息が苦しい原因は… | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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管楽器って、空気、息を使って奏でる楽器ですよね。すると、ときに『息が苦しい』なんていう現象に見舞われます。さて、どうして苦しいのでしょうか。これを分析することって、大いにプラスになるように思うのです。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  息が苦しい

 

ありませんか。管楽器奏者のみなさん。息が苦しいと思った経験…
さて、苦しい原因って何なのでしょうか。
息が足りないから?
そうとばかりも言えないのですよ。だから、
『息が足りないからもっとたくさん息を吸わなければ…』が正解とは限らないのです。
それでは、息が苦しいのにはどんな場合があるのでしょうか。
 

 

  息が足りない

 

まずは、単純に『息が足りない』状態。
低音楽器など、多くの空気を必要としますよね。
一息で吹きたいフレーズに対して、それに必要な息が足りない…

  • 効率良く息を使う
  • より多く息を吸う
  • 途中でブレスする

などが対処法ですよね。
一息で続かなければ、途中でブレスをすればいい。
音楽的には切らないでブレスする方法はあるのです。
そして、一息で続く長さって、楽器によって大きく違うのです!
 

 

  息が余っている

 

息が足りなくて苦しいこともあれば、逆に、息が余って苦しいこともあります。
「そんなこと、あるわけないじゃん!」と言われますか。それがあるんですよ。
たとえば、あとうちがあったとします。
8分休符と8分音符が交互に出てくるやつですよね。
拍のあたまが、8分休符。すると、無意識に…
その8分休符ごとに毎回ブレスをしたくなったり、実際にしていたりする。
短い8分音符1コ吹くたびにブレスをしていたのでは、息が余ってしまいます。
つまり、つねに肺の容量の『full』に近いところで吹き続けることになる。
これでは苦しいばかりです。だって、普段の生活で使わない領域ですからね。
ブレスの回数を減らしましょう。息を吐きましょう。
 

 

  酸素が足りない

 

たとえばピアニシモの長ーいフレーズがあったとします。
楽器にもよりますが、息をあまり消費しない楽器(オーボエとか)だととくに、
一息で長いフレーズを吹いていると…
その間は『ガス交換』がおこなわれないわけですから、だんだん酸素が足りなくなる。
苦しくなってくるのです。
「息がまだあるのに苦しい」という状態です。
これは、練習により少しづつ克服できると思います。
一息で、短いフレーズも長いフレーズも吹けるようにする、
ブレスコントロールという練習です。
管楽器吹きは一般の人よりも動脈血に酸素が少ない状態に耐えうるのだと聞いたことがあります。
 

 

  酸素が多すぎる

 

酸素が多すぎるのかどうかわかりませんが、上の『酸素が足りない』の逆。
たとえばバストロンボーンのように多くの息を必要とする楽器で、
しかも息をもっとも消費する低音域をフォルテでずっと吹き続けていると…
いわゆる『過呼吸』に近い状態になります。
よっぽどのことがない限り、過呼吸にまで行くことはないですけどね…
これは、鍛えることで克服できるのでしょうか?
空気を使いすぎない効率のいい音を追求することは有益でしょうね。
 

 

  圧力が高い

 

最後に、圧力が高い状態。
金管楽器の超ハイトーンを吹き続けていると、視界が暗くなることがあります(怖)。
いわゆる、身体の中の空気の圧力が高い状態。
それによって、静脈の血液が心臓に帰ってこられなくなって血流が滞るのだと聞きました。
吹き終わった瞬間に、胸(心臓)に『ドーン』と何かが戻ってくる感じなのです。
よっぽどのことがない限り、こんなことにはなりませんけどね。
どんな性格のハイトーンをどんな強さでどれくらい吹くかにもよるでしょう。
まっ、ハイトーンはほどほどに、というところでしょうか。

息が苦しい(最後のはちょっと違いますが)のにもいろいろあるのですよね。
それによって対処法もいろいろなのです。

さて、管楽器吹きのみなさん、息が苦しい経験、ありますか。