吹奏楽指導、たとえば呼吸法や奏法、たしかに都市伝説的な言説が少なくないのかもしれません。でも、なにを拠り所に指導をするのか、そもそも吹奏楽指導って一体どれほどのスキルを必要とされるものなのでしょうか。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
楽器のこと
吹奏楽指導のスキル…
まず、各楽器のことがわからなければなりませんよね。
自分が専門的にやってきた楽器のことなら、まあわかる。
でも、それ以外の楽器となると…
もちろんぼくは金管楽器の運指は全部わかっています。
でも、では、どんな替え指を、どの程度の頻度で使用するのか、これは通常の替え指なのか、
そういう話になると、正直難しいところもあります。
うまく行くならそれでいいじゃん、という話でもあるのかもしれません。でも…
奏法の偏りをおかしな替え指でカバーするようでは、健全とは言えません。
さらにそのほかの木管楽器や打楽器のことになると…
ある程度の知識や奏法のことは知っているけれど、
では自信を持って指導できるのかというと、なかなかそうとも言えなかったり…
なので、どこまで行っても疑問は絶えないのでした。
奏法のこと
そして、奏法。
管楽器でいったら、呼吸法などは共通するところですよね。
もちろんでも、各楽器ごとの特有の問題もあります。
そして呼吸法と一言で言っても、プロ奏者の中ですら議論の分かれるところがあったり、
一見反対の考え方があったりもする問題なのです。
もちろん未だに「おなかに息を吸いなさい」とか「肩が上がってはいけません」とか、
そんな前近代的なことを言っているようでは論外です。が、
では、トッププレイヤーが言うことが必ずプラスになるのか、誰にとっても益になるのか…
必ずしも、そうとも言えなかったりもしますよね。
なら、呼吸や奏法で、どの筋肉がどのくらいどんなふうに働いているのか、
それらがすべて科学的に解明され数値化できれば指導にプラスになるのか…?
必ずしも、そうとは言えないですよね。
科学は、所詮は科学でしかないのです。
人間の感覚の方が優れていたり伝わりやすかったりする部分も、少なくないように思うのです。
呼吸ということで言えば、声楽の先生方に一日の長があるようには思いますね。
なにしろこんなふうに、呼吸ひとつ取ってもとても奥が深いのです。
スコアリーディング
そして、楽曲のことがわからなければ指導できません。
スコアを読めること。スコアリーディング。
これだって、一言で済ませるにはあまりに奥が深すぎるテーマなのですよ。
楽器の使い方から和声、いろいろな書法やアーティキュレーションなどの指示、形式…
読んでも読んでもまだまだ奥がある、まるで宇宙みたいなものなのです。
スコアが読めて、しかも、そこに書いてあることを全部歌って聴かせてあげることが出来るか…
さて、出来ますか。
おまえは出来るのかと言われますか。さて、出来るかな…
なにしろつまりそう考えると当然、ソルフェージュ能力だって要求されるわけなのです。
もちろん合奏を振るからには、指揮法だって出来なければなりません。
でないと、合奏作れませんからね。
いい指揮を振られる先生、なかなかおられないでしょ…
音楽のこと
そして肝心な、音楽のこと。
いろいろなスタイルや語法、解釈やご作法…
これなんか、音楽大学で教わることだけで事足りるのか…
足りるようには全然思われません(汗)。
一体どれだけ勉強したら事足りるのでしょうね吹奏楽指導って…
どんなに行ってもまだまだ足りない。全然足りないとしか思えない。
しかも、そんな音楽大学で習ったような話をたとえばそのまま中学生にしたって…
まあ絶対伝わらないでしょ!伝わらないんですよ。
優れた指導者さんって、生徒が理解できないような話なんか絶対にされないのです!
それではただの独りよがりですからね。おおいに自戒を込めますが…
でも、独りよがりな指導者さんっているでしょ。
吹奏楽指導って…
なにしろつまり、楽器のこと、奏法のこと、音楽のこと、その組み立て方、指揮法、心、
それだけではなくて、その伝え方、作り方、そういう技術や話法も要求されるのです。
こんな大変なことって、ほかにあるでしょうか!
中に入って演奏していた方が、どれほどラクか…
いやぁ、吹奏楽指導ってほんとに、大変ですよね、という話になってしまいました。
こんなところに着地するつもりで書き始めたんだっけか…
でもね、いい先生って、音楽をほんとうに心から楽しんでおられますよね。
もしかしたらここ、ポイントかもしれません。
さて、吹奏楽指導、大変だとは思われませんか!
