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http://www.bk1.jp/product/03421693

内容説明

「世界中で最も魅力のない求人広告があるとしたら」「火星人と一緒に数週間を過ごしていたら」など意外な話題を入り口に、金融から安全保障までを語り尽くす。巨大な視野によって現代世界の本質へと導く書。

ミツゴ的評価 ☆☆☆

【書評】エッセイ集
何だが大仰なタイトルと著者名だが、基本的にはエッセイ集
そういう意味では気楽に読める1品

本書の主張は単純明快
世界人口の5%に過ぎないアメリカが、世界経済の30% 軍事費の50%、通貨の70%を握る"パックス・アメリカーナ"は既に限界なのではないか?
欧州の疲弊、中東の人口爆発、アジア諸国の台頭といった国際環境の変化下、アメリカが覇権を握る時代は終わりつつある。と

ちょうど昨日のニュースにもあったが、台頭しつつあるBRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)が世界銀行の新総裁候補にナイジェリアのオコンジョ・イウェアラ財務相をプッシュしたとあった
慣例では世界銀行の総裁はアメリカ人、国際通貨基金の理事長は欧州人 とされていた

なるほど、米欧が世界経済の過半を占めていた時代なら この人事も納得だ
だが人口大国であるBRICSが台頭し、中国がIMF出資金を積み増している現状では、早晩 欧米中心の経済システムは時代遅れになるのではないか、と示唆している

さて、アメリカが覇権から転がり落ちる、と何が起きるか?
米国の国力に比して明らかにシェア過剰なドルの価値が落ちる、ドルが基軸通貨から転がり落ちる、と言われている

ドルが安くなるとどうなるか?
1面では米国の輸出競争力が回復するだろう
だが 他面では 貿易赤字を垂れ流して世界から安い資源や物資を輸入する事が出来なくなる
この辺りはマーシャル・ラーナー条件の話になるかもしれない
通常 資源や生活必需品の価格弾力性は低い
資源高だからといって簡単に支出を抑えたりは出来ない 訳だ(ガソリン価格が高くなっても中々マイカー通勤が辞められない、とか)
つまり 来るべきドル安が 米国の輸入コストを押し上げ、輸入品購入の為 コレまでの享楽的な生活を維持できなくなる訳だ

本書は明らかに歴史の流れに価値観をおいている
オバマやプーチンが有能だろうが無能だろうが、米国が資源浪費型経済を転換したり、ロシアの人口減少は止まらない
あの偉大なるウィンストン・チャーチルすら大英帝国の崩壊を止めることが出来なかったではないか!

アジアの台頭と欧米の没落は既に既定路線で 軽々しく「CHANGE」など出来ない、、、、、本書にはあからさまなペシミズム(悲観主義)が流れている、ような気がした
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霞ヶ関某経済産業省前にて撮影

原発村というがテントが2棟 村というかキャンプというか

にしてもケイサン省向かいに財務省があるが 正面の警備だけで5名、、、、、カネかかってんな(ミツゴ確認分)
真ん前の庭だって手入れされてるし 日本庭園の手入れってスゴいカネかかるんですぜ
取りあえず、増税の前にやることあるんじゃねーの?とオモタ

なお ご立派なビルの某省庁では受付嬢等という国家的な浪費は許されず、警備員が代行していたりする

と、攻殻機動隊のアンドロイド(オペ子)な面々を見ていると つい思ってしまった

さて まぁエッセイ集
オモタ事をつらつらと
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内容説明

全世界から巨富を集め、繁栄の限りをつくしたローマ帝国。食卓をにぎわす珍鳥・珍魚、文学に、スポーツに進出する「自由な女」、文化となった愛欲口口。「永遠」をうたわれた巨大文明の興亡の中に現代の超大国・日本の姿を透し見る。

http://www.bk1.jp/product/00620575

三つ子的評価 ☆☆☆☆+☆×0.5(☆4.5コ)

【書評】やや時代遅れの論調

さて 偉大なるローマ帝国は何故滅んだのだろうか?
いくつか説を上げてみる
・長く続いた平和と繁栄の中 ローマ市民が堅実さや勇敢さを失い 堕落した為
・ローマ帝国が拡大しすぎた為 広大な領土の維持 防衛コスト(軍事費)が増大し 社会を圧迫した
・3世紀あたりからの地球環境の寒冷化により ローマの生産力が低下、一方 同じく生産力を低下させた蛮族(特にゲルマン人)が相対的に豊かなローマ領に侵入

他には鉛中毒説や(東方への)貴金属流出による経済停滞説あたりが割と有名だと思う(当社比)

