落とした時計の針

失うだけなら

きっと幸せなのに。


僕らはもう出逢わない

滲んだ夜の隙間

君が見つめる世界は

どんな幸せがあるの?

穏やかに死んでいく空

茜に鏤めた星屑

群青に溶け出す太陽も

僕には何も見えないから


何を知ってるの?

何を望んでるの?

僕は何も分からないから

きっとそれが幸せだとも

ちっとも思っちゃいない

打ち付けた心臓が

張り裂けそうに痛むけど

止まったままの時計は

何も言わないんだ


失い始めた

落ち出す砂の音

そこから溢れだすのは、


君を照らす光と

僕を殺す光と

きっと一緒になって

幸せを描くんだ

何処かの世界の物語の様に

僕だけが出逢わずに

動き始めた歯車は

白痴の嘘に呑まれる


僕の世界は

きっと幸せだ、


貴方が映した影を


追いかける私


愛おしいと殺す


諌める感情の隙間で


貴方は立ち竦む


星の舟を背に乗せ


貴方を背負ってまで


其れに価値があるのか


一言が沈んでいく


見ない様に視線を下げて


溶けていく言葉なら


必要としないで


貴方の涙を見つけてしまった


迷子ならきっと良かった


光る鏤めた世界の間


影法師は知っている


貴方が残した全ての意味


私は知らないから


全部を望んで貴方を棄てていく


感情には沿わない


それでも愛おしいと


投げ入れた石が揺らす


水面の向こう側


貴方は笑っている


静かに殺めた綺麗な星空と


愛していたはずの心に。


かき回して、


塞いだ目蓋に落とす


甘い、鈍色のキスを


曖昧に誤魔化して


二人ぼっち


笑いかけた嘘と


もう一度、って


なんでだろうか。


分かってないから


一つ二つ愛を語って


差し出した花束を


回り出す


思考回路の深く


転んでは立ちあがって


噛み付く様に、


傷付けた


愛を。


塞いで


聞こえないふり


見えないよ


それでいい


なんて。


言わないよ


言えないよ。


知ってるんだ


分かってないから


レコードの夢


黒鍵盤じゃ


僕は死んでしまうから


塗り潰すよ


愛は二人の間で


白く溺れていく


なぞる足跡

死んでいく春。

僕らが選んだのは

虚ろに開いた

失い始める嘘、

心なんて

知らないんだ。


それだけしか、

出来ないんだよ

伝わらない

静かに苦しむ

呼吸を止めて、

一秒。

繰り返してばかりだ

いつもの事の様に

繰り返すのに、


辿る指先

殺された僕

君たちが選んだのは

開き始めた

全部の答え

感情なんて

置いてきたんだ


知らなくていいよ

エラーの様に

立ち止る足

詰まり始める声

届かない腕

消えた君は

何も言わないのにね


掴んで、離して、

未完成な世界で

僕は何を言えばいい?


植える言葉

芽吹く痛み

見たい世界は

此処にないんだ

呼吸を止めて

刹那、

きっと僕は死んでいく

今も昨日も明日もずっと。


春は、こない。


天を映す虚空

偽りの像と

二人きりの世界で


切り取ったコトバ

果てを望む風

空と海と雲と世界の間


切り裂いた闇は

僕が知っている全てを

裏返して笑う

どうってことないさ、


そうであるなら。


痛みを伴う嘘を

区別する様に分けて

目蓋を押し上げる

その奥に隠した

本当の言葉は

何を生み出すのか


青に溺れる孤独を

偽善の優しさに零す

触れたそれは

本当にそれでいいの?


飛び出した

それが、君が、空が。


壊死する細胞

開かない目蓋と

光を拒む瞳を開けて

僕が望んだ答えが


切り裂いた全ての先に

ある筈なんだと。