部活動、学校ごとの格差が広がっているという声を、いろいろなところから聞きます。部活動のガイドラインが出た時点から懸念していたことが現実になりつつあると感じています。さて、問題はどこにあるのでしょうか。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
格差
たとえばTwitterにもこんな声がありました。
少し長くなりますが、引用します。
それにしても学校間の格差が以前にも増してすごい。人数がいる学校とそうでない学校。練習の時間をしっかり取れている学校とそうでない学校。基本的な奏法を丁寧に指導されている学校とそうでない学校。同じ年代の学生でこうも演奏の質が違うとすればやはり正しい方向には向かっていないのだと思う。
— 会津フィルハーモニックウィンズ (@AizuPW) December 9, 2023
人数が少ない学校が予想以上のハイペースで淘汰され始めていたり、瀕死の状態に陥っているのを見ると。平成30年に文化庁が思い描いていた地域移行のビジョンは既に失敗しているんじゃないかと思うんですよ。実際に子どもたちが文化活動に親しむ機会がとんでもないスピードで消失しているんだから。
— 会津フィルハーモニックウィンズ (@AizuPW) December 9, 2023
子どもたちを取り巻く環境そのものを見直さないと、本気で音楽に関わる部活動はこのまま死を迎えます。部活動で楽器を演奏したいと思っても一部の大規模な学校でしかそれが叶わないという未来。多様であるはずの価値観が一つに束ねられてしまい、いつしかそれが狭い世界の中で唯一の正解になる悪夢。
— 会津フィルハーモニックウィンズ (@AizuPW) December 9, 2023
同じような声は、よそからも聞きます。
みなさんのところはどうでしょうか。
ガイドラインや地域移行、文科省はいったい何がしたいのでしょうか。
ガイドライン
わかりやすく、交通ルールに当てはめて考えてみますね。
みなさん、道路を走るとき、制限速度の標識って必ず見ていますか。
その制限速度、きちんと守っていますか。
そんな人、ほとんどいないように思われます。ぼくもほとんど気にしないです…
部活動のガイドラインって、これと同じです。いや、もっとひどいものです。
『一般国道を時速120km/hで走る暴走族がいるから、制限速度を時速10kmにします』…
これが、今のガイドラインです。
そんなの守らない人が続出するでしょうし、守らされた団体は瀕死になってしまいます。
もっと現実的な…
国道を時速120kmで走る暴走族がいるのなら、そこに対して有効な対策を立てるべきです。
誰も守れない、一部の取り締まりの口実でしかない制限速度を課するのではなくて、
もっと現実的な制限速度、たとえばせいぜい時速60km/hとかを課するべきですよね。
規則と現実が全然合っていないのですよ。
これは道路の制限速度についても部活動のガイドラインについても言えることです。
現実的でまともな対策やガイドラインではないのだから、当然、守らない人が続出する。
律儀に守る(守らされる)人とそうでない人との間で格差が広がってしまうのは自明です。
文科省にはもっと現実を見ていただきたい。
盛山大臣、よろしくお願いしますよほんとに…
地域移行
地域移行については、こちらのブログで書いた通りです。
ほんとうに、一体何がしたいんだ!? という感想しか出ません。
いちばん大切なこと、子どもたちのことが忘れ去られているということ。
「よしよし、なくなってしまえ」と思っている向きも、なかにはおられるでしょう。
そういう人たちは、一体何のためにやっているのでしょうね。
きっと、ただの食いぶちなのでしょう…(そういう人に子どもの前に立ってほしくないですね)
「学生の頃の部活動はかけがえのないものだった。でも学校に部活動は要らない」
そんなふうに言った教師もいました。呆れませんか…
愚策
責任あるはずの人たちの愚策が、教育を壊していくのです。
利己的な大人たちの犠牲になるのは、いつも子どもたち…
みんなで声を上げていかないと、取り返しのつかないことになってしまうと感じます。
活動が週に11時間では少な過ぎです。
受け皿を準備しない地域移行はただの破壊です。
教育の破壊、ひいては文化の破壊、これはもう戦争ですね。
みんなで戦っていかなければならないと思うのです。
さて部活動問題、みなさんどう思われますか。
そういえば、こんな記事も書きましたね…