余計な動きを手放すことは | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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練習していて思うこと…。楽器を演奏するのに大切なことは、身体の余計な動きを排して、

いかに身体の仕組みに素直に音を紡いでいくか、それを身に着けていくのが練習ではないかと。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

 

  余計な動き

 

ある程度長く楽器をされている方は特にそうだと思うのですが、

これまでムリをして音を出してきた時に身体に沁み込んでしまった動きや、

なにかが変化した時に不要になったのに手放せない動き、

また、身体の構造を少し違って捉えている(ミスマッピング)ために起こっている動きなど、

そういう、いらない動き、やめたい動き、でも、どうしても出てしまう動き、

そんな動きってあったりすると思うのです。

それが全然ないという人は、自然に演奏できているとても幸せな人か、

あるいは、ただ気づいていないだけなのか、どちらかだと思うのです。

 

 

  自分の場合…

 

ぼくの場合、発音するときに、下くちびるを巻こうとする動きがどうしても出てくることがあります。

もちろん、必要ないはずの、つまりは余計な動きです。

なぜ、こんな動きが出るのかには、過去の物語があるのですが、それは置いておいて、

この動き、ムリにやめようとか、反対向きの力で打ち消そうとかするのは逆効果。

よく観察して、解析して、どういうものなのかを認識することが、まず第一歩だと思います。

いったい何にともなう動きなのか…

 

 

  ゆっくりやってみる

 

なにか奏法で悩んでいる人、いまいちしっくり来ない、うまく行かない人、

そういう人にひとつおススメなのが、ゆっくりやってみること。

楽器をかまえる、ブレスをする、発音のための動きがあって、発音して、音が始まる。

その一連の動き(それらはもちろんオーバーラップして起こります)を、ゆっくりと、

スローモーションみたいにやってみるのです。

ただし、大切なことがあります。それは、止まらないこと。

ゆっくり、だけど、止まらない。

そして、その一連の動きをよく観察するのです。

と、なにか気づけたりする。その場では気づけなくても、あとになって気づいたりもする。

 

 

  分割してやってみる

 

もうひとつの方法は、分割してやってみること。

  • 楽器をかまえるだけ。かまえて、降ろすだけ。
  • かまえて、ブレスをするだけ(発音はしない)。
  • かまえた状態から、ブレスをしないで発音してみる。

ブレスしなくても、肺の中にはある程度の空気はありますよね。

なので、ブレスをしなくても音を出すことは出来るのです。

ほかにも分割するやり方はあるかもしれません。

要するに、一連の動きを、切り分けてやってみる。

と、たとえば、やめたいと思っている余計な動きが何に伴うものなのかが解析できたりする。

 

ぼくの、巻く動きは、当初ブレスにともなう動きだと思っていたのですが、

どうやらそうではなく、発音準備にともなう動きのようです。

そこまでわかってくると、なぜその動きが出ることがあるのかも、だんだんと見えてくる。

 

 

  いかに身体の構造に素直に

 

身体の仕組み、構造、自分が思っているのと実際との間には、けっこうズレがあるもの。

そのズレ、いわば思い違いを修正していくこと。

こういう構造だから、こういう働きになるのが、やっぱり自然だよね、と、納得できる。

楽器を演奏するのには、そんなに力は要らないモノ。

それよりも、理にかなった使い方、動きを洗練させていく方が、ずっといいですよね。

日々、観察。日々、変化。

 

 

  納得のいく

 

ぼくは30才くらいの時に、いちど吹けなくなっています。

ほんとうに、まったく音が出せない状態。それを、無理矢理吹いていた。

そのときの、からまった糸を、苦労してずっと解いている感じですね。

正直あれから、自分がほんとうに納得いく音の出し方が出来たことは、ただの一度もありません。

でも、このごろなんだかやっと見つけられたような気がしています。

まぁ、ぼくなどどうせクズみたいなトロンボーン吹きですが、

あっちに行ってからまた野口さんと演奏したいので、上手くなっておかないといけません。

 

さて、みなさんは自然な吹き方、していますか。

 

 

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