譜読みできない子が増えた? | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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学校吹奏楽部、楽譜の読めない子が増えているという話を聞きました。たしかにそうかもしれません。それにはいろいろ原因があるのでしょうけど、譜読みを音源に頼っていることも、そのひとつなのではないでしょうか。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  楽譜が読めない

 

楽譜が読めない子が増えている…
練習時間が少なくなったことも原因でしょう。
楽譜の読み方を教えてもらっていない、
先輩から教えてもらうということが減っているのかもしれません。
でも、ひとつ大きな原因なのではないかと思うのは、音源に頼って譜読みをすること…
今はネットの普及などでどんな曲でも簡単に音源が手に入るようになりました。
一昔前では考えられなかったことですよね。
それに、たとえ書き下ろしの楽譜でも、「音もください」と言われることが多いです。
「音がないと譜読みが出来ません」と…
これが逆に、楽譜が読めなくなった大きな原因なのではないでしょうか。
 

 

  リズム

 

楽譜が読めない、読んで演奏していない、それは特に、リズムに顕著だと思うのです。
わかって演奏しているのかどうか、演奏を聴けばわかります(偶然合ってもダメです)。
みなさんのところのバンドはそうではないですか。
なぜ、音源で譜読みをすると、音源に頼ってリズムを読むとダメなのでしょうか。
楽譜から読み取るのと、いったい何が違うのでしょうか。
なんだか、音源に頼って譜読みをしている子に共通して感じることがあるのです。
さて、なんだと思われますか。
 

 

  拍子感

 

音源に頼って譜読みをしている子から感じること、それは…
拍子感が希薄だということ。
「拍子、感じてる?」と思ってしまうのですよ。
だから平気でずれるのです。ずれたまま、進んでいったりする。
楽譜からリズムを読み取ろうと思ったら、拍子を把握せずには出来ませんからね。
そして、拍子やビートって、リズムを読む前提として、まずいちばん大切なことです。
さらにこれ、演奏が立体的になるかどうかのひとつの分かれ目でもあると思うのです。
音が正確に並んでいればいいというわけではないのです。
 

 

  1小節は何拍ですか

 

さて、この現状、どうしたらいいのでしょうか。
音源を取り上げる?
まず、取り組んでいる曲、1小節は何拍で出来ているのでしょうか。
これ、答えられない子は多分いないと思います。そう信じたい。
楽譜から読み取る時って、まず前提としてそこを見るでしょ。
それがなかったらリズムなんか読めないですからね。
では、それぞれの音はどの拍にあるのでしょうか。
拍と拍の間にも、音がありますよね。
1小節がそうであるように、ひとつの拍がまた、さらにこまかい拍で出来ている。
その構造を体感で把握した上で、リズムを読む。
それが出来ないままリズムを読んだのでは、つまりはデタラメということですよね…
 

 

  指揮の練習

 

では、どんなふうに譜読みや練習をしたらいいのでしょうか。
以前に書いた、『手拍子しながら歌う』も有効だと思います。
それから、ひとつ思うのですが…
指揮の練習をしてみてはどうでしょう。
2拍子、3拍子、4拍子、この図形を振れるようになること、
振りながら、それに合わせて自分の楽譜を歌えること、
これ、もしかしたら有効なのかな、とも思うのです。
『拍子』が入っていなかったら出来ませんよね。
音源を聴くのなら、音源に合わせて図形を振ってみるのもいいかもしれません。
どうでしょう、みなさんは出来ますか。

さて、リズム、拍子、ちゃんと『読めて』いますか。