今朝は日の出前にお彼岸のお墓参りへ
お墓へ行くと幾つかのお墓にもお花があり
皆さんもお彼岸参りに来られたのかと
私もうれしい気持ちになった
私の住む富山県西部地区は呉西と呼ばれ
富山市の呉羽山を境に富山を西と東に
分けてこう呼ばれている
呉西地区は石川県の金沢が近いことから
加賀百万石の時代に栄えた歴史と文化、
伝統工芸が今でも多数、継承されている
この事を書くとキリがないので本題へ 笑
私が住む南砺市(なんとし)はその中でも
仏教(浄土真宗)の信仰心がとても深い
その昔、京都から蓮如上人が来られ
瑞泉寺という大きなお寺を創建
蓮如上人はこの地に浄土真宗を
広められたカリスマ的存在
そしてこの地域にある「土徳」という言葉
簡単に言うとそこにある自然、風物、周囲の
人々全てに感謝を持った生き方
他者を敬い村に安寧をもたらし、それでいて
何も求めない品性、品格
私は小さい頃、祖父や祖母、両親、
近所の人がお互いに感謝し合う言動を
いつも見ていました
畑で取れた野菜を分け合ったり
旅行のお土産を贈り合ったり
この地の人々の人生に対する態度を
一言で表現するとこの感謝の気持ちです
自分の幸福に感謝しているだけでなく
全方位、ありとあらゆるものに感謝して
いるのです
「仏さま」だけでなく「人さま」という
言葉もあるほどですから
やはり蓮如上人の影響によりこの
他力の思想精神風土が栄えました
他力とは自我を主張するとか個人主義とか
自分だけ得すればいいという考えとは反対に
生きること自体を
「おかげさま」
と人々が互いに感謝すること
南砺市に住む私達は「土徳」について
自覚がありませんがやはり他の地域とは
明らかに違うことは分かります
家に遊びに行ったのに逆によく来て
くれたと感謝されます 笑
世界的に有名になった版画家の
棟方志功(1903-1975年)
棟方は戦時中に疎開のために南砺へ
来たのですが作品が急に良くなりました
宗教哲学者の柳宗悦は、南砺へ来てからは
仏さまの画が多くなり『我』が消えていると
評価されたそうです
そして、棟方がこの地から受けた目に
見えない影響力を「土徳」と名付けました
本来「土徳」は普遍的に世界中
どこにでもあるはずのものです
土徳のないところはありません
世界中の文化はすべて、その地域に
生かされて生まれるもの
そういうことを自覚させるものが
この地の精神文化にあります
ここ数年は祭事・神事が行われていませんが
文化・歴史を学び感じる機会をこれからも
守り継承させていかなければと思います
土徳が根付く風土
南砺市へ是非お越し頂けると幸いです♪