インターネットで遠隔の音楽セッションや練習ができた。ライブもできそう。 | グラ山ギターのブログ

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毎週健康のために山登りをしています。低い山ばかりですが播磨の山々は岩山が多く景観がすばらしい所が多いです。山頂などで演奏しています。 井上陽水のカバーが多いです。
暑い時期は山登りは控えています。

10年古い私の頭の中では、ネットでは音の遅延が激しくて音楽ができないというのが常識になっていた。
ところが、今ではネット環境が1Gbpsになり、ヤマハの「NETDUETTOβ2」というアプリを使えば、離れた場所とでもPCで音楽セッションが可能なレベルになっている。驚きだ!
 
私が住む兵庫県は、コロナ感染拡大阻止に向けて緊急事態宣言が適用された地区です。
緊急事態宣言がされる前に、政府からのライブハウス営業自粛要請に応じて近くのライブハウスも毎週1回だけの営業でしたが、3月の2週目から休業になり、さらに当面の間休業が続く予定です。
 私共のグループは毎週練習をしてはそのライブハウスに足を運び、他の音楽好きの仲間と酒を飲みながら楽しんでいましたが、コロナ後はすっかり交流の機会もなくなり、家の中で一人で練習している寂しい生活をしていました。
 仕事の方も他県に数回/月移動してやっていましたが、コロナ騒ぎで電車に乗ることもなくなってしまい、ようやくテレワークで対応できるようになり、仕事が再会できるようになりました。テレワークで色々なWeb会議システムを検討しているうちに、ああ今はこんなこともできるのかと感心していました。
 で、Web会議と同じようにグラ山ギターの相方とネットで練習できないかと試してみました。
 まずは、グーグルハングアウト。gmailアドレスを取得し、chromeブラウザで
https://hangouts.google.com/
にアクセスします。(chromeブラウザは古いバージョンでは、ハングアウトが使えないことがあるので、最新バージョンにした方が良い)

ログインは取得した****@gmail.comでログインしてから使用します。詳しい操作はネットで調べてください。
ハングアウトでビデオ接続すると、映像と音がやり取りできます。
この状態で演奏してみました。
相手の音がかなり遅れてくるので、それに演奏を合わせるのは全く無理でした。Web会議システムでは音の遅延は100~300ms(ミリ秒)の遅延が発生するそうです。
音速は340m/sなので200msの遅延は340*200/1000= 68mの距離に相当します。2人が68m離れて同時演奏しようとするのと同じです。これは無理です。
そこで何か音楽に適したネットアプリが無いか探してみたところ、ありました。ヤマハの「NETDUETTOβ2」です。
https://www.netduetto.net/
現在はβ2版が最新で早速アプリをダウンロードしてセッティングしました。
最初の結果は遅延が大きくて使いものになりませんでした。
ヤマハのQ&Aを見るとWIFIを使うとその変換遅延が追加されて音の遅延がさらに遅くなると記載してありました。そこで、光回線の端末から直接イーサーケーブルでPCに接続するように、私も相方も変更してトライしたところ、遅延は30msec以下になりました。
30msecは距離10mに相当します。これぐらいの遅延なら、なんとか音楽セッション出来そうです。何曲か練習しましたが、ほぼ問題無く演奏できました。
 
先にNETDUETTOで双方ルームに入って音が確認できたら、chromeを立ち上げ、hangouts.google.com/にアクセスして、ハングアウトで接続すると、映像も同時に繋ぐことができます。但し映像はデータ圧縮やデコードに時間がかかるため、音より遅れてずれた感じで見えます。
 
この時のNETDUETTOの設定は下記に記します。
win10の設定でシステムーサウンドー出力、マイク入力のデバイスを選択し、追加のデバイスで、マイクのプロパティの「聴く」タブで「このデバイスを聴く」のチェックを外し、レベルタブで音量調整、詳細タブで44.1kHzか48kHzを選択します。
排他モードは両方チェックを付けます。
NETDUETTOを立ち上げ、左上のギターのマークの下にある空欄にユーザー名を入れます。次に左下の「設定」ボタンを押しオーディオデバイスの項目を
 WASAPI排他モード
 マイク(VIA HD Audio)、Headphone(VIA HD Audio)
 48000Hz
 バッファサイズ192
画面右側の基本音質設定は
 高(44/48kHz)
 非圧縮
 1ch
と設定して、OKを押します。
NETDUETTOの画面で
 ルーム名:グラ山ギター練習
 パスワード:****
  公開設定:非公開
と入力して、「ルームを作る」を押します。
相手方には、ルーム名とパスワードを連絡し、左上の参加者名を入力してから、
「ルームに入る」ボタンを押すとこれで2人で同時に演奏できます。
NETDUETTOの起動時に画面下方に「デバイスの開始に失敗しました」と表示が出る場合は、マイクの接触不良の際に発生することがあるので、その際はNETDUETTOを一旦終了させて、マイクを指し直してNETDUETTOを再起動してください。
 
NETDUETTOでセッションをする際に、最低限注意すべきこと
➀光ファイバー回線であること
➁WIFIは通さずに、有線でイーサネットをPCに繋ぐ
➂WASAPI排他モード使う
④非圧縮でデータ転送
 
更に遅延を改善するには?
➀ASIO機能とADC-USB機能のある外部オーディオインターフェースの追加
➁ASIOドライバーをインストールしてASIOモードを使う
で、さらに遅延が少なくなるとのことです。
追加要望機能
➀光(表示)で点滅する、同時刻メトロノーム(遅延時間を補正して同期)
指揮者代わりとしてこの機能があれば複数人で演奏しやすくなる。
 
その他気が付いたこと
➀マイクをPCのマイク入力端子に繋いで使用すると、マイクのゲインをほぼいっぱいに上げないと音量不足になるが、サーというノイズも気になる。
 ↓
マイクアンプで増幅してからマイク入力端子に入れて使うとSNは良くなる。
 
――追伸――
後日ZoomとNETDUETOβ2を組み合わせてみると、音声がでなくなったりして、相性が悪かった。
今のところ、映像はハングアウト、音声はNETDUETTOβ2の組合せが遠隔練習用として安定している。
 
回線業者の組合せでも遅延や音質の状況が違う。
➀NTT隼1G(戸建て)-eo1G(戸建て)
  4月はいつでも安定して遅延は30msec程度だった。
  6月は夜20:00~23:00は100msecほどになり練習にならない
      昼13:30~16:00はまだ30~50msecで使える
➁NTT隼1G(戸建て)ーNTT100M(マンション)
  6月の段階で夜20:00~22:00でも安定して30msec程度
  であったが、時々ノイズが入る。 
 
――追伸2――
6月以降はNETDUETβ2の後継のSyncroomがリリースされたので、最近はSyncroomを使用している。
音の途切れや遅延について、さらに改善されているように感じた。