さて本書を読むと 明らかにウォーラステインの「世界システム論(従属理論)」を前提としている事がわかる
世界システムとは何か? 解りやすく言えば 富や技術を独占する先進国(中心)が途上国(周辺)にソレらを投資する
もちろんタダではなく 利息をとる
途上国は利息を支払うために 先進国に輸出をする、しかし途上国は技術的に劣る為、高付加価値製品を作れない
故に 途上国は先進国に配当を払うため 安い製品を 安い賃金で輸出しなければならない
一方 先進国は金融の利益や高付加価値製品の輸出により高い利益をあげる
結果 先進国は途上国に対して有利な立場で貿易ができるし、途上国は何時までも先進国にキャッチアップ出来ない という

さて ローマ
塩野七生あたりを読めばローマ帝国は税金が安かったとある
これは有る意味正しいが ある意味では問題がある

ローマの徴税は徴税請負人という民間業者が担っていた
彼等は属州総督から徴税権を買う訳だが、まぁ商売だからかなり過酷な取立をした
だいたいの利益率が120~200%らしい
つまり属州住人はローマの税金の2~3倍支払っていた事になる
またこの属州総督もくせ者
例えばプルータスは属州アシア総督時に住人にカネを貸している
年利は48%、当時のイタリア(ローマ本土)の金利が5%程度と言われているので 暴利といっていいだろう
また、ローマの富裕層は征服した土地に、やはり征服した奴隷達を使い 農作物の大量生産を始めた(ラティフンディウム)
勿論 大量生産した農作物は大量消費される運命なんだが、当然 大量に輸送される訳だ
ソレを支えたのがローマ街道であり 地中海交易である
交易をする以上、海賊みたいな連中は邪魔であり 連中を滅ぼすために強大なローマ海軍が存在した。

つまりローマの繁栄とは 属州の搾取と軍事力による流通の確保にある
コレはウォーラステインの覇権国家の所業そのもので、例えば大英帝国や現在のアメリカを支えるのは 製造業ではなく、世界への投資からの配当と流通による(イギリスは世界の主要な港湾や運河を制圧していた)

さて、では何故ローマは滅びたのか?
実はこの辺はあまり書かれていない
ウォーラステインは覇権が移転する、と指摘し 本書もローマの覇権がゲルマン人へ移ったと指摘はするが 「何故覇権が移動したのか」については書かれていない。
個人的にはソレが不満

一般に覇権の衰退は軍事力の低下(膨大なコストに経済が耐えられなくなる)により 世界からの搾取が困難になると言える
が やはり指摘がないのは残念


最後に本書の魅力について
数字が頻繁に出て来るのが魅力的
ローマの富裕層の凄まじき生活ぶりがかいまみえる1冊
東京行き高速バスなう
個人的には寝台列車が恋しい

取りあえず 有価証券報告書すら見ずにエルピーダについてなんか書いてみる

エルピーダの件は何かとファナティックになりそうな話だ
半導体というかつての日本の御家芸が
・円高
・新興国メーカー(ぶっちゃけサムスン)
に潰された形

コレは、(円高を容認したとされる)日銀・財務省、(韓国への技術流出を唆した)日系メーカー そして韓国への反感の感情表現へ使われるだろう

でも 芸がないんでなんか書いてみる

まず、会社更正法
民事再生法との違いは 経営者が留任される点にあったりする

なんかエラソーに書いてみる

エルピーダの課題は明白だ
半導体産業がコモディティ化した現在、競争勝ち抜きに必要なのは 技術的アドバンテージではなく 「多額の研究資金、多額の設備投資、大量生産、大量販売」に尽きる
コレで成功したのはサムスンなんだけど

大金をかけて 最新設備を買う
その設備をフル稼働させて製品を大量生産をする
大量生産は生産原価を引き下げる
安くモノが作れるし つまりは安くモノを売れる
安いと沢山売れる、沢山売れれば沢山キャッシュが入る
キャッシュがあれば研究や設備投資が可能になる。。。。。

まぁ要は「ゲンナマとそれを投資に廻せる度胸」という訳だ

事実、エルピーダの坂本社長は「エルピーダが生き残るには市場シェア30%必要」なんて言っている

つまりは、必要なのは現金、現金、現金、だ

現金をどーするか?
普通は借りるか投資してもらう、となるがデフォルトした今では難しいだろう

要は「勝つには現金が必要で現金を融通してもらうには身奇麗になる必要がある」といえる
つまり 借金棒引き+減資(あるいは増資による株式希薄化) だ
要は エルピーダを生産するにしても存続するにしても 株と債権は紙切れになるだろう

もうちょい書く
エルピーダに必要なのは規模の経済である
サムスンに対抗する体力を付けるためにも国内外の半導体メーカーとの合従が必要になる

コレである程度見えてくる
エルピーダの再生に必要な人材は
・カネ集めや企業買収に強く
・設備投資戦に慣れた
人材 と言えるだろう

余談になるが 過日のGMは多額の利益をだし 自動車販売量世界一に返り咲いた
JALは新型機(ボーイング787)を10機購入する所まで回復した

ある意味で昨今は企業の回復期なのかもしれない

エルピーダも流れに乗ってほしいなとおもいつつ