上下関係? | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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上下関係、どちらかが上でどちらかが下、主従関係、序列、優劣、そういう関係、いや、そういうふうに無意識に思ってしまっている関係って、音楽の世界にもありますよね。でもそれってほんとうに上下なのでしょうか。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  1stと2nd

 

たとえば…
以前にこんな記事を書きました。

 


1stの方が上、1stのほうが難しい、上級生が吹くもの…
そういう風習?って、あったりしませんか。
これ、ときにはプロの世界にもあったりするのですよ!
聞いた話では、歌の世界にも一部にはあるのだそうです。

ソプラノはアルトより偉い、って…
さて、みなさんはそう思われますか。
 

 

  昔は…

 

昔は、上吹き(1st)より下吹き(2nd)の方が給料が良かったこともあるのだとか…
なぜかというと…
上吹きは高い音さえ吹ければいいけれど、下吹きは上も下も吹けなければならないから。
ドイツのライプチヒにゲヴァントハウスという歴史あるオーケストラがあります。
そこに昔(200年くらい前)、クヴァイサーというバストロンボーンの名手がいました。
ダヴィッドのコンチェルトを初演した人です。
では、そのときにゲヴァントハウスで1番を吹いていたのは誰か…
ぼくは知りません。調べてもわかりませんでした。
やっぱり、下吹きの方が名を馳せた、ということなのですかね…
 

 

  クラシックの方が?

 

クラシックの方が、ポップスより上?
そういうふうに捉えている方面も一部にはあるのだそうですよ、未だに欧米でも。
ずばり、音楽のジャンルに優劣はないように思うのです。
そして、音楽の演奏形態にも上下なんてないように思うのです。
でも…
コンクールの曲は必死にさらうのに、訪問演奏の曲はそれなりに…

そんなこと、ないですか。
これ、ほんとうにいい演奏を(コンクールでも)する団体は、そうではないのですよ。
どんな曲でも本気で真剣に取り組む。
そりゃ、どれくらい深い思慮と発想で書かれた楽曲なのかは、いろいろあると思います。
でもだからといって、演奏するときに手を抜いたり見下したりはしないですよね。
 

 

  先輩と後輩、先生と生徒

 

先輩と後輩って、上下関係でしょうか。
先生と生徒は?
それは『先人』ではあるのですけど、でもだからといって、
より優れているとか、完成されているとか、完璧であるとかいうものではないですよね。
どこかでそんなふうに思ってはいませんか。
先輩なんだからなんでも知っていて完璧に出来なければいけないなんて思っていませんか。
先輩と後輩、先生と生徒、いずれも、どちらも発展途上の、道の途中にいる存在なのです。
一方が道の途中で、一方がゴールにいる、のではないのです。決して。
そういう意味では、上下、ではないですよね。
でも、先んじている人なのですから、礼節は必要ですね。
 

 

  ヒエラルキー社会?

 

みなさん『ヒエラルキー』という言葉をご存じですか。

https://www.weblio.jp/content/Hierarchy(weblio辞書)

なんだか難しそうですね。要するに、順序、ランク、序列、上下、そういうことです。
日本はヒエラルキー社会だと言われる方もおられます。
それはときに、こういう態度につながっているように思うのです…

  • 上の人の言うことには無思考に従う
  • 自分で考えたり判断したりはしない

これ、ほんとダメだと思うのです。
自分で考えたり判断したりして、納得した上で取り入れる。
一方的な関係ではなく、お互いに考えを伝え合える関係。
そういうふうになれないのであれば、ヒエラルキーなんて害でしかないですよね。

みなさんは、どう思われますか、上下関係。