今回のテーマはサーフェイサーです!

 

このページをご覧になっている方は、既に色々と検索をして情報収集されている方も多いと思います。私も塗装を始めるにあたりガンプラの初心者向け講座などを色々と読んだのでみました。そして、「下地塗料にサーフェイサーというものがあるらしい、でも使った方が良いのか・必要ないのかイマイチはっきりしない。。。。」

という事態になりました^^;

私の経験で語る事になりますが、ゾイドワイルドを塗装するにあたってのサーフェイサーについてご紹介したいと思います。

 

 

サーフェイサーの役割

※以下サーフェイサーの事をサフと略します。

 

1.塗料の食いつきをよくする

サフはサフの上に塗った塗料を剥がれにくくする効果があります。

とはいうものの、ゾイドワイルドのABSはラッカー塗料(スプレーは全てラッカー塗料)がしっかり食いつくので、あまり実感はしにくいです。シルバーやメタリック塗料などは食いつきが悪いものもあるので、サフ処理をするとお守りになります。

 

2.傷を見つけやすくする

サフ(特にグレーを)を使用するとパーツの陰影がハッキリとするため、パーツの傷を見つけやすくなります。

ゾイドワイルドのパーツ傷といえばゲート跡ですね。成型色そのままだと気にならない事も多いのですが、サフを使用するとハッキリと浮き上がります。

とはいっても、ゲート跡はサフなしでもはっきりと見えるのでサフを使用したから見つけられたという事にはならないです。ゲート跡やパーティングラインの処理(ヤスリ掛けやパテ埋め)がしっかりできたかを確認するには有効です。

 

3.細かい傷を消してくれる

細かい傷とはヤスリ掛けした跡の事で、800番くらいのヤスリ跡なら消してくれます。ただ、ゲート跡のエグれなどは流石に消せません。また、サフでヤスリ跡を消さなくても1000番以上の紙ヤスリ(私のおすすめはウェーブヤスリスティックフィニッシュ)で綺麗に仕上げられます。

 

4.光の透過を防ぐ

プラスチックは透明でなくてもうっすら光を通し、その透過光がプラスチックっぽさ、おもちゃっぽさを生みます。サフは隠ぺい力(下地の色を隠す力)が高いので、サフを使用すると透過光を無くし重厚感を得られるようになります。

とはいうものの、ゾイドワイルドのプラスチックは肉厚で成型色も濃いものが多くいので透過光がほぼ無く、私が透過光を気にしたのはトリケラドゴスくらいです。

トリケラドゴス 塗装

↑明るい色のプラスチックや塗料は光を通しやすいですが、サフで遮光する事により透過光を無くし質感があがります。

 

ここから重要!

 

4.上塗り塗料の発色を良くする・コントロールする

塗料はカラーごとに隠ぺい力(下地の色を隠す力)が違います。例えば赤は隠ぺい力が低いため、青い成型色の上に塗ると下地が透けて紫になってしまいます。白色サフで下地を白にする事で綺麗な赤色を塗ることが出来ます。サフの色をグレーにすると、同じ赤色塗料でも暗い赤に仕上がります。

スプレー塗料は色数が少ないですが、下地色で色見をコントロールする事ができます。

 

5.成型色の違うパーツの色見を揃える

スコーピア 塗装

↑のスコーピアは装甲(成型色赤)と脚部骨格(成型色黒)を赤く塗っています。

パーツにそのまま赤色を塗った場合、下地色と隠ぺい力の関係で装甲は明るい赤、脚部は非常に暗い赤になってしまいます。サフは隠ぺい力が高いので成型色の異なるパーツの色見を統一させることができます。その上から希望の色を塗る事で成型色の違うパーツも同じ色に統一して塗装する事ができます。

 

6.ABSへラッカー塗料が浸透する事を防ぎ破損を防止する

これが最も大きな利点です。

ゾイドワイルドに使われているプラスチック「ABS」は、パーツにテンションがかかり白化しているようなところ(目に見えないレベル含む)に水性以外の塗料を塗ると、塗料がABSに浸透して脆くなり、最悪の場合割れてしまいます。サフ処理をすることで、パーツ表面が保護され破損を防止する事ができます。

 

7.デメリット 塗膜の厚さが増えてダルい印象になる

サフを使用すると、塗膜全体の厚さはサフ+上塗り塗料となります。塗膜が厚くなると細かいモールドが潰れたり、シャープさが失われダルい印象になってしまいます。

ゾイドワイルドはスジ彫りモールドが太く深く、基本的にモールドが潰れるたりしないのでそこまで気にしなくても大丈夫です。ただ、白サフを使用する場合は注意!白は隠ぺい力が最も弱く何回重ねても真っ白にはならないので塗膜が厚くなりやすいです。

そういった場合は塗膜の厚さを計算し予めモールドを深く掘ったりエッジを立てたりする対処法があります。

 

まとめ

表面処理をする場合や骨格と装甲の色を合わせる場合、成型色から色を大きく変えたい場合はサフの使用はほぼ必須です。

表面処理をしない場合でも、ABS塗装への安心を得るためにも私はサフの使用をおすすめします。

参考にお話しをしますと、私はサフなしで塗装した事もありますが特に割れたりはしませんでした。ABS破損リスクがある行為なのでおすすめは出来ませんが、塗装の経験を通じて「大丈夫かも」と思ったらサフ無しで塗装してみても良いかもしれません(自己責任でお願いします)

 

サーフェイサーの選び方

サーフェイサーは各メーカーが販売していますが、どこの模型屋にもだいたい置いているクレオスのMr.サーフェイサーがおススメです。

 

サーフェイサーには500番~1500番までの番手があります。

番手が小さいほどキズを埋めやすくなりますが仕上がりが荒く、番手が大きいほど傷を埋めにくくなりますが仕上がりがなめらかになります。特に表面処理をしない場合は、それぞれのカラーで一番番手が大きい物を使用すれば問題ないです。

 

グレー

 

最も標準的なカラーです。

 

ブラック

 

上塗り塗料の仕上がりが暗くなるので、渋めに仕上げたい場合はこちら。

メタリックカラーの下地に使用すると重厚感が増し、反射光が増えよりメタリックになります。ただ、好みはひとぞれぞれなので、こだわらず色々試してみると良いと思います。

 

ホワイト

 

黄や赤など隠ぺい力の低い色を塗装する時に使用、発色が良くなります。

成型色が違うパーツの色見を揃える際は注意!ホワイトは隠ぺい力が低いので何度重ねても色見が揃いません。先に隠ぺい力の高いグレーサフを使用してからホワイトサフを重ねるなどの対策があります。

 

マホガニー

 

茶色のサフです。陸軍系のミリタリーカラーと相性が良く、深みを与えます。

 

 

サーフェイサーの吹き方

テキストよりも動画のほうが伝わりやすいので動画をどうぞ。

 

4:10~からスプレーサフの吹き方が紹介されています。

 

↓のようにノズル部分に5円玉を挟むと、一度に噴き出す量が減りタレにくくなります。

塗料の節約にもなりおすすめです。

 

 

次回はスプレー塗装編です!