ステージマネージャー | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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先日、あるコンサートのステージマネージャーサブ、つまり補佐をやったのです。ひとつの公演のために、これだけたくさんの人が、これだけの手間暇かけて創っているんだということを、そこであらためて感じたのです。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  ステージマネージャー

 

ステージマネージャーという仕事を、あなたはご存じですか。
この人がいないと、コンサートは成り立たないのです。
ステージを、いろんな意味で『作る(創る)』人。
考え、設計し、動かし、取り仕切り、気を配り、調整し、時には演出家でもあるのです。
映画でいったら、監督が指揮者、役者が演奏者、演出家がステージマネージャー。
ステージマネージャーは裏方ではあるのだけれど、
ときには役者以上にその良し悪しが影響する、そんな仕事…
先日は、そのサブ(補佐)をやったのですが、
では具体的に、ステージマネージャーはどんなことをしているのでしょうか。
 

 

  進行

 

コンサートには進行表というものがあります。芝居でいったら台本みたいなものです。
こんな曲順で、ここにMC(しゃべり)が入って、ここで誰が出てきて…
そういうのを把握して、関係者と打ち合わせる。必要があれば調整する。
たとえば花束を渡す場面があるとするでしょ。
そういうの、あらかじめ打ち合わせてリハーサルするのです。
お花がお客さんの方に見えるように持って、出てきて、ここでこういう向きで渡す、
そんなことまで指示して演出する。
MCのマイクはちゃんと入るか、どこでどんなことをしゃべるのか、指揮者はどこで出るのか…
全部把握して、指示し、取り仕切る。
 

 

  ステージをつくる

 

ステージ、これにも図面があります。舞台図というものが。
それにのっとって、舞台を組みます。
平台を並べ、打楽器などを配置し、椅子を並べ、譜面台を並べます。
椅子は普通の椅子でいいのか、場面転換はあるか、必要ならバミリをします。
もちろん一人でやるわけではなく、多くのスタッフがいます。そのスタッフに指示を出す。
木管楽器など、リードを置いたりするのに箱馬を使ったりします。
それをどんな向きで置いたら見映えがいいか、使いやすいか。
椅子の配置、譜面台の高さなんかにも気を配ります。
常設オケのステマネさんであれば、○○さんは譜面台高めなんてことまで把握しているでしょう。
ステージセッティングの話は、この記事に書きましたね…

 

 

 

  リハーサル

 

メンバーが集まりリハーサルが始まると立ち会って、セッティングに修正はないか気を配ります。
椅子や譜面台の不具合はないか、配置は問題ないか、必要なものはそろっているか、
照明はどうか、ちゃんと必要な明るさがあるか、奏者がまぶしくはないか、
指揮者のスコアはどうするのか、全部置いておくのか、それとも出し入れするのか、
ステージ袖に予備の椅子は十分にあるか、導線は大丈夫か、マイクなどはどうするのか…
もちろん楽譜についてはライブラリアンの領分ですが、それ以外のことはステマネマター。
音が出る瞬間まで注意を配ります。
 

 

  本番

 

ステージに関するあらゆる動きは、ステージマネージャーのキューによります。
明かりが切り替わるタイミング、奏者が出るタイミング、指揮者が出るタイミング、MC…
そういうものに全部キューを出し、『間』を演出します。
指揮者やソリストを送り出すときには拍手で送ります。
ステージに楽器がある打楽器やコントラバスは、あらかじめチューニングや調整をしたいかも…
そういうことにも気を配ります。
そして指揮者が指揮棒を振り下ろして曲が始まるまで、突発事項に備えてステージを見守ります。
幕間に転換があれば、それを仕切り、指示を出します。
そして本番が終われば、スタッフと協力して撤収。指示を出します。
忘れものはないか、楽譜は回収できているか、バミリは残っていないか…
 

 

  多くの人の…

 

こんなにいろいろなことに気を配り、指示を出し、取り仕切っているのですね。
コンサートをつくるためには、きっと多くの人の想像以上に、たくさんの人が関わっています。
ステージマネージャーだけではなく、ライブラリアンやホールの人、受付やお手伝いスタッフ、
それ以前に、企画する人、広報する人、フライヤーやプログラムをデザインする人…
そんなことにも思いを馳せてもらえたら…

さて、あなたはご存じでしたか、ステージマネージャーという仕事。