技術立国できるかどうかは、その国の技術思想による。日米中三国の戦後技術史をふりかえりつつ21世紀の熾烈な技術戦争を展望する
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ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆
<書評>日本の強味
一般に日本の製造業の強さは"すりあわせ"(インテグレーション)と比例する、つまり パソコンや家電みたいに単純な組み合わせより 自動車や医療用機械みたいな 部品間の調整が必要な分野に強味をもつと言われている
では、それはいつ頃だろうか
本書には 高度成長期には日本の製鉄所には 様々な国の設備があり、それが調和しながら動いている事がある
これは 新技術(例えばLD転炉)導入の時でも 既存の設備とすりあわせて使える
一方 アメリカではただでさえ新技術導入が遅れただけでなく 新技術が既存設備とミスマッチを起こした結果 技術革新が遅れ 結果日本企業の後塵を拝する羽目になった
これは雇用にも反映されている
日本はジェネラリストを アメリカはスペシャリストの雇用を指向している
スペシャリストは時にプライドが高く、例え自分のやり方が問題があったとしても、なかなか改善しにくい
一方ジェネラリストは労働内容に柔軟性があるため経営もやはり柔軟に出来た訳だ
面白いのは中国
ベトナム戦争中 中国は北ベトナムへ莫大な軍事的援助を行った
だが その物資は何処からきたの?
答は当時の文化大革命で 中国沿岸部の工業が 内陸部へシフトした
内陸部の工業製品がベトナムへ行き、ベトナム戦争が中国工業化を支援した 側面があるという事だ
日本の工業が成功し 中国が失敗した理由の1つに 「整理整頓」がある
工場が綺麗なら、効率はあがるし ガスや油漏れが改善されれば 公害もへる、事故もへる
中国はそれをしなかった
また 中国ではエリートを「現場を知るため」と 現場労働を義務とした
現場では明らかなムダが発生した
筆者は「治さないんですか」と聞く
エリートは「私は見ているだけなのでそれは私の仕事ではない」と
やはり アノ国は何処か抜けている
とにかく 新書でもかなり読みごたえがあるから オススメである
