ばてるということ | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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楽器を演奏していると、バテるということが起こります。さて、これってどういうことなのでしょうか。どうしてばてるのでしょうか。どうすればばてにくくなるのでしょうか。それには鍛えることが必要なのでしょうか。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  ばてるということ

 

ばてると、どんなことが起こるでしょうか。
金管楽器のことを書いてみると…
高い音が出せなくなる
音を維持するのが難しくなる
反応が悪くなって音が鳴りにくくなる
こんなことが起こりますよね。
筋肉の力が足りない感じになって、力を維持しようとますます力んで、悪循環に…
 

 

  鍛えること?

 

では、ばてにくくなる、耐久力をつけることって、鍛えることなのでしょうか。
筋肉の力を強くすること?
ともすると、そんなふうに考えがちですよね。
鍛えて鍛えて、ラクに演奏できるようにしよう、って…
そういう部分がない、とは言いませんが、

むしろ、そうではない側面の方が大きいように思います。
いかに力をつけるか、ではなく、どう使うか、なのだと思うのです。
 

 

  必要な力

 

ばてるのって、『必要な力が足りていないから』ばてるのでしょうか。
そもそも、必要な力って何でしょう。
ばてにくい、耐久力がある人は、力が強い人なのでしょうか。
上級者って、そんなに『力持ち』なの?
そうではなく、より『力が必要でない』演奏のしかたをしているということだと思うのです。
では、どうすればそれが出来るのか…
『より力を使わないで演奏する』
『より力を必要としない奏法を得る』
この2つ、違いますよね。
ここを間違うと、うまくいかなくなるように思います。
『結果的に』、力を使わないでも演奏できるようになるのですね。
より力を使わない、つまり、より脱力することは、決して目的などではなく、結果なのです。
 

 

  『ばてる』と『くずれる』

 

より力が必要ではない奏法を得る以前に、大切な見極めがあるように思います。
バテたな、と感じたときに、観察してみたいこと…
それって、ばてたの? それとも、くずれたの?
ばてるというのは、必要な力が維持できなくなってしまうこと。
くずれるというのは、疲れてしまった結果、身体の使い方が変化してしまうこと。
よく観察してみると、じつは後者であることが多いのではないでしょうか。
力は維持できているつもりなのに、なんだか音が鳴らなくなってきたぞ…
それってじつは要するに、微妙なところで『くずれている』のではないでしょうか。
 

 

  ばててはいけない?

 

練習で、「ばててはいけない」と言われることがあります。
ばてても吹き続けるのはよくないんだ、と…
それはなぜなのか、ここまで書いてきたことでわかりますよね。
それは、くずれていってしまうからです。
それでは、いいことはない、マイナスしかありません。
「ばててからが練習だ」なんて昔は言われましたが、とんでもない。
このまま吹き続けて、はたしてプラスになるのか、そんな見極めって大切なように思います。
自戒を込めて…
 

 

  大切なことは…

 

より『力が必要でない』身体の使い方を得るためには、やはり観察、そして、
あたまを使って練習することが大切ですね。
でもそれは、奏法の些末なことばかりを意識することでもない。
どこかもっと本質的なことを忘れないでいること。
なんだかとても抽象的ですが…

さて、あなたは耐久力、ある人ですか。