声を出す様に

その手を握り締める

どうしても会いたいのに

どうしても傍にいたいのに

どうしても叶わない

どうしても笑えない


雑音に混じる様に

救いを求めて

喘ぐ僕の心臓と

君が届けるたび

僕が背負うものが

酷く重く感じて

俯き首を横に振る

届かないんじゃない

聞きたくないだけで


この言葉が

この声が

この音が

生きる為の

脈拍を重ねて

冷えていく

頭の中

鏤めた思いも

消えたくはないのに

どうしても言えなくて

どうしても泣けなくて


其処にあるなら

此処にあるなら

僕はまだ踏み出せる

そんな強さも

そんな弱さも

何処にもなくて

でも此処で生きて

僕がいるんだ


一人ぼっち

白いキャンバスは

僕を責めてる

埋める、

望む

痛みを伴う

傷口の再生


「所詮そんなものだよ」


何も与えられない

言葉の救済と

不誠実な心の声と

望んでいたくなる

望んで居たくなる

望んで痛くなる

それでもいいだなんて

思わない声

思えない声

忘れたくはないよ


「どうせ、」


誰も救われないなら

誰も救わないなら

枯らした声も

掠れた声も

不明瞭な世界で

押し開く目蓋

途切れたテープ

どうせ、そんなものだって

言わなくても分かってる

繰り返すエラー


一人ぼっち

眩暈で溺れる

そんな音の中じゃ

何も残らないよ

足踏む、

踏み締めた

アスファルトの海、

雑踏の波を

潜り抜ける

きっとそれだけが

正解じゃないのだろうけど


踏み出した足も

一人ぼっちの心も

埋め合わせた

『僕』を創る


ちゃんと

呼吸をするように


分からなくなって

ふと振り返る

そこに残った足跡と

呟いた言葉の重さと

この世界は僕の両手に

どれだけ触れているんだろう


飛び出そうとした背中は

羽が折れた嘘の様に

柔らかに宙に浮かんで

笑えない冗談も

淡く色付いた爪に弾かれた


最後まで夢見て

溢れだしたものも

きっと大事なもの全てが

変わっていく世界を

見守る様に手を振るんだ


分からなくても

此処に確かにあるものと

二人ぼっち手を握って

笑い合う様に涙を零した

振り返った表情は

温かな温度に包まれて

君を静かに待っているから


それでいいんだよ

今はまだそれで

考えるだけ無駄だと

頬に添えた手に

涙を伝わせて

震えて笑えない嘘も

君が愛した世界も

傷付いた言葉を

いくつか並べて


弾いたものが全部

両手で掬えなくても

救われるせかいであるように


そんな世界で

僕は生きるんだ


何を探しているの?


何を求めているの?


僕は僕でしかないのに


君は君でしかないのに


同じ様な顔で


同じ様な声で


同じ様な話を


何度も繰り返した


同じなら一人でいいのに


同じなら一つでいいのに


この箱の中に入ってるのは


この言葉の中に入ってるのは


きっと誰も知らない


僕だけの世界で


それは誰も知らない


僕だけの嘘だった


前を向く事は

意外と容易く


振り向く事は

意外と難しい


知る事は

意外と簡単で


気付く事は

意外と難しい


忘れる事よりも

思い出す事は難しく


人を好く事より

人を嫌う事のほうが難しい


寂しがる事より

楽しむ事が難しく


悲しむ事より

喜ぶ事のほうが難しく


その瞳に涙を浮かべる事より

瞳に笑みを乗せる事のほうが難しい


そして叱る事より

褒める事のほうが難しく


悪い事よりも

善い事のほうが難しい


どうしてか忘れがちになる

世界の話の中で


私は私を見つける事を

難しく思ってしまった


本当はどれも容易く

またどれも近いものであるのに