今月のフライト | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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昨日はセントレアに、またまた飛びに行ってきました。今回でトラフィックパターンは卒業にしようと思っていたのですが、結論からいうと、飛べるようになればなるほど、まだまだだなぁという感を強く持ったのでした。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  トラフィックパターン

 

今回も、セントレアでトラフィックパターンをやりました。
1500ftでダウンウインド幅2.5nm、1000ftで2nm、750ftで1.5nm。
前回、事前の計算が通用しないと書きましたが…
今回飛んでみて、結論からいうと、計算はすべて正しかったのです。
計算通りに飛べないのは計算が間違っているのではなく、
計算通りに正確に飛べていなかったのですよねやっぱり。
ダウンウインド幅がね、まだ誤差があるのです。
旋回時の速度が乱れるということもあるのでしょうが、いちばんの原因は…
アップウインドのヘディングが不正確。
 

 

  アップウインド

 

アップウインドレグとは、離陸上昇していく部分のことを言うのですが…
テイクオフパワーで離陸、15度ピッチへ。ポジティブ確認後、ギヤアップをオーダー。
所望の速度(185kt)を維持できるよう、ピッチを上げて行く(22度くらいまで)。
決められた高度へレベルオフの操作をおこなう。トリムも取る。
タスクが多いのです。
と、なかなかヘディングにまで意識が行かないのですよね…
ヘディングが狂えば、正しく旋回してもダウンウインド幅に誤差が出るのです。
まだ誤差10%くらいでしょうか…
 

 

  クロスチェック

 

諸元は、速度の狂いがまだ多いですね。
「速度が狂い気味ですね」と指摘されてしまったのでした。
そして、やっぱり旋回で高度が狂いがち。
クロスチェックが出来ていないのです。一点集中し過ぎ。
姿勢→速度→姿勢→高度→ヘディング→姿勢→速度→姿勢→高度…
水平飛行で諸元が維持できるのは当たり前。
旋回で高度が狂わない、速度も変わらない。
「旋回でどうしても高度が動いちゃうんですよね…」って言ったら、
「パイロット訓練生もみんなそう言いますよ」って。
やっぱりそうなのね…
 

 

  諸元

 

フラップ5、185kt、1500ftの諸元は…
ピッチ6度、パワーN1が45%くらい…
もちろん、燃料を消費して重さが変われば変化します。
フラップ30、145ktの諸元は?
なんとなく高度計と速度計を追っているのですよね…。諸元が入ってない。
なら、そこから3度の降下パスを確立したときの諸元は…
ピッチを何度下げて(3度くらい?)、パワーをどれだけ絞る(10%くらい)?
それが入ってないから、降下のパスを作れないのですよね…
VSI(降下速度計)を追ってしまっている。
VSIって、いちばん追ってはいけない計器なのですよね。
降下速度って、姿勢とパワーの結果なのです。
「降下パスはグランドスピードから計算するのです」と教官。
えっ、飛んでる時に難しいこと言わないで(汗)
なんだか計算方法を教えていただいたのですが、頭に入ってない(汗)

 


 

 

  フラップ

 

アビームでギアダウン、フラップを下ろすのですが…

フラップ5→フラップ20。

速度は185kt→165kt(重量によって変化します)。

でも、フラップとギアが下りて抵抗が増しているので、パワーを足すことにはなります。

早く足しすぎるのですよね。と、なかなかフラップ20スピードに落ちません。

「フラップ30」とオーダー、フラップを下ろしたら、いちどオーバースピード警報が…

パワーを足すのは最後に。そして、

フラップ下げて、ピッチは上がらないように。わずかに下げ気味(0.5度くらい?)

 

 

  ゴーアラウンド

 

750ftをやっている時、パスが高すぎて「ゴーアラウンド」のコールがかかったのです。
「スタートディセントと言ったのに降下パスが出来てませんでしたよ」って。
ですよね…
750ftで滑走路上をローバス。
「この高度でここをローバスしたの初めてですよ」って…
セントレアのシーナリー、よく出来てますね。ホンモノそっくりです。
にしても…
750ft(230mくらい)って、低いですよね。飛行機の長さの4倍くらいの高度。
「すぐ下に船がいるなぁ…」って思いながら飛んでました。
 

 

  ミニマムサークル

 

それにしても…
1.5nm、アビームから15秒、0.6nmのファイナルも気にならなくはなりましたね…
ファイナルで蛇行しなくなりました。
以前、美保でミニマムサークルやった時は、
「あそこに降ろすの!?ムリ!」って思いましたが、
平気になりましたね…
教官の「ベースターンのバンク角は何度ですか?」の問いに、間髪入れず、
「23度です」と答えられるくらいには事前計算してますし。
 

 

  接地の極意

 

接地がね、なかなかうまく行かないのです。と、教官…
「電波高度計の『thirty』のコールまでは、トウフを追い続ける。
『thirty』のコールで、ゆっくり2つ先の接地帯標識にエイミングを移していく」
のだと…。
おお! 極意や!
それなら、計器など見ずともきれいに接地させることが出来ます。
もっと早く教えて欲しかった…
あとは、『どれくらいゆっくり』エイミングを移動するか、だけ。
 

 

  

 

そして後半、今回は20ktの横風を入れてもらいました。
旋回角やヘディングが変わるのは当然なのですが、
速度です!
ベースターンで、思いっきり速度が低下!
あわててスラストN1を90%まで出しましたね…
「ベースでN1を90%はないやろ」って自分で心の中でツッコミ入れてました…
考えてみたら当たり前で…
20ktの横風を受けてダウンウインドを飛んでいる。
そこから風下に向けて90度旋回すれば、なんにもしなければ20ktロス。
150ktで飛んでいても、あっという間にVrefを切ってしまいます!
さて、それならもちろんスラストを出さなければなりませんが…
どんなタイミングでスラストを出して、どこで戻したらいいのでしょうか…
ロールインするときにスラストを入れて行き、ロールアウトで戻す?
うーん…、
速度が落ちることを予測しているのと不意打ちを喰らうのとでは大違いでしょうが…

そして、横風時はランウェイ上でもエルロンを取って!(傾きますよ)
 

 

  次回への課題…

 

とにかくクロスチェック。
諸元(姿勢、パワー)をもっと意識しよう!
風が入った時の速度に対応を!

 

そして飛び終えて展望デッキに出てみると…

ANAさんの787が、おんなじ訓練(トラフィックパターン)をされていたのでした。

(冒頭写真)

さて、次回もまたトラフィックパターンを飛ぶのでしょうか。それとも…