毎月恒例のフライト訓練、今月は空港はセントレアに戻って低視程をやりました。霧の中のアプローチ。つまり計器をたよりに進入するのです。これがね、なかなかに難しい。1時間半で久々にヘトヘトになったのでした。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
低視程
霧や雨などで視程が悪い時、空港も見えないのにどうやって滑走路に向かって降りていくのか…
ILS(Instrument Landing System:計器着陸装置)という設備があるのです。
空港の滑走路の端から電波を出して、それによって飛行機を滑走路まで導いてくれる設備。
滑走路に対して横方向のコースを示してくれる、ローカライザー、
縦方向のコースを示してくれる、グライドスロープ、
この2つの電波を飛行機で受けて、それぞれのコースからのずれを見ながら進入する。
外は霧で見えない状況で、計器だけをたよりに進入するわけです。
これがね、なかなかに難しい。
以前に一度やったことはあるのですが、まともにコースに乗せることさえ難しいのです。
さて、どうなりますか…
Cat1
Cat1(カテゴリー1、計器進入の基準のひとつ)の低視程。
RVR(滑走路視距離)550m以上、DH(決心高、着陸するかどうか決める高度)200ft。
200ft(約60m)の高度まで降りて滑走路を視認、安全に着陸できると判断したら、着陸。
200ftということは、滑走路まで0.6nm(約1kmちょっと)ですね…
風は、ほぼ正体風(正面からの風)20kt。
実際飛んでみると…
ダウンウインドから空港の明かりがぼんやりと見える感じ。
そして風が20ktあるとね、速度の維持が難しいんです。
VR
離陸時、3つの速度があります。
V1(離陸決心速度、離陸するかどうかを決定する速度)
VR(引き起こし速度、離陸する速度)
V2(安全上昇速度)
V1で、離陸するかどうか決定する。つまりそれまでは、離陸をやめることができる。
そのため、片手(右手)はスロットルに置いておきます。
コーパイさんの「V1」のコールでその手を操縦桿に。そして「VR」で引き起こすのですが…
異常に遅いのですよVR速度が。130kt(時速約240km/h)くらいなのです。
ほんとうに合っているの? と思ってしまいます。
もうちょっと待ってみよう、と様子を見ていると、機体が自然に浮かんできます。
やっぱり合っているんですね(あたりまえ)。
機体重量が相当に軽い設定なのでしょう。
そしてV2で「ポジティブ」と、機体が上昇していることをコールしてくれるので、
「ギアアップ」とコールして車輪を格納してもらいます。
速度
書いたように、風はほとんど正体の20kt程度(秒速10mくらい)。
この日の実際のセントレアも、このくらいの強風でした。
滑走路上延長線上では向かい風ですが、そこからダウンウインドへ180度旋回する。
速度がね、難しいのです。
そもそもレベルオフ(上昇から水平飛行に移る操作)が難しい。
高度はいいのですが、速度が…
ターゲットスピードをオーバーするのですよ。なぜ?
「どうしてこのパワーでこの速度?」ってなる。
風があるので速度が無風とは違うことは予想できるのですが、どう違うのかが難しい…
そのほか視界が悪いほかは普段通りです。
書いたように、ダウンウインドから空港の明かりがぼんやり見えます。
海面は、1500ft(450mくらい)の高さからだとかすかに見えるか見えないか…
ファイナルへ
アビーム(滑走路末端の延長線上)を過ぎてギアとフラップを降ろし、35秒でベースターン。
いつもの手順です。
そしてファイナルへ。
どうやってやるのかというと…
ND(ナビゲーションディスプレイ)でファイナルコースまでの距離を見て、
0.9~0.8nm(1.5kmくらい)になったら滑走路へ向けて旋回開始。
トレンドベクター(旋回の行き先を示してくれるガイド表示)を見てバンク角を微調整。
ILSのポインタをキャプチャーして、パスとコースを合わせる。
ファイナルへ向ける頃にはアプローチライト(進入灯)がかすかに見えています。
でも、それをたよりには進入できないですね。「なんか光があるな…」程度ですから。
なので、計器をたよりに降りていくしかない…
視程を
「もう少し視程落とせますか」とリクエスト。
Cat2相当まで落としてもらいました。
ダウンウインドから空港は…、まったく見えません。
ファイナル500ft(高度150m)くらいでアプローチライトが見えてくる感じでしょうか。
それでも、ジャストミニマ(ぎりぎり)ではないですよね。
ミニマムのコール時には滑走路はちゃんと見えているわけですから…
計器をたよりに
パスは…、グライドスロープのポインタと姿勢(ピッチ)、降下速度計を見て合わせる。
姿勢、グライドスロープ…
なかなかピタリ真ん中にならないのですよ。
コースは…、ローカライザーとNDのヘディングを見ながら合わせます。
HDG356度が、滑走路磁方位。左右のずれを見ながら方位を微修正していきます。
書けば簡単ですが、実際やってみるとそんな簡単ではないのです。
GCA(グランドコントロールアプローチ)というのがあります。
地上の管制官が、「ちょっと高い」とか「もうちょっと右(HDG358)」とか指示して、
それにしたがって降りていく精密進入なのですが…
もしかしたら、あれをセルフでやっている感じなのかもしれないですね。
しかも、あわせて速度も管理しなければなりません。
姿勢
難しくさせている要素のひとつが…
姿勢がね、止まらないのですよ。止めるのが難しい。
たとえばピッチ2.5度(機種上げ2.5度)にしたいとするでしょ。
そこで止めることが難しい。
わずかずつ動いてしまう。
バンク(傾き)も、一度合わせても動いてしまうのです。
風もありますし機体には慣性もありますからね。
つねに監視して、微修正していくしかない…
それとも、操作がまだ大雑把すぎるということなのでしょうか…
2回ゴーアラウンド。
「ミニマム」のコールでPAPI(進入角指示灯)が赤4つまたは白4つだったらゴーアラウンド、
そう決めていたのです。
パスは、高くなることが多かったですね。
降下開始時期が不正確ということなのでしょう。
ダウンウインド幅とか意識できてなかったですね。余裕がない…
あとは、どのくらいのずれがどのくらいの修正で直せるのかが、まだつかめてないですね。
高度やパス、速度やコースがなかなか直らない…
管制官
ところで、この日コーパイをやってくださったのは、元管制官の方!
「ATC(無線交信)もやりますか?」と…
そこまでの余裕はまだないし、だいいち手順も知らない。
手順は…
ダウンウインドでタッチアンドーゴーまたはフルストップをリクエスト。
すると管制から「Report Base」(ベースまで来たら教えてね)などと指示が来る。
で、リポートすると、クリアランス(許可)が来るという感じなのだそうです。
なるほど。
管制官さんって、国交省の人と防衛相(自衛隊)の人といるのですが、国交省の方でした。
15回転勤したのだそうですよ!
管制官ってそんなに転勤あるのですね。2~3年に1回は転勤してるってことですよね…
セントレアにもおられたそうです。
次回への課題
修正を素早く正確にする
ダウンウインド幅を意識する
1.25nmのサークルがファイナルコースに触れた瞬間の高度は1030ft(35秒の場合)。
3度の降下速度の計算…
これ、グランドスピードの5倍と認識していたのですが、これの計算根拠は…
たとえば20m進んで1m下がるとだいたい3度パスだよ、という、大雑把な計算によるもの。
ほんとうは三角関数とかで計算しなければならないのでしょうね。わからないぞ…
より正確には、グランドスピードの5倍の6%増し。
さて、次回も低視程?

