みなさん『ノート・グルーピング入門』という本をご存じですか。原著は42年前に書かれたのですが、日本語訳は初版からまだ6年。もしかしたらこれ、音楽表現の聖書と言ってもいいかもしれないような一冊なのです。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
ノート・グルーピング入門
その本は、こちら。
どんなことが書かれているのかというと…
フレーズの音はどんなふうにグループになっていて、どこからエネルギーは生まれてくるか。
音楽的な演奏のためには、音列をどんなふうに捉えて演奏したらいいのか。
すごく大雑把言えば、そんなことが書かれています。
そういえば、少し前にこんな記事を書きました…
これの、もっともっと詳しいことが書かれている感じなのです。
最初は「なんの話?」って思うかもしれないけれど、読み進めていくうちに、
「おぉ、なるほど!」ってなる、そんな内容。
譜例や推奨演奏なども豊富に書いてあって、実例を通して学べます。
小節線
本の内容については、ぜひぜひそれぞれが読んで受け止めていただくとして…
ある章には、こんなことも書かれています。
小節とは、次から次へと連続して楽譜に書かれている音符を、正しい長さで演奏するための技術的手段に過ぎない。
小節線は、フレーズを音楽的に演奏するための助けにはならないというわけです。
これってね、たとえば…
「4拍子は『強・弱・中強・弱』だ」っていうのと、ある意味相反する話ですよね。
では、拍子感ってなんでしょうか。
拍子
4拍子って、強・弱・中強・弱?
そう教えている人、そう書いてあるもの、たくさんありますよね。
「強・弱・中強・弱が出来なくて悩んでいます」みたいな話も聞いたことがあります。
また、それはじつは強い弱いではないのだと教えているものもあります。
そもそも、強・弱・中強・弱って、どこから出てきた話なのでしょう…
欧米でも、そんなことを教えているのでしょうか。
考察はあとにして、まずこんな音源をつくってみました…
ロンドンデリー
こちらの楽譜を見てください。ロンドンデリーの歌です。

これに、4拍子に合わせてそれぞれの拍に『強・弱・中強・弱』をつけてみると…
どうですか。変でしょ。拍子感、感じられますか。感じませんよね。
不自然でヘンテコな音にしかなりません。
では、おなじ強弱をつけるにしても、こんなふうにつけたらどうでしょう…
どっちみち、ただそれぞれの音に強弱をつけただけなので、やっぱり変ですが…
でも、どっちかといったら、こっちの方がまだマシ、音楽的だと思われませんか。
強拍弱拍
そもそも、強拍とか弱拍ってなんでしょうか。
強拍を和英辞典で調べてみると…
『strong beat』、『accented beat』、『downbeat』
弱拍は…
『weak beat』、『unaccented beat』、『upbeat』、『arsis』、『anacrusis』
ドイツ語ですが、『auftakt』というのも出てきます。
この先は、調べてみても資料が見つけられなかったので想像なのですが…
元々は、『downbeat』と『upbeat』だった。
それを日本語に訳す時に、『強拍』と『弱拍』としてしまった、のではないか…
そこから、おかしなことが始まってしまったのではないか…
『wind instrument』を『管楽器』と訳してしまったみたいに…
『強拍』、『弱拍』って決して、強い拍でも弱い拍でもないと思うのです。
いや、もしかしたら、むしろ逆なのかも…
エネルギー
ところで、ハーモニーの中で、いちばんエネルギーを持っているのは?
つまり、緊張感が高い和音って、なんでしょうか。
ドミナントですよね。
ドミナントって、もちろん例外は多々あるでしょうが、
オモテかウラかどっちに来るのかというと、たいていウラなのですよ。
1拍目より3拍目、奇数小節より偶数小節、前半より後半なんです。
拍も、オモテよりウラ、downbeatよりupbeatの方が、エネルギーがある、
ウラがあって、オモテがある、ウラのエネルギーで、音楽は動いている、
そんなふうに思われませんか。
ノートグルーピング入門、ぜひぜひ、読んでみてください。
さて、音楽的な演奏ってどういうものだと思われますか。


