反対向きの力で抑え込む? | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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たとえば楽器を練習していて、なにか望まない動き、動作に気づいたら、どうしますか。

ここでどうするのかが、今後に大きく影響するように思うのです。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

望まない動き

楽器の奏法で、『こうなるのはよくない』みたいに言われていることって、あるじゃないですか。

ほんとうは、そんな普遍的セオリーみたいなものって、ほとんどないと思うのです。

だって、ひとりひとり違うのですから…

まあなにしろそういう、よくないと言われている動きに気づいたとき、

あるいは、『この動きがよくないのかな』という動きを見つけたとき、

さて、どんなふうにしますか。

意識的に、また、無意識に。

 

2つのやり方

対処する場合、おもに2通りのやり方があるように思うのです。

1つは、その『なくなってほしい動き』とは逆向きの動きを使って打ち消してしまうやり方。

もう1つは、ただ純粋に、その動きをやめる、あるいは減らすというやり方。

さて、この2つのやり方、同じことだと思いますか。

根本的にまったく違うものだと思うのです。

その結果についても、まったく違うことになるように思うのです。

では、この2つ、どちらがいいと思いますか。

もちろん、この2つのほかに、『放置する』というやり方もあるとは思いますが…

 

反対向きの力で

1つめの、『逆向きの動きを使って打ち消す』、つまり、反対向きの力で抑え込むやり方、

これって、たとえばクルマでいったら、アクセルとブレーキを同時に踏むのとおんなじですよね。

スピードが速すぎるとき、アクセルは踏んだままでブレーキを踏むようなもの。

たとえば手を握るとか開くとかいう単純な動作なら、まず選ばないやり方でしょうけど、

フォームやアンブシュアなどの複雑で繊細な動きになると、してしまいそうですよね。

でも、これをしてしまうと、身体の中では戦いが始まってしまいます…

『そんなことをするはずがない』と思われますか?

無意識にしている場合もあると思うのです。

 

純粋にやめること

必要がない、または、過剰になっている動きを、ただ、やめる、手放す。

それが出来れば、いちばん効率が良く理想的ですよね。でも…

『その動きは、必要がない余計なもの、やめてしまわなければ』…

ちょっと待って。もしかしたら、必要がないのではなく、『過剰』なだけなのかもしれません。

『要る』、『要らない』という、白か黒かみたいな発想だと、間違うかもしれない…

だから、注意深く、ゆっくりと。

 

どちらを選んでいるのかを…

2つのやり方のどちらを選んでいるのか、それを、よく観察してみる。

これ、とても大切なことのように思うのです。

 

もし、反対向きの動きで打ち消しているのなら、

望まない動きはなくなったわけではなく、ただ抑え込まれているだけだと思うのです。

しかも、『反対向きの動き』という、新たな『余計な』動きを増やしていることにもなるのかも…

(余談ですが、ジストニアでも、反対向きの筋肉(拮抗筋)が共に収縮しているのだそうですね)

 

一方、純粋に、ただ、やめてみるというやり方。

その動きをやめてみたら、減らしてみたらどうなるのか、どんな反応があって、何が起こるのか、

それを、よく観察してみる。

すぐには出来ないかもしれません。だから、ゆっくりやってみる。

逆に、その手放したい動きだけをあえて取り出して確認してみることも、

それを手放すためには役に立つのかもしれません。

 

2つのやり方、外から見ていると一見おんなじに見えるようでも、根本的には全く違うもの。

そのどちらを選んでいるのかは、とても大切なことのように思うのです。

だから、注意深い練習って大切なのですね。自戒を込めて…

 

さて、あなたはどちらのやり方を使っていますか。