事ではない」と

やはり アノ国は何処か抜けている

とにかく 新書でもかなり読みごたえがあるから オススメである
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歴史の原動力は金融だ!ただ、金融はあまり歴史に学ばない。

http://www.bk1.jp/product/03222602

ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

<書評>全くその通りでございます

我々はあまり 進歩しない
80年代、銀行は自己資本に対して高いレバレッジをかけて積極的なリスクテイクをした
結果、中南米債務危機とブラックマンデーという脅威に晒される羽目になった
対抗作の1つがBIS規制、つまりリスクテイクの制限だ
だが 「銀行が」規制に縛られるなら、投資銀行(日本でいう証券会社)がリスクテイクを行った
特に、銀行業と証券業の兼務が禁じられたグラス・スティーガル法が廃止されて依頼 欧米の金融機関は「影の銀行」を使いリスクテイクを行い、そして、敗れた

本書はそんな人間の性"サガ"を扱った本でもある

うーん、何から書こうか・・・・書きたい話が山ほどある

お家の話

何故アメリカは豊なのだろうか?
それは「家」があるからである
例えば30歳で50万ドルで家を買い、60歳で100万ドルで売却する
差額は50万ドル、つまりその分老後の蓄えが少ない→消費に廻せる→経済活性化→住宅価格上昇 という構図が生まれる
この構図は、「住宅価格があがる」という前提で成立する訳だが、アメリカでは住宅をReal estate(真実の資産)という
つまり 人口が増加し、経済が成長する限りは住宅価格が確実に上昇すると誰もが「信じていた」訳だ

そこに目を着けたのが 所謂「サブプライム商品」である

サブプライム商品の面白い所は、商品の担保を不動産に求めながら(ノンリコースローン)、商品の評価を顧客の信用に求めている点にある
顧客は当然社会的な信用が弱い、リスクプレミアムとして高金利が要求される
が、金融機関は「絶対に下がらない」不動産を前提としている、しかもトランシェとか使って信用の高い証券で資金調達をしている(逆に言えば手元にハイリスクなCDOがある訳だ)

結論から言う 不動産価格下落→ローン焦げ付き→回収できね→アボーン な訳だ

まぁ この本は歴史の本だ
書きたい事が多過ぎて ファビョってしまう

とにかく 嫁!な1冊

なんかあったらコメ欄に書くよ
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アフリカ最大の経済力を擁し、グローバル化が進む南アフリカ共和国。一方では、「犯罪天国」といわれるほど凶悪犯罪が多発し、所得格差が世界最高水準になるなど、グローバリゼーションの危険な側面が露呈している。アパルトヘイト脱却後の知られざる現実を赤裸々に描く。

http://www.bk1.jp/product/03195143

ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

<書評>"摩擦的"な国家

アフリカ関係の経済本を読むとある事に気付かされる

アフリカの人件費は高い、と
確かジェトロのレポートにあったが 南アフリカの自動車工の賃金は月に10万円、資料に因っては月収2000ドルなんてある
同じ新興国タイや中国の賃金が月に3万円程度と考えれば「準先進国」並といって差し支えないだろう(ベトナムは確か1万円以下)、下手すりゃ韓国なんかより高い
では 何故アフリカは貧しいのか?

答えは教育にある

教育がない→労働力にならない→労働者が足りない→賃金が高い
となる
また、例えば10人家族でまともな教育があるのが1人だけ、なんて事もあるので その1人が10人分稼がなければ、という事情もある

一方で南アフリカ政府はBEE、エクゼプティブへの黒人の雇用の義務化を外資に要求している
結果、有能な黒人が引く手数多となり 更なる賃金上昇へと繋がる

これが 「教育のある黒人」「教育のある白人」「教育のない黒人」との格差の要因となっている
勿論 教育のない黒人はアパルトヘイトの弊害でもある

経済の世界では 要求される雇用内容と提供される労働力とのミスマッチによる失業を「摩擦的失業」と呼ぶ、例えば 元理髪師がファンドマネージャーに即就職できるか?という話(再教育が必要だ)
南アフリカとは国自体が「摩擦的」本書を読んだ、私の、まず第一の感想はそれだ

では?と思う
南アフリカは経済的には中進国、といっていいだろう
しかし 経済がイビツでもある

例えば農業
普通、経済が発展するほど農業人口は減少する、だから先進国 特に農業大国といわれるフランスやアメリカでも農業人口は人口の5%以下だ
南アフリカも先進国並の5% マレーシアが15%程度とすればやはり変である
南アフリカが砂漠で農業出来ない、というならわかる
が 実際は世界中に農作物を輸出していたりする

答えはやはりアパルトヘイト
人口の大多数の黒人から土地を取り上げた結果、沃土を一部の白人が独占、結果 少人数による「先進国並に効率的な」農業が可能となった
つまり 安い労働力を必要としないわけだ

他にもみるべき点は多々ある
が あまりかくとグダグタになるんで打ち止め

最後に中国との話
南アフリカ、そしてアフリカ最大の金融機関のスタンダード銀行の株式を60億ドルで買収した中国(これは中国の対外投資で最大)
現実はうまくいっていない

中国は有り余る労働力をアフリカへ送り込む
が やはりBEE、つまり現地人使え、という圧力とぶつかるわけだ

世の中なかなかうまくはいかない