地域移行の問題点 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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部活動の地域移行が言われて久しいですが、その理由、そしてその弊害についても、いろいろな先生から声を聞きます。弊害だって少なくないのですよ。たとえばどんなことがあると思われますか。挙げていってみますね。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  地域移行する理由

 

まず、学校の先生から聞いた、地域移行や外部委託にしてほしい理由…
ずばり、顧問をしている暇がない、というもの。
いちにち学級や授業をして、放課後…
いろいろな仕事がたまっているのです。会議があったりもする。
上からは、「残業するな」と圧力もかかる。
部活に時間を取られている暇はない、というわけですよね…
でも、先生の仕事って昔からこんなに多かったのでしょうか。
これについては過去にも何度か書きました。つまり何が言いたいかというと、
余計な仕事が増えたのではないか、ということです。
そういうの、もっと仕分けしようよ、と思うのですがね教育委員会さん。

では、部活動が地域移行したらどんな弊害が生まれるのでしょうか…
 

 

  お金持ちしか出来なくなる

 

部活動、とくに吹奏楽ってお金のかかるものです。
楽器、楽譜、消耗品、そのほか…
そういうのがすべて個人の負担になったらどうでしょうか。
そんなところに所属出来るのはほんとうに、お金持ちの家庭の子だけになってしまいます。
家庭のことを考えて、部費は取らないようにしようと言っている学校もあるというのに、
地域移行したらもう関係ないし…、でしょうか。
その上、学校から外に出るとなれば、場所にもお金がかかってきますよ。
もう『セレブにしか出来ないこと』になてしまいます。
 

 

  子どもたちに目が届かなくなる

 

学校で、先生が顧問をしている部活動であれば、その子どもたちに目が届きます。
放課になってすぐに学校から外に出したら、外での活動になったら、もう目は届かない。
生徒が外でなにか問題を起こして学校に連絡が入ったら、先生の負担はむしろ増えかねない。
(これも学校の先生が言われた話です)
これなら学校で部活をやっていた方が良かったわ…、ってなりかねない。
そして部活動って、教育的な意味も大きいのですよね。
そういう関わりを持てる機会を、学校は失うのです。
 

 

  保護者の負担が増える

 

部活動が地域移行して学校の外に出たら、子どもたちはそこまで移動しなくてはならない。
どうやって通うのでしょうか。
子どもたちだけで行けるのなら、まだいいですよ。
保護者の送り迎えが必要なんてことになったら、家庭の物理的負担は増えてしまいます。
そして、物理的地理的にそこまで通えない子はどうしたらいいのでしょうか。
学校が部活動で子どもたちを預かってくれているから助かっている保護者は少なくない…
家庭の負担はずいぶん増えることになるでしょうね。
 

 

  責任の所在が不明確

 

活動をしていると、いろいろなことが起こります。
たとえば、活動中に事故でもあったら…
部活動であれば、学校が責任を取ってくれます。
保険が下りたりもするのでしょうか。
それが地域移行して学校から離れると、そういうことは一切なくなる。
責任の所在も当然、曖昧になる。
教育委員会とかがちゃんとした報酬や給与を払って雇った指導者ならまだしも、
そうではない人間にそんな責任は負わせられないでしょう。
なにがあろうと、責任なんか誰も取らなくなるのです。
逆に言えば、学校や教育委員会は『責任を取りたくない』という本音もあるのでしょうね。

ざっくりと書いてみましたが、地域移行の弊害、まだまだありそうですね…
さて、生徒さん、保護者のみなさん、学校さん、これでいいと思われますか。