レガートとはなにか | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
おもに吹奏楽の活動に役立つ情報を発信中!
バンド指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。

楽譜にはいろいろなアーティキュレーションってありますよね。たとえばスラーやレガート、これ、どうしたら出来るのでしょうか。えっ、タンギングしないようにすれば出来る?そうでしょうか。それでレガートになる?

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  アーティキュレーション

 

楽譜に書いてあること…、音、リズム、アーティキュレーションや楽語、演奏指示…
いろいろあるなかで、さて、アーティキュレーションです。

  • スタッカート … 1音1音を切り離して、分離させて、という意味です。
  • アクセント … はっきりと、ではなく、元々は、目立たせる、際立たせる、という意味です。
  • マルカート … では、はっきりと、は…、マルカートですね。
  • テヌート … その音符が持っている時間を十分に保って演奏する、です。
  • スラー … もともとは『はっきりせずに』なんて意味があるようです。なめらかにつなげて演奏します。
  • レガート … もともとは『結ぶ』という意味。音と音とをしっかりつなげて演奏することです。

まだほかにもいろいろありますが…

さて、アーティキュレーション、正しく理解できていましたか。
 

 

  スラーやレガート

 

ではスラーやレガートは、どうやって演奏しますか。どうしたら出来ますか。
スラーやレガートのかかった音はタンギングしないで演奏する、でしょうか。
基本的にはそうなのでしょうけど、それで十分なのでしょうか。
タンギングしなかったらスラーやレガートになるの?
それではちっともレガートに聞こえないレガート、けっこうあるのですよ。
さて、いったいなにが足りないのでしょうか。必要なものはなに?
 

 

  トロンボーンの場合

 

レガートとはなにか、ということを書く前に、まず、トロンボーンの場合について書いてみます。
トロンボーンは、いくらレガートだからといってタンギングをしなかったら…
グリッサンドになってしまいますよね。
だから、タンギングをしないのではなくて、タンギングの種類を使い分けます。
レガートやスラーの音には『レガートタンギング』というタンギングを使います。具体的には…
「Du」と「Ru」の中間くらいのタンギング。どちらかというと、ちょっと「Ru」に近いかな。
曲や流派によってはリップスラーを併用したりもしますが、基本的にはレガートタンギングです。
 

 

  レガートとはなにか

 

さて、レガートやスラーって、なんでしょうか。それは…
ロングトーンだと思うのです。
ロングトーンなのだけれど、ただ、途中で音が変わるのです。
音が変わるロングトーンです。
いいですか、『まっすぐトーン』ではないですよ。『ロングトーン』です(過去記事参照)。
で、レガートのフレーズを歌う、とは、そのロングトーンを歌うことです。
決して、ひとつひとつの音をではなく!
 

 

  悪い例

 

ありがちな、悪い例、それは…
音の変わり目で、息の流れが途切れたり淀んだり…
音の頭だけ鳴って、そのあとがやせてしまったり…
こういうのが、よく見られます。
これではレガートにはなりません。
タンギングをしないだけでレガートが出来るわけではないのです。
では、大切なことはなんでしょうか。それは…
 

 

  息の流れ

 

ひとつのスラーやレガートの中で、息の流れ、空気の流れ、それが、1本につながっていること。
ここが、いちばんのポイントなのです。
タンギングをするかしないかにとらわれて、
この、いちばん大切なポイントがおろそかになってしまっている…
そんなレガートが、少なくないように思うのです。
レガートは、ロングトーン。
忘れないでおきたいところです。

さて、美しいレガート、出来ていますか。
 

 

あわせて読みたい…